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|width = 100|'''中小脳脚'''(middle peduncle)||最大の小脳脚であり、「大脳皮質 → 橋 → 小脳」を結ぶ壮大な経路の一部を成す。全て橋核に起始する遠心性線維で構成される。この経路は[[大脳新皮質]]の感覚・運動野から下行する。
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|width = 100|'''下小脳脚'''(inferior peduncle)||様々な種類の出入力線維を含む。平衡や姿勢の保持など、運動前庭機能を伴う固有感覚入力の統合に、主に関与する。全身からの固有情報は[[後脊髄小脳路]]を通じて下小脳脚に伝達され、旧小脳にシナプスを形成する。前庭の情報は古小脳に至る。また、下オリーブ核から起始する登上線維も下小脳脚を通るほかりプルキンジェ細胞のデンドライトにシナプス結合し、また、プルキンエ細胞から直接受け取った情報を、脳幹背側に位置する前庭神経核に送る役割を持つ。
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==== 苔状線維(たいじょうせんい、mossy fiber) ====
橋核は主として大脳皮質、特に前頭葉や頭頂葉からの運動に関する入力を受け(皮質橋路)る。橋核の軸索は中小脳脚の大きなふくらみとなり、苔状線維となって対側の小脳皮質に投射され、大脳皮質からの情報と末梢からの感覚情報を小脳に伝える。苔状線維は顆粒層の顆粒細胞の樹状突起と興奮性シナプスを形成する。1個の顆粒細胞は少数の苔状線維からしか入力を受けないが、顆粒細胞の軸索である平行線維は長い距離を走行するため、個々の苔状線維が多数のプルキンエ細胞に情報を伝えることになる。苔状線維の入力は多くの細胞に収束している。これは1個のプルキンエ細胞が20〜100万個の顆粒細胞の軸索とシナプス形成をしているからである。苔状細胞は体性感覚の情報を平行線維を介して生体の左右方向に送る働きがある。
 
==== 登上線維(とじょうせんい、climbing fiber) ====
登上線維は延髄の下オリーブ核に起始する。下オリーブ核への入力は脊髄(脊髄オリーブ路)、運動野、上丘、前庭核、三叉神経核、被蓋前野と非常に多彩である。末梢と大脳皮質から感覚性情報や運動性情報が伝わる。下オリーブ核から下小脳脚を形成し登上線維となる。登上線維という名称は、個々の線維がブドウの蔓が樹に絡みつくようにしてプルキンエ細胞の細胞体部と近位樹状突起を取り囲み、多数のシナプスを形成していることに由来する。1本の登上線維は1〜10個のプルキンエ細胞とシナプスを形成するが1個のプルキンエ細胞は1本の登上線維としかシナプスはつくらない。登上線維は興奮性線維であり下オリープ核の周期的な活動をプルキンエ細胞の前後方向直接シナプス接続す出力している。平行線維による体性感覚の位置情報の左右方向の入力と、登上線維による時間的情報の前後方向の入力からプルキンジェ細胞において協調運動強力時空間的制御がおこ入力は苔状線維のミスを是正しわれていると考えられている。
 
=== 遠心性線維 ===