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== 各国の実情 ==
ヨーロッパでは1997年の国籍に関するヨーロッパ条約において、域内の国際結婚などで多重国籍となった場合は成人するまで容認するという規定が盛り込まれた。このため、[[オーストリア]][[ブルガリア]]などのように二重国籍を認めない国では、出生時に2つの市民権を持つ場合、相手国の法律で自国籍離脱が不可能な場合は例外として容認されている<ref name="oyam" />。また、多重国籍を認めている国でも、[[政府]]要職に就任する人物が多重国籍である場合は国家の権力行使において問題視されることがあるため、多重国籍者の政府要職者就任禁止が規定されていることがある。法の明文で禁止されていなくても多重国籍を公表したうえで他国籍離脱の検討および国家に対する忠誠に問題ないか厳しく問われる社会文化となっている国もある<ref>『月刊[[Hanada]]』2016年11月号、53頁。</ref>。
 
国籍(または[[市民権]])に関しては、国ごとに基準を設け、国ごとに決定されている。1国を超える市民権を得る状況になった時、どちらかの国に法の規定がない場合は、二重国籍が発生し得る。認めている国でも、ロシアのように二重国籍の秘匿は避けるべきものと考えている国もある<ref name=":1">{{Cite web |date= |url =https://jp.rbth.com/society/2014/08/11/49601 |title =二重国籍秘匿は刑事犯罪 |work=ロシアNOW |publisher =Russia Beyond the Headlines |accessdate = 2017-09-12 }}</ref>。
 
=== アメリカ合衆国の実情 ===
アメリカ合衆国では多重国籍者の存在を認めてはいるものの、積極的には容認していない。[[アメリカ合衆国国務省]]も公式に多重国籍は[[租税回避]]や[[テロリズム]]への対策のために推奨しないと公表している。出生時に自動的に他国の国籍を得た場合はアメリカ国籍に影響を与えないが、アメリカ人は米国籍を放棄する意志を持って、自らアメリカ以外の国籍を得た場合は、米国[[移民国籍法]]によってアメリカ国籍を失う可能性がある<ref name="US_EMBASSY">{{Cite web |date= |url=https://jp.usembassy.gov/ja/u-s-citizen-services-ja/citizenship-services-ja/dual-nationality-ja/|title=アメリカ市民サービス > 二重国籍 |publisher=[[駐日アメリカ合衆国大使館|在日アメリカ大使館]] |accessdate=2014-8-23}}</ref><ref>{{Cite web |date= |url=https://travel.state.gov/content/travel/en/legal-considerations/us-citizenship-laws-policies/citizenship-and-dual-nationality/dual-nationality.html/|title=Dual Nationality |publisher=US Department of Stat|accessdate=2017-07-30}}</ref>。米政府が多重国籍を公式に支持しない理由は、アメリカ国民が国民に義務を要求する場合に他方の国の法律と反するような状況に陥ったり、また二重国籍者が他方の国で問題となった場合米政府が自国民として保護することが制限されたりする場合があるためとしている<ref name="US_EMBASSY" />。さらは、新たにアメリカ合衆国市民となる移民は、アメリカ合衆国に対して忠誠を誓う宣誓を宣誓式で行うこと、以前保持したすべての外国への忠誠の放棄、法律が定めた場合の兵役従事・内外の敵と戦う国防などの誓いが必要とされる([[:en:Oath of Allegiance|忠誠の誓い]])<ref name=uscis_chapter5>{{Cite web |url=https://www.uscis.gov/sites/default/files/files/article/chapter5.pdf |title=What Should I Expect From the Naturalization Process? |accessdate=2017-09-10 |format=PDF |publisher=アメリカ合衆国市民権・移民局(USCIS)}}</ref>。二重国籍者は[[中央情報局]](CIA) (CIA) や国務省での機密を扱う職への応募資格を失うことがある<ref>{{Cite web |author=The Times Editorial Board||date=2014-12-26 |url=http://www.latimes.com/opinion/editorials/la-ed-dual-citizenship-20141228-story.html |title=The problem of dual citizenship |publisher=Los Angeles Times|accessdate=2017-07-30}}</ref>。[[1967年]]の[[連邦最高裁]]では、重国籍の権利が憲法修正第14条第1節(市民権条項)に基づいて認められているとする[[判例]]が出ている<ref name="reference" />。
 
