「国鉄80系電車」の版間の差分

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:* DT15からの改良点は乗り心地改善のため軸ばねの大容量化<ref group="注釈">これに伴いばね帽部の側枠からの飛び出し量がDT15に比して増大し、車体の床に食い込んで見える外観となった。</ref>・側枠そのものの軽量化<ref group="注釈">肉厚を減らして必要な部分に限って補強用ひれを設け、トランサム固定ボルト穴群の左右外側それぞれに角を丸めた三角形の軽め穴を開口するなど必要強度を確保しつつ可能な限りの軽量化が行われた。</ref>の2点である。
: 設計は戦前[[鉄道省]]標準形であった「[[国鉄TR23形台車|ペンシルバニア型]]台車」に由来し、ペデスタル部の摺動で軸箱の前後動を拘束しつつ上下動を案内し、また、軸箱直上に置かれたコイルばね1組で軸箱を弾性支持する機構を備える点はそれ以前の国鉄電車用台車と同様である。だが、台車枠が一体鋳鋼製となって[[剛性]]が飛躍的に向上したことで高速運転により適した特性の追求が可能となり、また長距離運転用ということで特に軸[[ばね定数]]が見直され、軸ばねを従来よりも背の高いものに変更してたわみ量を大きくとることで乗り心地の改善が図られた。
: 動力車用DT16・付随車用TR43共々揺れ枕の釣りリンクは原型の[[国鉄TR23形台車#国鉄向け|TR23]]に比して大幅に延長され(310mm→540mm)、振動特性は大幅に改善された<ref group="注釈">製造時点より、客車用台車のTR23D・E相当の構造となっている</ref>。新造ゆえ、工数を増やすことなく抜本的な改良が可能であった<ref group="注釈">客車において実施された改造は一旦台車全体を解体するため費用がかさみ実施車両は最低限にとどまる</ref>。
 
; TR43・TR45(クハ86形・サハ87形)
; TR43A・TR45A(サロ85形)
: 鋼材組立台車で、従来20 m級国鉄電車の標準型台車であったDT12 (TR25) や一般向け客車用標準台車であった[[国鉄TR23形台車|TR23]]の流れを汲むペンシルバニア型鋼材組み立て・ペデスタル支持軸ばね構造を採用する。DT16に比して構造面でやや時代遅れの面が見られるが、ローラーベアリング化などの改良が実施されており、従来の長距離運用において問題視されていた軸受の[[焼きつき]]といった不都合はない。
;*: 当時の主力国鉄客車であった[[国鉄オハ35系客車|オハ35形]]などのペンシルバニア型TR34でも'''ローラーベアリングは標準的に採用されており'''、客車列車の電車化という本系列の設計概念を考えるとごく自然な選択である。またこの頃までに、[[国鉄63系電車#台車|モハ63]]などで当初問題となった電車での使用に際しての不具合(ころに通電してしまうことでの焼付き)は解決策が採られていた{{sfn|鉄道ピクトリアル通巻748号|2004|p=16}}
 
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: なお、1951年には小改良を施されたTR45・TR45Aに変更された。