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英語版en:Japanese name#Japanese names in English and other Western languages(15:12, 30 April 2019‎ UTC)の翻訳に基づく加筆。
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{{Otheruseslist|血縁集団の '''姓'''(せい)|[[古代]][[日本]]でオオキミ・[[天皇]]から各[[氏族]]に与えられて職能や序列を表した称号|カバネ}}
 
{{独自研究|date=2016年8月}}
'''姓'''(せい)とは、[[東アジア]]の[[漢字]]文化圏で用いられる[[血縁]]集団の名称。その範囲は[[地域]]や[[時代]]によって変動し、[[氏]]や[[名字]]といった他の血縁集団名と様々な階層関係にあった。近代以降、[[ヨーロッパ]]などの他の文化圏の血縁集団名、家系名の訳語としても用いられている。
 
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2000年に[[文部省]][[国語審議会]]は、[[ローマ字]]表記においても「姓―名」の順が望ましいと答申した<ref name=mb/>。
 
{{quotation|日本人の姓名については、ローマ字表記においても「姓―名」の順(例えばYamada Haruo)とすることが望ましい。なお、従来の慣習に基づく誤解を防ぐために、姓をすべて[[大文字]]とする(YAMADA Haruo)、姓と名の間にコンマを打つ(Yamada, Haruo)などの方法で、「姓―名」の構造を示すことも考えられる。|[[2000年]][[文部省]][[国語審議会]]<ref name=mb>{{cite web
| url = http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/t20001208003/t20001208003.html
| title = 国際社会に対応する日本語の在り方(答申)(抄)
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参照文献についてのISO規格(SIST 02作成時はISO 690:1987)は,姓を先に書くことを規定しています。改正版(ISO 690:2010)でも同様です。原論文での欧文著者名の表記が「名・姓」順であっても,参照文献欄の表記では図書目録と同様に「姓・名」の順にします。なお,参照文献欄が「名・姓」順のままの雑誌もあります。2011年の[[Science]]誌の参照文献欄は「名のイニシャル・姓」の順,[[Nature]]誌は「姓・名のイニシャル」の順でした。<ref name=sist21>https://jipsti.jst.go.jp/sist/qa/answer.html#q21</ref>}}
 
[[科学技術情報流通技術基準]](SIST)はまた、「<u>日本語論文の参照文献欄</u>で<u>外国人名を[[カタカナ]]表記</u>する場合,「姓・名」順ですか。複数著者名の場合の区切り記号は何ですか。」との問いに対し、次のように回答した。
{{Quotation|
SIST 02(参照文献の書き方)のの「4 . 1 . 1 個人著者名 (1) 」の記載例「ケネディ, ジョン F.」のように,欧文著者名と同様に「姓・名」順です。カタカナ氏名を含む複数著者名の場合は,SISTでは規定していませんが,欧文著者名の場合を当てはめて以下の例に示すようにセミコロンで区切ります。
 (例) 森康夫;ケネディ, ジョン F.;オバマ,バラク.<ref name=sist22>https://jipsti.jst.go.jp/sist/qa/answer.html#q22</ref>}}
 
=== 英語や西洋言語における日本人姓名の順序===
英語では、存命中または最近死去した日本人の姓名に関して、一般的には姓が最後(名-姓の順序)で[[マクロン]]を付さずに与えられる<ref>See ''International Who's Who'', which is recommended for this purpose by the ''[[Chicago Manual of Style]].''</ref>。歴史上の人物では名字が最初に(可能ならマクロンありで)付けられる
<ref>例えば、平清盛([[:en:Taira no Kiyomori|Taira no Kiyomori]])、徳川家康([[:en:Tokugawa Ieyasu|Tokugawa Ieyasu]])、坂本龍馬([[:en:Sakamoto Ryōma|Sakamoto Ryōma]])、東郷平八郎([[:en:Tōgō Heihachirō|:Tōgō Heihachirō]])など。詳細は英語版[[:en:Japanese_name#Historical_names]]を参照。おおむね江戸時代幕末までに誕生した人物に適用され、明治生まれだと野口英世も[[:en:Hideyo Noguchi|Hideyo Noguchi]]の形になる。</ref>
<ref>See ''Merriam-Webster's Biographical Dictionary'', ''Merriam-Webster's Collegiate Dictionary'', and ''Encyclopædia Britannica''. See also ''[[Chicago Manual of Style]]'', "Personal names-additional resources" (§8.3): "For names of well-known deceased persons, Chicago generally prefers the spellings in ''Merriam-Webster's Biographical Dictionary'' or the biographical section of ''Merriam-Webster's Collegiate Dictionary.''"</ref>。
 
