「スタッフが美味しくいただきました」の版間の差分

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== 注釈表示への批評 ==
評論家の上滝徹也は、この注釈について「『[[発掘!あるある大事典#指摘される問題点|あるある問題]]』などで視聴者の目が厳しくなっていると制作者が意識しているということであり、ワンステップとしてはいい<ref group="*" name="中日">{{Harvnb|中日新聞|2007|p=15}}より引用。</ref>」と一定の評価を与えている<ref name="中日" />。一方で上滝は、そう評しつつも「見る側への責任転嫁であって、形だけのお断りで終わってはいけない。バラエティー仕立てにする時は、情報を扱う手続きや番組の中身そのものをきちんとしていく取り組みをしてほしい<ref group="*" name="中日" />」とも話している<ref name="中日" />。実際にスタッフが食べたかどうかは視聴者にはわからないため、この注釈が「視聴者からの苦情に備え、取敢えず表示しておけば良いもの」、いわば予防線や[[免罪符]]になっている可能性も示唆されている<ref name="オリコン" /><ref name="こじへい" />。
 
一方で上滝徹也は、そう評しつつも「見る側への責任転嫁であって、形だけのお断りで終わってはいけない。バラエティー仕立てにする時は、情報を扱う手続きや番組の中身そのものをきちんとしていく取り組みをしてほしい<ref group="*" name="中日" />」とも話している<ref name="中日" />。実際にスタッフが食べたかどうかは視聴者にはわからないため、この注釈が「視聴者からの苦情に備え、取敢えず表示しておけば良いもの」、いわば予防線や[[免罪符]]になっている可能性も示唆されている<ref name="オリコン" /><ref name="こじへい" />。
 
放送作家の[[そーたに]]は、制作サイドが敏感になり、無駄批判に先手を打ってこうして注釈を表示することに対し、過剰な自主規制が萎縮に繋がる危険性を感じている<ref name="北國" />。テレビプロデューサーの[[菅賢治]]も、子供の頃に[[お笑い番組]]を見ていて母親から「こんなことしちゃ駄目」と言われたように、実社会から離れたテレビの中のことを、「間抜け、馬鹿」と笑えることが必要と主張しており、制約の厳しさによってテレビから面白さが失われていると語っている<ref name="和気" />。
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== 現状への皮肉・風刺 ==
=== テレビ番組 ===
こうした現状への皮肉の1つとして、『[[オモクリ監督 〜O-Creator's TV show〜]]』(フジテレビ)の2015年(平成27年)9月13日放送分では、[[濱口優]]([[よゐこ]])が「注釈が多すぎるテレビ番組」と題し、架空のテレビ番組を発表した。一見ありきたりな、注目エリアやグルメの紹介という内容だが、わずか5分弱の間に30回以上も注釈が入る。「特別に許可を得て撮影しています」「個人の意見です」など、現実にも有る注釈のみならず、お笑い芸人の話の途中に「まもなくオチを言います」、相方の頭を叩くと「本気で叩いているわけではありません」「音は大きいですが見た目ほど痛くありません」と何度も注釈が表示される。偶然の出逢いの場面では「事前にリハーサルを行っています」と、偶然ではないことを明らかにし、レポーターによる「3万個」とのコメントでは「[[まんこ|卑猥な表現]]に聞こえたことをお詫びします」と、過剰なお詫びの注釈が出る。エンディングの注釈では「このバラエティ番組はフィクションですが登場する人物・団体・名称は実際に存在します。また芸人が頭を叩いたりする過激なシーンは芸人特有の『おいしい』という価値観のもと行っており 決して暴挙などではありません」と、痛烈な皮肉が展開されている<ref name="オリコン" /><ref name="J-CAST">{{Cite news|和書|date=2015-9-15|title=「特別に許可を得て撮影しています」… テレビでよく見る「注釈」、たけしが「しらけるよね」|newspaper=[[J-CASTニュース]]|publisher=[[ジェイ・キャスト]]|language=ja|url=https://www.j-cast.com/2015/09/15245312.html?p=all |accessdate=2019-5-9 <!-- |archiveurl=http://archive.is/CHnQ4 |archivedate=2017-10-18 --> |ref={{SfnRef|J-CAST|2015}}}}</ref>。
 
これに対して、共演者の[[千原ジュニア]]が「(こういう未来が)来るかもわからないですね<ref group="*" name="オリコン" />」と苦笑して見せると、濱口も「来るでしょう。テレビがこんだけ弱くなってたら。ずっとお詫びばっかり入れて番組が進まなあかんくなるんじゃないかな<ref group="*" name="オリコン" />」と憂慮した。ビートたけしも「今みて『そうそう』って普通になっちゃってる感覚があるんだよね<ref group="*" name="J-CAST">{{Harvnb|J-CAST|2015}}より引用。</ref>」「“食べ物はスタッフで食べた”とか、出たらシラケるよね。お笑い、本当にやんなっちゃうよね。誰がこんなこと言うようになったんだろう<ref group="*" name="オリコン" />」と嘆いた<ref name="オリコン" /><ref name="J-CAST" />。