=== 欧州の実情 ===
民間資料によれば、[[オランダ]]、[[オーストリア]]<!--[[クリストフ・ヴァルツ]]は例外措置?-->、[[アンドラ]]、[[ノルウェー]]、[[グリーンランド]]([[デンマーク]]領)、[[ベラルーシ]]、[[エストニア]]、[[モナコ]]、[[モルドバ]]、[[スロバキア]]、[[ウクライナ]]、[[ボスニア・ヘルツェゴビナ]]、[[サンマリノ]]、[[アゼルバイジャン]]、[[ブルガリア]]、[[ジョージア (国)|ジョージア]] などでは一定条件下での多重国籍を認めており<ref name=":2">{{Cite web |url=https://flagtheory.com/dual-citizenship/ |title=List of countries that allow Dual Citizenship (and those that don't) |accessdate=2017-09-10 |publisher=Flag Theory}}</ref>、[[欧州連合]]加盟国では出生時に2つの市民権所持で成人以前・相手国の法律で自国籍離脱が不可能な場合は例外として容認されている。[[スペイン]]ではラテン系やスペイン語圏の国家<ref group="注釈">アルゼンチン、ボリビア、チリ、コロンビア、コスタリカ、ドミニカ共和国、エクアドル、グアマテラ、ホンジュラス、ニカラグア、パラグアイ、ペルー、ウルグアイ、アンドラ、ポルトガル、フィリピン、赤道ギニア</ref>の二重国籍の場合にのみ認めている<ref name="dualcitizenship">{{Cite web |url=https://www.dualcitizenship.com/bycountry.html |title=Dual Citizenship Countries |accessdate=2017-09-10 |website=DualCitizenship.com}}</ref><!--法律改正後のデンマーク・スペインが入っていない等資料として古いのでは?--><!--政治家セクションのフランスのケースとも矛盾--><!--内容の正確性に関する責任の放棄を表明している民間のようですが信頼できる情報源?-->。
 
[[ポーランド]]では他国の市民権を持つ者は非多重国籍者同様に防衛の義務<ref group="注釈">男女の兵役義務は2008年に廃止された。</ref>を負うことが求められている。いくつかの州では二重国籍を認識せずに他国の市民権を取得したときに場合、自動的に以前の市民権を失うことがある<ref>{{Cite news |title=スウェーデン‘軍 徴兵制’ 109年ぶりに歴史の中へ |newspaper=『[[ハンギョレ新聞]]』 |date=2010-07-04 |url=http://japan.hani.co.kr/arti/international/5354.html |accessdate=2017-09-10}}</ref><ref>{{Cite web |url=http://www.migrant.info.pl/dual-citizenship-in-poland.html |title=Dual citizenship in Poland |accessdate=2017-09-10 |publisher=The International Organization for Migration}}</ref>。
 
[[フィンランド]]ではウクライナを巡るロシアとEUの緊張関係を背景として、2017年にロシアとの二重国籍者に対してフィンランド軍への入隊を認めないとともに、現職[[士官]]も[[軍事機密]]情報へアクセスできるポジション立場から外<ref name = yle1>{{Cite news |url = https://yle.fi/uutiset/osasto/news/yle_defence_forces_applying_restrictions_to_russian-finnish_dual_citizens_in_armed_service/9434289|title = Yle: Defence Forces applying restrictions to Russian-Finnish dual citizens in armed service |newspaper = yle|date = 2017-01-31 |accessdate = 2018-05-11 }}</ref>ほかまた外務省での採用を見送った<ref>{{Cite news |url = https://yle.fi/uutiset/osasto/news/hs_dual_finnish-russian_citizen_had_foreign_ministry_job_revoked_because_of_russian_citizenship/9437824 |title =HS: Dual Finnish-Russian citizen had Foreign Ministry job revoked because of Russian citizenship |newspaper = yle |date = 2017-02-02 |accessdate = 2018-05-11 }}</ref>。さらは、ロシアとの二重国籍者について政府全体としても二重国籍者の重要公職への就任制限を検討中であると報じられた<ref name = yle1/>。同年にはフィンランドの[[防諜]]機関は二重国籍保持者がロシアのスパイとして勧誘されていると警告した<ref>{{Cite news |url = http://www.iltalehti.fi/uutiset/201703292200093480_uu.shtml |title = Supo varoittaa: Kaksoiskansalaisia pyritään värväämään salaiseen tiedustelutyöhön |newspaper = Iltalehti |date = 2017-03-29 |accessdate = 2018-05-11 }}</ref>。
 
