「機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像」の版間の差分

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== 概要 ==
アニメ『[[機動戦士ガンダム]]』のキャラクターである[[シャア・アズナブル]]を主人公に、後にクワトロ・バジーナとして[[エゥーゴ]]に身を投じるまでの[[一年戦争]]終結から[[グリプス戦役]]にかけての空白の7年間を、主に[[ハマーン・カーン]]との関係に主軸を置いて描いた作品。『[[機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY|0083]]』『ZΖ』『ZZΖΖ』『逆襲のシャア』の登場キャラクターやメカニックも一部登場しており、時間軸のつながりを感じさせる構成となっている。本作は劇場版『機動戦士ガンダムIII』から繋がる形で描かれており(『[[機動戦士Ζガンダム]]』が劇場版『機動戦士ガンダム』を正史としている)、冒頭で[[マ・クベ]](TV版では劇中で戦死)が登場する事からもそれが伺える。
 
作者の北爪は『機動戦士Ζガンダム』『[[機動戦士ガンダムΖΖ]]』『[[機動戦士ガンダム 逆襲のシャア|逆襲のシャア]]』に作画・キャラクターデザインで関わっており、『ガンダムエース』誌に連載された『[[機動戦士ガンダム THE ORIGIN]]』や『[[機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル]]』と並ぶ看板作品となった。作者は当初『機動戦士Ζガンダム』の漫画化を依頼されたが、それならば空白時期を自分の解釈で書いてみたいとしてこの作品が誕生することとなった。ハマーン・カーン役の[[榊原良子]]も本作を評価しており、劇場版『[[機動戦士Ζガンダム#劇場版|機動戦士Ζガンダム A New Translation]]』のキャラクター作りに役立ったという。
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: 通説では、ハマーンとは恋人関係にあったとされるが、本作ではニュータイプおよび指導者として将来を期待する女性としてしか扱われず、ナタリー・ビアンキ中尉と深い関係を持っている。しかし、積極的な独立運動を推奨するハマーンとの意見の相違に加え、ハマーンが嫉妬から強硬派残党によるナタリー殺害を黙認したことが決め手となり、シャアは彼女と決別。ジオン独立同盟から、[[エゥーゴ]]の話を知ると、それに参加するため表向きは地球圏偵察を名目に船団を率いてアクシズを退去した(U.C.0083年10月29日)。そしてルナツーで「クワトロ・バジーナ」の連邦軍籍を得て、運命の地グリーン・オアシスへと潜入することとなる。
; [[ハマーン・カーン]]
: マハラジャの次女で後のアクシズ[[摂政]]。容姿・性格共に既存作品で描かれたハマーン・カーンの面影が希薄な、可憐なる少女。作品時点ではまだシャアに憧憬を持つ一人の少女だが、後のカリスマ的指導者となる素質の片鱗も見られる。15歳の誕生日を境にエンツォの策略で[[ザビ家#ミネバ・ラオ・ザビ|ミネバ]]の世話係になる。本来は正規パイロットではなかったが、緊急時にはNT専用MS[[リック・ドム#シュネー・ヴァイス|シュネー・ヴァイス]]で出撃し、不安定ながらこの時からすでに優れたNT能力を発揮していた。また、成長期のため[[ノーマルスーツ]]のサイズがすぐに合わなくなり、緊急時に着用しないで[[モビルスーツ]]に搭乗することもあった。内乱終結後穏健派・強硬派を纏め上げるためシャアらの後押しでU.C.0083年8月11日摂政に就任。アクシズの指導者となった後は父が標榜としていた無血による独立自治権獲得とは違い、武力による独立を目指すようになった。U.C.0086年2月6日、アクシズは地球圏へ向けて移動を開始する。
; {{Anchor|ナタリー・ビアンキ}}
