「忠臣蔵」の版間の差分

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「仮名手本忠臣蔵」に特化した内容(人物が仮名=かめい等)を「仮名手本忠臣蔵」へ編入。
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『仮名手本忠臣蔵』はのちに[[独参湯]](薬の名前)とも呼ばれ、客が不入りの時でもこれを出せば当たるといわれるほどであった。さらに歌舞伎、浄瑠璃、講談で数多くの作品がつくられ、「忠臣蔵物」と呼ばれるジャンルを形成する。そのような作品のひとつに『仮名手本忠臣蔵』と[[怪談]]を組み合わせた[[鶴屋南北 (4代目)|鶴屋南北]]作『[[四谷怪談#東海道四谷怪談|東海道四谷怪談]]』がある。
 
江戸時代、江戸幕府から同時代に起こった武家社会の事件を文芸や戯曲で取り上げることは禁じられていたので、赤穂事件についても幕府を憚って舞台を室町時代とし、登場人物を他の歴史上の人物に仮託していた。近松の作品では『[[太平記]]』の時代を舞台とし、登場人物の名として浅野内匠頭を塩冶判官([[塩冶高貞]])、吉良上野介を[[高師直]]に擬し、高師直が塩冶高貞の妻に横恋慕したことを発端としており、『仮名手本忠臣蔵』でもこれに倣っている。しかし事件を表現していることがわかるように、塩冶の「塩」は赤穂の特産品である「赤穂塩」、高師直の「高」は吉良上野介の役職「[[高家 (江戸時代)|高家]]」とかけられている。太平記に登場しない人物の名も変えられた(大石内蔵助→大星由良助など)。
 
「忠臣蔵」という題名の由来は、蔵一杯の忠臣という意味や、大石内蔵助の「蔵」にかけているなどとされるが、定かではない。「仮名手本」についても、以下のように色々な説明がなされている。
 
* [[仮名 (文字)|仮名]]47文字すなわち四十七士を指す(実際、四十七士の各々の装束に、いろは仮名を一文字ずつ書いた[[浮世絵]]も多い)。
* [[いろは歌]]を七文字毎に区切り一番下の文字を順に読むと「とかなくてしす」、すなわち「咎(とが)無くて死す」であることによる。
* 幕府の禁止令により登場人物が実名ではなく「仮名」で呼ばれていることから。
 
「忠臣蔵」という題名の由来は、蔵一杯の忠臣という意味や、大石内蔵助の「蔵」にかけているなどとされるが、定かではない。「仮名手本」についても、以下のように色々な説明がなされている
[[明治]]以降、[[江戸幕府]]が滅亡しその憚りがなくなったので、登場人物の名を実名で上演することができるようになった。明治41年から[[福本日南]]が忠臣蔵の真相と銘打って、義士録をもとに浪士側に立った『元禄快挙録』を新聞連載して話題となり、近代日本の忠臣蔵観を主導した<ref>[http://www.ncbank.co.jp/chiiki_shakaikoken/furusato_rekishi/hakata/070/01.html 地域社会貢献活動 ふるさと歴史シリーズ「博多につよくなろう」福本日南]西日本シティ銀行、平成12年1月</ref><ref>[https://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/33/X/331591+.html 元禄快挙録] 岩波書店</ref>。「忠臣蔵」は人気が高く、[[昭和]]9年([[1934年]])には資料調査をした[[新歌舞伎]]『[[元禄忠臣蔵]]』([[真山青果]]作)が上演されている。[[講談]]、[[浪曲]]でも忠臣蔵は人気があり、「赤穂義士伝」と呼ばれ、事件の史実を扱った「本伝」、個々の赤穂四十七士を描いた「義士銘々伝」、周辺のエピソードを扱った「外伝」からなる。
 
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史実でも『多門伝八郎筆記』には柳沢の指示により浅野の即日切腹と吉良の無罪放免が決まった旨が書いてあり、事件への柳沢の関与をにおわせるが<ref name="noguchi35" />、後述するようにこの文献の記述には創作が多い。
 
==== 脇坂淡路守が吉良に一矢報いるを殴打 ====
殿中刃傷があった直後、播磨龍野藩主[[脇坂安照]]が隣藩の藩主である浅野長矩の無念を思いやって抱きかかえられて運ばれる吉良義央とわざとぶつかり、吉良の血で大紋の家紋を汚すと、それを理由にして「無礼者」と吉良を殴りつける。吉良は激痛でひっくり返り、「お許しを」と許しを請いながら逃げ去っていく。
 
この話1912年の浪曲の筆記本にすでに見える<ref>[{{NDLDC|908074/33}} 近代デジタルライブラリ元禄快挙四十七士]</ref>。
 
なお、史実において脇坂安照は赤穂城受け取りの時の正使であった<ref>[https://kotobank.jp/word/%E8%84%87%E5%9D%82%E5%AE%89%E7%85%A7-1121454 コトバンクデジタル版 日本人名大辞典+Plus脇坂安照]</ref>。また、赤穂城にて在番していた家臣の脇坂左次兵衛が乱心して、同僚の貞右衛門を切り殺すという事件が起こっている<ref>
『赤穂城在番日記』</ref>。
 
====切腹を迫られる吉良====