「アルディッティ弦楽四重奏団」の版間の差分

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== 活動 ==
とりわけ[[現代音楽|20世紀音楽]]に特化したレパートリーによって国際的に著名。[[ハリソン・バートウィッスル]]や[[ジョン・ケージ]]、[[エリオット・カーター]]<ref>{{Cite web |url = https://www.latimes.com/entertainment/arts/la-xpm-2014-mar-19-la-et-cm-arditti-quartet-review-20140319-story.html|title = Arditti Quartet celebrates 40th anniversary in astounding fashion |publisher = www.latimes.com |date = |accessdate = 2019-05-09}}</ref>、[[ブライアン・ファーニホウ]]、[[ソフィヤ・グバイドゥーリナ]]、[[リゲティ・ジェルジュ|ジェルジ・リゲティ]]、[[コンロン・ナンカロウ]]、[[カールハインツ・シュトックハウゼン]]、[[ヴォルフガング・リーム]]、[[ボグスワフ・シェッフェル]]、[[ヤニス・クセナキス]]らの新作を初演している。アルディッティ弦楽四重奏団による委嘱<ref>{{Cite web |url = https://www.evs-musikstiftung.ch/en/prize/prizes/grants-aid-2017/composition-comissions/five-composition-commissions-issued-arditti|title = Five Composition Commissions issued to the Arditti Quartet |publisher = www.evs-musikstiftung.ch |date = |accessdate = 2019-05-09}}</ref>作品も少なくない。録音数も数多く、[[アルノルト・シェーンベルク|シェーンベルク]]や[[ウェーベルン]]、[[アルバン・ベルク|ベルク]]による弦楽四重奏のための全作品も録音している。
 
== 歴代メンバー ==
アルディッティ四重奏団は、以下のように団員の顔ぶれが激しく移り変わってきた。このため同じ作曲家の作品の演奏や録音でも、時期によって解釈に微妙な変化が現れることになる。創設者と並んでアルディッティ四重奏団の顔と呼ばれ続けたチェリストのデ・サラム<ref>{{Cite web |url = http://www.rohandesaram.co.uk|title = rohan de saram |publisher = www.rohandesaram.co.uk |date = |accessdate = 2019-05-09}}</ref>は、[[2005年]]に同四重奏団を勇退し、創設者のほかに同カルテットの歴史を歩んできた者はすべていなくなった。
 
*[[アーヴィン・アルディッティ]] (第1[[ヴァイオリン]])
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== 演奏様式 ==
40年の長きにわたった様式は、往々にしてドライ<ref>Inge Kjemtrup (October 2004). "Paving Their Own Paths: Modern Motif - Arditti Quartet Celebrates 30 Years of Collaboration with Contemporary Composers". 19 (3). Strings: 57, 59–60, 62–63.</ref>で植物的<ref>{{Cite web |url = https://www.telegraph.co.uk/culture/music/classicalconcertreviews/10454043/Arditti-Quartet-Huddersfield-Contemporary-Music-Festival-review.html|title = The Arditti Quartet performing at the Huddersfield Contemporary Music Festival |publisher = www.telegraph.co.uk |date = |accessdate = 2019-05-09}}</ref>と評されている。アルディッティ四重奏団は、現代作品にレパートリーの焦点を絞っているという点において、[[アメリカ合衆国|米国]]の[[クロノス・クァルテット|クロノス・カルテット]]と並び称される存在である。しかしアルディッティ四重奏団は、現代音楽のうち、前衛音楽や実験音楽と呼ばれる作品にのみ関心を寄せており、レパートリーは一部を除いてヨーロッパの音楽が中心を占めている。たとえば、クロノス・カルテットと違って、米国のアカデミズム系の現代音楽や[[ミニマリズム]]の諸作品、[[第三世界]]の音楽などには、まったく興味を示していなかった。現在ではヨーロッパに学んだアジアや中南米<ref>{{Cite web |url = https://www.berlinerfestspiele.de/en/berliner-festspiele/programm/bfs-kuenstler/bfs_kuenstler_detail_147352.html|title = Eduardo Moguillansky - Berliner Festspiele |publisher = www.evs-musikstiftung.ch |date = |accessdate = 2019-05-09}}</ref>出身の作曲家の作品も好んで取り上げる。[[ジョン・ゾーン]]は入っているのに[[ベン・ジョンストン]]は一切入っていないことなどが、特徴としてあげられる。
 
[[新ウィーン楽派]]の作品の解釈にも独自性が見られる。[[ラサール弦楽四重奏団]]や[[アルバン・ベルク弦楽四重奏団]]による先行の音源と比較すると、アルディッティ四重奏団の演奏は、新ウィーン楽派を20世紀初頭のウィーンの文化風土(とりわけ[[グスタフ・マーラー|マーラー]]作品や[[表現主義]]芸術との結びつき)の中でとらえることより、むしろ多声的・線的な楽曲構成に主眼を置いている。このため、マーラー風の[[ポルタメント]]や[[グリッサンド]]を、たとえばアルバン・ベルク四重奏団の旧録音が強調気味に演奏し、濃密な表情づけを試みたのに対して、アルディッティ四重奏団はこれら[[特殊奏法]]をあくまで装飾の一つとして、あっさりと流している。アルディッティ四重奏団によるこのような新ウィーン楽派の解釈は、アルバン・ベルク四重奏団の新録音も含めて、現代のさまざまな弦楽四重奏団に新たな啓示をもたらしたが、結果的に新ウィーン楽派(とりわけベルク)と後期[[ロマン派音楽]]との接点を断ち切ってしまった観も否めない。現在では、たびたびの団員の交替と長い演奏経験からくる円熟、必ずしも難曲一辺倒とは言えない点、アルディッティ本人が作曲家[[ヒルダ・パレデス]]と結婚<ref>{{Cite web |url = https://www.nytimes.com/2012/05/15/arts/music/violinist-irvine-arditti-in-hilda-paredes-concert-at-miller-theater.html|title = Violinist Irvine Arditti in Hilda Paredes Concert at Miller Theater |publisher = www.nytimes.com |date = |accessdate = 2019-05-09}}</ref>し家庭を持ったこと、などによって、かつてのような鋭い演奏様式は消えて叙情的な丸みを帯びてきている。
 
==主な録音==