日本人は通常、英語や西洋言語を使う際に、伝統的な日本の姓名順序とは逆の「名-姓」という順序で姓名を紹介する<ref>藤永丈司「[https://mysuki.jp/english-selfintroduction-1706 英語で自己紹介|恥をかかない!厳選9つのポイント]」マイスキ英語、2018年7月11日更新。2019年5月10日閲覧。自己紹介における姓名は、I am+名前(+名字)あるいはMy name is+名前(+名字)とされる。</ref><ref name=PowerpC4-2>Power, p. C4-2.</ref>。明治時代の日本で始まったもので、多くの英語出版物では現代日本人の姓名順序は姓が後ろになっている。文部科学省の国語審議会は、この慣習が明治時代に定着したと次のように書いている。
 
{{quotation|日本人の姓名をローマ字で表記するときに、本来の形式を逆転して「名-姓」の順とする慣習は、明治の欧化主義の時代に定着したものであり、欧米の人名の形式に合わせたものである。現在でもこの慣習は広く行われており、国内の英字新聞や英語の教科書も、日本人名を「名-姓」順に表記しているものが多い。(中略)一般的には「名-姓」順とし、歴史上の人物や文学者などに限って「姓-名」順で表記している場合もある。<ref name="Mextname">国語審議会「[http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/old_bunka/kokugo_index/toushin/attach/1325316.htm 国際社会に対応する日本語の在り方 三.国際化に伴うその他の日本語の問題]」文部科学省、2000年12月8日。「日本人の姓名については、ローマ字表記においても「姓-名」の順(例えばYamada Haruo)とすることが望ましい」との提言がされている</ref>}}
 
明治時代に起こった[[脱亜入欧]]の側面として、日本人は欧米言語において西洋の「名-姓」という順序を採用し、当時の日本が後進国ではなく先進国であることを世界により広く知らしめることになった。球技などの国際的イベントに参加する際も、日本人は西洋の「名-姓」順序を使用していた<ref name="Saeki">Saeki, Shizuka. "[https://web.archive.org/web/20020627042648/http://www.lookjapan.com/LBsc/01JunFacts.htm First Name Terms.]" ''[[Look Japan]]''. June 2001. Volume 47, No. 543. p. 35.</ref>。日本人には実際の名の短縮形となるニックネームがしばしばあり、彼らは外国人と一緒の時にこれらの名前を使うことも多い。 例えば、「カズユキ」は自分自身を「カズ」と呼んだりもする<ref name=PowerpC4-2/>。これらの名前はミドルネームとは見なされない<ref name=PowerpC4-2/>。
 
[[File:Orikasa Fumiko (3).jpg|thumb|left|日本語表記では姓が先で、英語表記では名前が先という例。声優の[[折笠富美子]](Fumiko Orikasa)。]]
大半の海外出版物では存命する日本人の姓名は逆さになっており、大半の日本人は海外販売するもの(書籍など)に書き込む自分の姓名を逆さにしている。海外と取引を行う日本企業の幹部役員は通常2種類の[[名刺]]を持っており、1つが国内で使う日本語だけのもので、もう1つが外国人向けで西洋式に「名-姓」となっているものである。海外の著名な報道出版物では、西洋式順序が用いられている<ref name="Terry632">Edith Terry,"How Asia Got Rich",M.E. Sharpe,2002,ISBN 076560356X, 9780765603562,p.[https://books.google.com/books?id=EzKBXxnkURkC&pg=PA632& 632].</ref><ref name="Saeki"/>。
 