=== ロシアの実情 ===
[[ロシア]]では二重国籍は公職者以外は認められているが、国籍や保有する他国の市民権の秘匿が犯罪である。2014年2月以降、アメリカの市民権取得者のように厳密な忠誠宣言と、他国の市民権・国籍を取得した場合に2月以内にロシア連邦移民局に届け出をしなければならず、違反した場合は500 - 1000[[ルーブル]](約1500 - 3000円)の罰金が課され、意図的に隠した場合は20万ルーブル(約60万円)の罰金か400時間の労働刑がある<ref name=":1" />。
 
=== 中東の事情 ===
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=== アフリカの実情 ===
[[アフリカ]]諸国のうち[[南アフリカ共和国]]、[[エジプト]]、[[エリトリア]]では他国の国籍を取得する時に場合、自国の国籍を維持するためには許可を必要とする<ref>{{Cite web |author= |date= |url=http://www.dha.gov.za/index.php/civic-services/citizenship |title=Citizenship |publisher=南アフリカ |accessdate=2017-07-23}}</ref>。[[ボツワナ]]、[[コンゴ民主共和国]]、[[エチオピア]]、[[ジブチ]]、[[モザンビーク]]、[[ジンバブエ]]、[[スワジランド]]などでは原則として認められていない<ref name=":2" />
 
=== 南米・中米の実情 ===
[[アルゼンチン]]は自国民の国籍離脱を認めていないため、他国の国籍を取得すると必然的に二重国籍となる<ref>{{Cite web |date=2015-09 |url=http://www1.hcdn.gov.ar/dependencias/dip/textos%20actualizados/346-240805.pdf|title=CIUDADANIA Y NATURALIZACION LEY 346|format=PDF |publisher=アルゼンチン政府|accessdate=2017-07-30}}</ref>。[[ブラジル]]は憲法第12条第4項の規定により国籍離脱を認めているが、複雑な手続きを必要とするため、非常に難しい<ref>{{Cite web |url=https://www.planalto.gov.br/ccivil_03/constituicao/constituicao.htm |title=Constituição |accessdate=2017-08-13 |publisher=ブラジル大統領府官房庁}}</ref>、1991年以降、[[コロンビア]]、[[ドミニカ]]、[[エクアドル]]、[[コスタリカ]]、ブラジル、[[メキシコ]]の順に、国籍を有しながら外国に移住した国民の二重国籍を認める法改正を行っている<ref name="reference" />。[[ハイチ]]では2012年に二重国籍が2012年に合法化された<ref name="HTI104293.E">{{Cite web |date=2013-02-08 |url=https://www.justice.gov/sites/default/files/eoir/legacy/2013/11/07/HTI104293.E.pdf|title=responce to Information request|format=PDF |publisher=米国司法省|accessdate=2017-07-30}}</ref><ref>{{Cite web |date=2011-05-09 |url=http://www.americasquarterly.org/node/2508|title=Haiti Votes to Allow Dual Nationality|publisher=Americas quarterly|accessdate=2017-07-30}}</ref>ほか、[[キューバ]]、[[スリナム]]、[[バハマ]]、[[ベネズエラ]]などでは二重国籍禁止または制限されている<ref name=":2" /><ref name="HTI104293.E" /><ref>{{Cite report |author=Hamied Ahmadali |author2=Ngo Chun Luk |date=2005-09 |title=Report on Citizenship Law: Suriname |url=http://cadmus.eui.eu/bitstream/handle/1814/36943/Eudo_Cit_2015_17_Suriname.pdf |publisher=European University Institute |format=PDF |accessdate=2017-07-30}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://www.dualcitizenship.com/countries/bahamas.html |title=Dual Citizenship Bahamas |accessdate=2017-09-10 |website=DualCitizenship.com}}</ref>。
 
