削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
編集の要約なし
6行目:
太鼓は世界に広く分布するが、基本構造として円形の開口部を持った堅い胴に薄い膜を張り、これを振動させて音を出すことが多い。ただし[[木鼓]]のように膜を持たず、中空の胴をそのまま叩いて楽器とするものも存在する。太鼓は胴と膜の枚数によって、[[団扇太鼓|うちわ太鼓]]のように円形の枠に1枚の膜を張るもの、筒状の胴の片側に膜を張るもの(片面太鼓)、筒状の胴の両側に膜を張るもの(両面太鼓)、[[ティンパニ]]のように[[鍋]]状の胴に膜を張るものに分類される。太鼓に張る膜は[[動物]]の皮などで作られていたが、技術の進歩により[[合成樹脂]]なども使用されるようになった<ref>「世界の楽器百科図鑑」p38 マックス・ウェイド=マシューズ 別宮貞徳監訳 東洋書林 2002年11月12日発行</ref>。太鼓の胴は主に[[木]]または[[金属]]からなる。太鼓をたたく桴は1本のみ使用するものと2本使用するものがあり、また[[鼓]]などのように手でたたく太鼓も民族楽器を中心に多く存在している。
 
太鼓はそれ自体のみで音楽を演奏するほか、[[オーケストラ]]や[[ブラスバンド]]などの器楽合奏にも広く用いられ、また[[ロック (音楽)|ロック]]や[[ポピュラー音楽|ポップス]]、[[ジャズ]]の演奏に複数のドラムと[[シンバル]]などを組み合わせた[[ドラムセット]]は欠かせないものである。
太鼓はその大きな音から、しばしば祭器として神事に使用されることがあった<ref>「世界の楽器百科図鑑」p189 マックス・ウェイド=マシューズ 別宮貞徳監訳 東洋書林 2002年11月12日発行</ref>。太鼓は音が大きくよく通ることから、[[日本]]では時刻を告げるためにも使用された。楽器として使用されるほか、かつて[[西アフリカ]]においては太鼓によって遠距離[[通信]]を行う、いわゆる[[トーキングドラム]]という使用法が広く行われていた<ref>「楽器概論」p15 郡司すみ エイデル研究所 2009年4月30日初版発行</ref>。
 
太鼓はその大きな音から、しばしば祭器として神事に使用されることがあった<ref>「世界の楽器百科図鑑」p189 マックス・ウェイド=マシューズ 別宮貞徳監訳 東洋書林 2002年11月12日発行</ref>。太鼓は音が大きくよく通ることから、[[軍]]の指揮のために使用されることも多く、同様の理由で[[日本]]では時刻を告げるためにも使用された。[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]の[[小田原城]]では太鼓で城中に時刻を知らせていたことが知られている<ref>「中世の音・近世の音 鐘の音の結ぶ世界」p243 笹本正治 講談社学術文庫 2008年4月10日第1刷</ref>。[[江戸時代]]においても、[[江戸城]]や各藩の城中においては時刻を伝えるための、いわゆる時の太鼓が使用されていたものの、音の伝わる範囲が狭いために民間においては寺院に設置されていた[[梵鐘]]に早々にとってかわられた<ref>「中世の音・近世の音 鐘の音の結ぶ世界」p252 笹本正治 講談社学術文庫 2008年4月10日第1刷</ref>。楽器として使用されるほか、かつて[[西アフリカ]]においては太鼓によって遠距離[[通信]]を行う、いわゆる[[トーキングドラム]]という使用法が広く行われていた<ref>「楽器概論」p15 郡司すみ エイデル研究所 2009年4月30日初版発行</ref>。
 
== 関連項目 ==