: オリジナルキャラクター。中尉。ハマーンとは年齢がやや近いこともあり(ナタリーのほうが4歳上)公私にわたって姉の様に接し、ハマーンもナタリーを慕っている。またシャアとも仕事上親しく、ハマーンのことをしばしば相談される。優秀なコンピューター技術者であり、連邦の捕虜によるハッキング事件が発生した際には、不在だった技術大尉の代わりに連邦のハッカーと熾烈な攻防を繰り広げており、のちに評価を受けた。一方で、恩顧のあるエンツォ大佐からシャアを自分の派閥に鞍替えさせるよう圧力をかけられ苦悩していたが、それを見抜いたシャアに密命の件と共に自分の秘めていた想いを告げ、結ばれることになる。後にシャアの子を身篭っていたが、ハマーンにシャアとの関係を告白すると憧れのシャアを取られたことで確執が生まれ決別。その直後に、エンツォ派残党によって殺害される(ハマーンは残党の存在に気づいていたが彼女を見殺しにする)。
; [[機動戦士Ζガンダムの登場人物#マハラジャ・カーン|マハラジャ・カーン]]
: 『機動戦士Ζガンダム』設定上存在した人物。ハマーンの父。アクシズの最高責任者だが、アクシズ内の派閥抗争を抑えるため思い切った動きが取れない状態。穏健派として、武力闘争以外の方法で[[スペースノイドとアースノイド|スペースノイド]]の自治権を勝ち取る道を模索しシャアに協力する。一方、ダイクン寄りの立場から長女マレーネを[[ザビ家#ドズル・ザビ|ドズル・ザビ]]の侍女(実質的には側室)に差し出しその保護を得ており、「娘を生贄にした卑劣な父親」との自責の念を植えつけていた。理詰めだが事を穏便に済ませようとするあまり、冷徹な手段を取れないという欠点があり、その性格的弱点をエンツォ大佐に突かれ、結果的にハインツ少佐を死なせた上、病床の中、ついにアクシズの実権を奪われてしまう。アクシズ内乱が制圧されたU.C.0083年8月9日、病死した。
; セラーナ・カーン
: ゲーム『[[機動戦士ガンダム アドバンスドオペレーション]]』に登場するキャラクター。ハマーンの妹でマハラジャの三女。父や姉が病床に陥った際には看病に携わった。
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: オリジナルキャラクター。少尉。家族を戦災で亡くしたことで戦争継続には反対の考えを抱く。穏健派のハインツ少佐に好意を寄せており、献身的に補佐をするが、強硬派の策略によりハインツを死なせる要因を作ってしまう。のちにその仇を討つため強硬派へと鞍替えしたふりをして内情を探り、公の場でエンツォ派の陰謀を暴露。これがアクシズ内乱のきっかけとなる。戦後、ハマーンの方針で穏健派が冷遇されたため、シャアの地球圏行きを志願し随行、ジェーンと名を変える。しかし、実戦を好まないため、ジオン残存軍の支援に回った。
; {{Visible anchor|ヤヨイ・イカルガ}}
: オリジナルキャラクター。伍長。一年戦争敗退後に地球圏から流れてきた、元MSパイロットを自称する少女。[[ニュータイプ研究所]]出身で、ニュータイプとして高い認識力を持つが、軍人として有能といえない部類であるため、周囲からはそうとは見られずに軽んじられている。後に才能を見出され昇進を条件に[[リック・ドム#トゥッシェ・シュヴァルツ|トゥッシェ・シュヴァルツ]]のパイロットに選出。アクシズ内乱ではハマーンを圧倒するが、旧知の間柄であるリカルドの説得中に撃墜され戦死した。
; ジェレミー・ヴァンダム
: オリジナルキャラクター。中佐。穏健派の領袖の一人。「ハインツ中佐衝突事故」の真相究明のため、臨時総会を開催させジェシカ少尉に質問、事故の真相を暴く。更なる露見を恐れたエンツォ派がクーデターを起こすと、この成功を阻止すべく同志を集めてカウンタークーデターを決行した。戦後は、冷遇された穏健派を率いシャアとともに地球圏に随行している。
; {{Anchor|スミレ・ホンゴウ}}
: オリジナルキャラクター。准尉。アクシズで[[サイコミュ]]兵器の開発に従事していた技術士官。ナタリーの士官学校での後輩にあたる。制御システムごとMSに搭載可能な小型サイコミュ兵器(後のファンネル)、及び同兵器を搭載したNT専用次世代MS(後の[[キュベレイ]])の発案・設計者である。所属するサイコミュ研究部門がエンツォ大佐の管理下にあったため、アクシズ内乱時にはエンツォ派の下でトゥッシェ・シュヴァルツのオペレートを担当していたが、[[強化人間]]にされた同期の友人レベッカ・ファニング少尉が戦闘中に廃人になってしまった事を受けエンツォ派のやり様に嫌気が差し、[[ガンダリウム合金|ガンダリウムγ]]の組成図を持ち出して穏健派に寝返った。さらには慕っていたナタリーの死によって退役を決意、シャア一行と共に地球圏へ向かい、その後は[[アナハイム・エレクトロニクス社]]に身を寄せた。