=== アジア・オセアニアの実情 ===
太平洋地域や日本、中国([[香港]]・[[マカオ]]を含む)、[[インド]]、[[インドネシア]]、[[タイ王国]]、[[ベトナム]]、[[マレーシア]]などアジアの多くの国は国籍選択年齢に達していない者以外の二重国籍を制限または禁止している<ref name=":2" />。[[パキスタン]]では特定の国家<ref group="注釈">イギリス、イタリア、フランス、ベルギー、[[アイスランド]]、オーストラリア、ニュージランド、スウェーデン、アメリカ合衆国、[[アイルランド]]、オランダ、[[スイス]]、[[カナダ]]、エジプト、[[ヨルダン]]、[[シリア]]</ref>の二重国籍のみ認めている<ref>{{Cite web |url=http://dlgimmigration.com/united-states-citizenship/list-of-countries-that-allow-or-disallow-dual-citizenship/ |title=List of countries that allow or disallow Dual Citizenship |accessdate=2017-09-10 |publisher=D'Alessio Law Group}}</ref>。
 
[[イラン]][[北朝鮮]]では他国の国籍を取得しても、自国の国籍を放棄することは困難・不可能となっている。[[オーストラリア]]、[[フィジー]]、[[ニュージーランド]]、[[フィリピン]]、[[サモア]]、[[バヌアツ]]では、二重国籍が認められている<ref name=":2" />。[[フィリピン]]、オーストラリア、フィジー<ref group="注釈">立候補の時点で過去2年間にフィジーに1年半以上滞在しているという証明と多重国籍の解消の証明が必要。</ref><ref>{{Cite news |author=Charlene Lanyon |title=Election eligibility of dual citizens raised at hearing |newspaper=Fiji Times |date=2016-09-22 |url=http://www.fijitimes.com/story.aspx?id=371764 |accessdate=2017-09-10 |archiveurl=http://web.archive.org/web/20160922133840/http://www.fijitimes.com/story.aspx/?id=371764 |archivedate=2016-09-22}}</ref>は二重国籍が認められているが、公職者になることは禁止している<ref name="phil1" /><ref name=":0" />。ニュージランドでは国益に反したり、他国を重視しているなど市民権の付与が不適切と判断された場合は剥奪できる<ref name=":2" />。
 
[[オーストラリア憲法]]44条a項は多重国籍者が選挙で公職に就くことを禁止している<ref name="BBC180509">{{Cite web|url =http://www.bbc.com/japanese/44050214|title =豪で議員5人が資格無効に 二重国籍で|publisher =BBC|date =2018-05-09|accessdate =2018-05-30}}</ref>。オーストラリアでは二重国籍をめぐる問題によって2017年に上下両院で10人が辞任に追い込まれたうえさらに2018年にも裁判で5人の議員資格が無効とされ与党の下院での過半数に影響が出かねない事態となり政界を不安定化させるまでに至った<ref name="BBC180509" />。
 
=== 日本の実情 ===
[[1984年]]の[[国籍法 (日本)|国籍法]]改正で、20歳に達する以前に[[日本国籍]]とともに外国の国籍を持つ多重国籍の状態になった場合<ref name="nc01">{{Cite web |author=岡野翔太 |url=http://www.nippon.com/ja/column/g00435/?pnum=2 |title=蓮舫「二重国籍」問題に見る在日台湾人のジレンマ |accessdate=2017-09-13 |date=2017-09-09 |publisher=ニッポンドットコム}}</ref>は22歳に達するまで、20歳に達した後に多重国籍となった場合は多重国籍となった時から2年以内が、国籍選択をすべき期限とされている<ref>国籍法第14条</ref>。しかし、日本国籍を選択した場合であっても、外国国籍の喪失は当該外国の法令によるため、日本国籍選択だけでは他国の離脱手続きをしないと外国国籍喪失を意味するものではない点に注意が必要である。多重国籍状態の解消には外国国籍を離脱した場合には「外国国籍喪失届」、外国の法令によって外国国籍を選択した場合には「国籍喪失届」を市区町村役場または外国にある日本の[[大使館]]・[[領事館]]に提出する必要がある<ref>{{Cite web |date= |url =http://www.moj.go.jp/MINJI/minji78.html#a13 |title =Q13:日本国籍の離脱には,どのような手続が必要ですか? |work=国籍Q&A |publisher =法務省 |accessdate =2017-09-12 }}</ref>。
 