歴史上の人物は、英語でも名字が最初に呼ばれることが多い<ref name="Mextname"/>。これは特に、日本に関する学術著作の中でそうなっている<ref name="Saeki"/>。多くの学術著作は一般的に日本人の姓名について日本式の順序を使用しており、もしも著者が日本人学者ならば学術著作は日本式の順序を使用する可能性がより高い。『ジャパニーズ・ネームズ』の著者ジョン・パワーは「日本語を話したり読んだりできる人は、日本人の姓名を西洋式の順序に変えることに強い抵抗がある」と記した<ref name=PowerpC4-2/>。これら作家によって書かれた書籍には、日本人の姓名がオリジナルの順序であるという注釈がしばしば入っている<ref name=PowerpC4-2/>。一部の海外書籍には、一貫した姓名順序の慣行がない。『[[ルック・ジャパン]]』の佐伯シズカは「これは作家や翻訳者にとって頭痛の種であるだけでなく、読者にとっても混乱の元となっている」と述べた<ref name="Saeki"/>。
 
東京に本部を置くプロの執筆者団体、Society of Writers, Editors and Translators (SWET)<ref>「[https://www.swet.jp/jp SWETについて]」日本語公式ページにも同団体の訳語が存在せず、[[頭字語]]の「SWET」で統一されている。直訳するなら「作家・編集者・翻訳者の協会」。</ref>のリン・E・リッグスは「あなたが日本に関する本を出版する場合、あなたは日本について知りたいと思っている人々に向けてそれを出版しています。それで彼らは、何か新しい事または新しいとされている何かを学ぶことに興味があるのです」と述べた。
 
佐伯は2001年に、大半の日本人が英語を書く際には西洋式順序を使っているとしつつも、20世紀に日本は経済大国になったことで、一部の人達が日本式順序の使用促進を始めたと述べている。SWETによって書かれた日本に関する英語著作物を作るための1998年ガイド『ジャパン・スタイルシート』は、翻訳者が姓名順序の一貫性を促したいとして、できる限り普段から日本式の姓名順序を使うよう主張している。
 
1987年、日本の英語教科書出版社の1社が日本式順序を使用し、2001年では日本の英語教科書出版社の8社のうち6社が日本式順序を使用した。2000年12月、文部科学省の国語評議会は「一定の書式に従って書かれる名簿や書類などは別として、一般的には各々の人名固有の形式が生きる形で紹介・記述されることが望ましい」<ref name="Mextname"/>として、英語著作物で日本式の姓名順序を使用するよう推奨した。同時に 、個人名のどの部分が名字でどの部分が名前であるかを明確にするために、名字を[[大文字]]にする(YAMADA Haruo)ことや[[コンマ]]を使用する(Yamada,Haruo)との提言もなされた<ref name="Mextname"/>。
 
英語における日本の姓名の優先順位に関して[[文化庁]]が行った2000年1月の「国語に関する世論調査」<ref>文化庁「[http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/index.html 国語に関する世論調査]」、ただしネット要約では姓名順序に関するデータ未掲載。</ref><ref name="Saeki"/>では、34.9%が日本式の順序を優先し、30.6%が西洋式の順序を優先し、29.6%がどちらでもなかった。
 
1986年に[[国際交流基金]]は、すべての刊行物に日本式の姓名順序を使用することを決定した。 国際交流基金の出版部広報は2001年頃に、よく読まれる英語話者の新聞を含む一部のSWET出版物は、西洋式順序を使用し続けると述べた。 2001年時点で同局のスタイルシートでは、状況に応じて異なる姓名順序を使用することを推奨している。 例えば、国際会議の文書など、日本に精通していない読者向けの出版物には西洋式の順序を使用するよう提唱している<ref name="Saeki"/>。
<!-- Chicago Manual of Styleの取り組みに関しては割愛。-->
 
== 脚注 ==
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{{Reflist}}
 
;参考文献
* Power, John. "[http://www.theindexer.org/files/26-2/26-2-cp4_002.pdf Japanese names]." ([https://www.webcitation.org/6GbSRx5WL?url=http://www.theindexer.org/files/26-2/26-2-cp4_002.pdf Archive]) ''[[The Indexer]]''. June 2008. Volume 26, Issue 2, p.&nbsp;C4-2-C4-8 (7 pages). {{ISSN|0019-4131}}. Accession number 502948569. Available on [[EBSCOHost]].
 
== 関連項目 ==