; イリーナ・レスコ
: オリジナルキャラクター。中佐。ミネバ・ザビ付の親衛隊隊長。ハマーンの摂政就任後シャアらとともに地球圏へ向かい軍を退役。
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; [[機動戦士ガンダム 逆襲のシャアの登場人物#カイザス・M・バイヤー|カイザス・M・バイヤー]]
:ジオン独立同盟の党首で、表向きはジオン共和国議員。マハラジャ・カーンとは旧知の間柄。シャアに対しジオン・ズム・ダイクンの遺志を継ぐようにオクサーナを派遣して地球圏への視察を促し、ジオン本国に訪れたシャアと面会し決起するように働きかけた。
; {{Anchor|ジョルジョ・ミゲル}}
: オリジナルキャラクター。妹[[機動戦士ガンダム 逆襲のシャアの登場人物#ナナイ・ミゲル|ナナイ・ミゲル]]と共にジオン独立同盟に所属する活動員。一年戦争末期に学徒動員で出撃し、戦後MSパイロットの腕を買われ表向きは地球連邦軍に所属している。連邦内部のスペースノイド独立を目指す動きについてシャアに話した。のちに[[エゥーゴ]]結成に参加するようシャアに働きかけ、連邦軍の軍籍を入手するなど便宜を図る。物語終盤にてサイド1で開催される会議を襲撃しに向かうティターンズとの交戦中に、コックピットをジムに貫かれ戦死する。
; {{Anchor|カムジ}}
: オリジナルキャラクター。准尉。ジオン独立同盟に所属する少女で、表向きはサイド3の貿易会社の経営者兼歌手。登場時15歳。1年戦争に参加し初陣でジム5機を撃墜した経歴を持ち、遊戯のような操縦で[[ガンダム (架空の兵器)#G-3ガンダム|G-3ガンダム]]をザクマシンガン1発で戦闘不能にするなどニュータイプとしての素質を持つが、ビットを制御する能力に恵まれず、そのため本人もニュータイプであることを否定している。その後、シャアのエゥーゴ参加に協力するが、カムジ自身は連邦軍の内部抗争への関与を拒み本業の歌手に戻った。搭乗機は[[黒い三連星]]専用[[高機動型ザクII#高機動型ザクII(R-1A型)|高機動型ザクII]]。モデルは[[BoA]]。
; ジェラルド・シンクレア
: ゲーム『機動戦士ガンダム アドバンスドオペレーション』に登場するキャラクター。少尉。突撃機動軍第七師団所属。サイド3視察に赴くシャア一向へ救援に現れ、ジオン残党基地アムブロシアへ誘導した。以後シャアの元で活躍し、視察団がアクシズへ帰還する際には同行を志願した。搭乗機は[[ドム#ドム・フュンフ|ドム・フュンフ]]。
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== 備考 ==
* ゲーム『[[ガンダムバトルユニバース]]』では、「若き彗星の肖像」というエクストラミッションが登場する。本作品での宇宙基地ヴァールシカでの戦闘をモチーフにしており、パーフェクト・ジオングやケンプファー、シャア専用ゲルググなどが出現する。
* ゲーム『[[SDガンダム GGENERATION#SDガンダム GGENERATION WARS|SDガンダム GGENERATION WARS]]』では、『[[機動戦士ガンダムSEED]]』のステージのウォーズブレイクによって[[ノイエ・ジール#ノイエ・ジールII|ノイエ・ジールII]]を駆った本作の姿に類似したシャアが登場する。なお、この組み合わせは『[[SDガンダム GGENERATION#SDガンダム GGENERATION SEED|SDガンダム GGENERATION SEED]]』の『[[機動戦士ガンダムΖΖ]]』のステージの方が先であり(グラフィックはジオンの軍服を着たクワトロの流用で、名称がシャアになっている)、こちらは「グリプス戦役後、[[ネオ・ジオン]]に合流したシャア」という設定。
 
== 関連項目 ==