「康熙字典」の版間の差分

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巻頭には序、上諭、凡例、職名、等韻、総目、検字、弁似が置かれ、巻末には補遺、備考が置かれている。『四庫全書総目提要』によれば、このうち等韻、総目、検字、弁似、補遺、備考を各1巻と数えて全42巻とする。
 
巻頭の「序」は正式名称は「御製康熙字典序」。纂修官の一人である陳邦彦の書。他の部分はすべて康熙字典体の明朝体が使われているが、「序」だけは楷書体によっている。本書の特徴を「部分班列、開巻了然。一義の詳らかならざる、一音の備はらざる無し」と述べ、編纂の目的を記し、「字典」の命名の由来を明らかにする。「上諭」は康熙49年3月9日に康熙帝が臣下に対して新たな字書の編纂を命じた文書の写しである。「凡例」は18箇条あり、編纂方針や記述方針を具体的に述べる。編纂にあたって参考とした30余りの書名を挙げるが、そのうち、『正字通』に言及したものが9箇条、『字彙』『洪武正韻』に言及したものが4箇条に上り、これらに依拠した点の多いことを示している。「職名」は見出しには「康熙字典」とあり、『康熙字典』編纂に携わった総閲官2名、纂修官27名、纂修兼校刊官1名の計30名の官僚の姓名と職名を記す。「等韻」は等韻図及びその活用法を記す。「総目」は本文の総目録だが、画数別に部首を並べただけで掲載巻や掲載ページは書かれていない。なお、各集の冒頭にもその集に掲載された部首の目録がある。「検字」は二つの部分に分かれる。第一に部首が変形したものの属する部首を挙げる。人偏は人部、三水は水部に属するなどの類である。第二に、部首を見いだしにくい字の部首を画数別に示す。4画の項では仄、今、介などが人部に、云、互、五、井などが二部に属することがわかる。「弁似」は字形が類似しているが別の字であるものを「二字相似」から「五字相似」までに分けて収める。「二字相似」には「攴と支」「岡と罔」「陜と陝」「壺と壼」「傅と傳」「藉と籍」「彊と疆」などの例が収められている。なお、「検字」「相似」は『字彙』に掲載された同名の項目を増補したもの
 
巻末の「補遺」はその冒頭に「凡そ音義有りて正集に入るべくして未だ増入を経ざる者、為に補遺一巻を作る」とあり、音も義も備わっているのに本文に漏れた漢字を収めている。「備考」はその冒頭に「凡そ考拠すべき無く、音有りて義無く、或いは音義全く無き者、為に備考一巻を作る」とあり、先行する字典に収録されているものの字義が不明の漢字を収めている。