1985年またはそれ以降、自己の志望によらずに日本以外の国籍を取得した場合(出生、結婚など)、期限までに国籍の選択をしなかった時には[[法務大臣]]から国籍選択の催告を受け、場合によっては日本国籍を失う可能性がある。2008年の法務大臣の国会答弁によると、これまでに国籍選択の催告を受けた人はいない。
 
1984年以前に既、すでに多重国籍であった日本人は、日本の国籍の選択の宣言をしたものとみなされる。また日本の国籍の選択を宣言した者は外国国籍離脱に努めなければならず、外国国籍を失っていない者が自己の志望によってその外国の公務員の職(その国の国籍を有しない者であっても就任することができる職を除く)に就任した場合において、その就任が日本の国籍を選択した趣旨に著しく反すると認めるときは、法務大臣はその者に対し日本国籍の喪失宣告をすることができる。
{{main|国籍法 (日本)#多重国籍者の国籍選択制度}}
 
多重国籍を自覚している日本国籍保有者が、日本国の[[パスポート]]の取得において旅券申請書を提出する際に外国籍を保有していないと虚偽の申請をした場合、[[旅券法]]第23条の規定によ刑事罰の対象となる可能性がある。また、日本に帰化した者の原国籍国が国籍放棄を認めない場合などは、結果的に二重国籍となる。
 
[[外交官]]などの[[外務公務員]]については外国の国籍を有することを欠格事由としており<ref>[[外務公務員法]]第7条1項</ref>、[[人事院]]は[[人事院規則]]第9条2項において、[[国家公務員]]の外務省専門職員採用試験の受験資格につき、外国の国籍を有することを欠格事由としている<ref>{{Cite web |url=http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=423RJNJ08018000 |title=[[人事院]]規則八―一八(採用試験) |accessdate=2015-04-14 |work=e-Gov法令検索 |publisher=[[総務省]]行政管理局}}</ref>。その他の公務員については法律上の直接規定はないが、他省庁のキャリア官僚(幹部自衛官も含む)の場合は多くは外務省における在外公館への出向が想定されている人事構造から、多重国籍者は事実上制限されている<ref>{{Cite news |title=【日本の解き方】蓮舫氏の二重国籍問題 ひどすぎる左派マスコミの報道 国政と地方を混同 |newspaper=ZAKZAK |date=2016-09-15 |url=https://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20160915/dms1609150830003-n1.htm |publisher=産経デジタル |accessdate=2016-09-15}}</ref>。
また、日本に帰化した者の原国籍国が国籍放棄を認めない場合などは、結果的に二重国籍となる。
 
日本国民が外国の国籍も有する多重国籍であることは、公職選挙法上「[[被選挙権#被選挙権の欠格事由|被選挙権の欠格事由]]」には該当しない。また、外国の国籍を有する日本国民が[[国務大臣]]や[[内閣総理大臣]]になることにも法律上の規制はないが、[[日本の国会議員|国会議員]]から起用されることも想定されている外務公務員([[全権委員]]や[[特派大使]]など)に就任することはできず、選挙で当選しても国籍法により日本国籍を失った場合は被選挙権喪失という形で[[公職]]を失職となる。また、日本国籍を持っていた者が、他国の国籍を取得した際に手続き上の問題から実質的な多重国籍者になることがある。国籍法第11条の規定により、他国の国籍を取得した者、すなわち他国に帰化した者は自動的に日本国籍を失う。しかし、帰化の事実が発生したところで外国政府が[[日本政府]]にその事実を通知するようなシステムもないため、現実的には、[[日本政府]]はこうした帰化の事実を自動的に把握することができない。そのため[[戸籍法]]では国籍離脱者に対して国籍喪失の届出を義務付けているが、罰則はなく届け出が徹底されていない。国籍喪失がなされないと日本国民としての戸籍がなお日本に残存し続けるため、結果的に多重国籍者のような取り扱いになってしまう余地が存在する<ref>{{Cite news |author=うにうに |title=二重国籍の実態:「ノーベル賞中村氏は日本人」とする安倍首相、「日本国籍を喪失」とする日本大使館 |newspaper=[[ハフポスト|ハフィトンポスト]] |date=2014-10-12 |url=http://www.huffingtonpost.jp/uniuni/person-with-dual-nationality_b_5969438.html |accessdate=2014-10-17}}</ref>。
[[外交官]]等の[[外務公務員]]については外国の国籍を有することを欠格事由としており<ref>[[外務公務員法]]第7条1項</ref>、[[人事院]]は[[人事院規則]]第9条2項において、[[国家公務員]]の外務省専門職員採用試験の受験資格につき、外国の国籍を有することを欠格事由としている<ref>{{Cite web |url=http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=423RJNJ08018000 |title=[[人事院]]規則八―一八(採用試験) |accessdate=2015-04-14 |work=e-Gov法令検索 |publisher=[[総務省]]行政管理局}}</ref>。その他の公務員については法律上の直接規定はないが、他省庁のキャリア官僚(幹部自衛官も含む)の場合は多くは外務省における在外公館への出向が想定されている人事構造から、多重国籍者は事実上制限されている<ref>{{Cite news |title=【日本の解き方】蓮舫氏の二重国籍問題 ひどすぎる左派マスコミの報道 国政と地方を混同 |newspaper=ZAKZAK |date=2016-09-15 |url=https://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20160915/dms1609150830003-n1.htm |publisher=産経デジタル |accessdate=2016-09-15}}</ref>。
 
