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=== マスメディアを巡って ===
ある初期の出来事が、真実を誇張する危険性をまざまざと見せつけた。CPIが新聞社に対し、ヨーロッパ第一陣の[[護衛艦]]がドイツの[[潜水艦]]を沈没させたという話を配信したのだが、記者が実際に[[イングランド]]の[[船員]]にインタビューした所、でっち上げに過ぎなかったというのである。[[ペンシルベニア州]]選出の[[共和党 (アメリカ)|共和党]]上院議員である[[ボイエス・ペンローズ]]が調査を求めた他、[[ニューヨーク・タイムズ]]に至ってはCPIを「[[誤報]]委員会」と呼ぶ事態にまで発展<ref>Fleming, ''The Illusion of Victory,'' pp. 119-120.</ref>。この事件によりお人好しの新聞社すら猜疑心を抱かしめる結果となった<ref>Mary S. Mander, ''Pen and Sword: American War Correspondents, 1898-1975'' (University of Illinois, 2010), 46.</ref>。
 
また1918年初、CPIが「アメリカで初めて造られた複数の[[戦闘機]]は現在、[[フランス]]の[[前線]]に向け飛行中」と発表するも、各新聞社は記事中の絵が偽物であるということを知っており、戦闘機は一機しかなく、それもいまだ検査中とのことであった<ref>Fleming, ''The Illusion of Victory,'' pg. 173. Creel blamed the Secretary of War for the false story.</ref>。CPIは新聞社に対する[[言論統制]]を行えたものの、その誇張が連邦議会の[[公聴会]]で非難を受けることとなる<ref>Fleming, ''The Illusion of Victory,'' pg. 240.</ref>。委員会の全体的な調子も時と共に変化し、事実をもって独自の信条とすることから、「ドイツ人を阻止せよ!」という[[スローガン]]のような中傷に基づく動員へと変わり果ててしまう<ref>Fleming, ''The Illusion of Victory,'' pg. 247.</ref>。