日本国民が外国の国籍も有する多重国籍であることは、公職選挙法上「[[被選挙権#被選挙権の欠格事由|被選挙権の欠格事由]]」には該当しない。また、外国の国籍を有する日本国民が[[国務大臣]]や[[内閣総理大臣]]になることにも法律上の規制はないが、[[日本の国会議員|国会議員]]から起用されることも想定されている外務公務員([[全権委員]]や[[特派大使]]など)に就任することはできず、選挙で当選しても国籍法により日本国籍を失った場合は被選挙権喪失という形で[[公職]]を失職となる。
 
また、日本国籍を持っていた者が、他国の国籍を取得した際に手続き上の問題から、実質的な多重国籍者になることがある。国籍法第11条の規定により、他国の国籍を取得した者、すなわち他国に帰化した者は自動的に日本国籍を失う。しかし、帰化の事実が発生したところで、外国政府が日本政府にその事実を通知するようなシステムもないため、現実的には、[[日本政府]]はこうした帰化の事実を自動的に把握することができない。そのため[[戸籍法]]では、国籍離脱者に対して、国籍喪失の届出を義務付けているが、罰則はなく、届け出が徹底されていない。国籍喪失の届出がなされないと、日本国民としての戸籍がなお日本に残存し続けるため、結果的に多重国籍者のような取り扱いになってしまう余地が存在する<ref>{{Cite news |author=うにうに |title=二重国籍の実態:「ノーベル賞中村氏は日本人」とする安倍首相、「日本国籍を喪失」とする日本大使館 |newspaper=[[ハフポスト|ハフィトンポスト]] |date=2014-10-12 |url=http://www.huffingtonpost.jp/uniuni/person-with-dual-nationality_b_5969438.html |accessdate=2014-10-17}}</ref>。
 
1949年に制定され、1979年に廃止された「外国人の財産取得に関する政令」では、[[政令]]の施行地に住所を有する者を除き、日本国籍と外国籍を保有する二重国籍者は外国人として扱われた。
 
日本の多重国籍者数については、1984年(昭和59年)の改正国籍法の施行前については未調査で、1985年(昭和60年)当時は年間約1万人程度、その後増加し1992年(平成4年)には2万人程度、2002年(平成14年)では約3万3千人を超えている<ref>{{Cite web |url=http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigirokua.nsf/html/kaigirokua/000415920040602033.htm |title=第33号 平成16年6月2日(水曜日) |work=第159回国会 法務委員会 |accessdate=2013-02-01 |publisher=衆議院}}</ref>。1985年(昭和60年)から2002年(平成14年)までの数の総計は約40万人であり、2008年(平成20年)の国籍法改正の時点の集計では約58万人である<ref name="oyam"/>。日本にはアメリカなどと違ってい、市民権獲得や帰化時には何の忠誠宣言<ref name=uscis_chapter5 />もない。
 
== 政治家の二重国籍事情 ==