「ナチス・ドイツ」の版間の差分

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;非常権限掌握
ヒトラーは組閣後ただちに総選挙を行ったが、[[2月27日]]に[[ドイツ国会議事堂放火事件]]が発生した。ヒトラーはこれを口実として「[[ドイツ国民と国家を保護するための大統領令|民族と国家防衛のための緊急令]]」と「[[民族への裏切りと国家反逆の策謀防止のための特別緊急令]]」の二つの緊急大統領令を発布させた。これにより国内の行政・警察権限を完全に握ったヒトラーは、[[ドイツ共産党]]に対する弾圧を行った。選挙では[[共産党]]議員も多数当選したが、選挙後に共産党は非合法化され、共産党議員の議席は議席ごと抹消された。[[ドイツ中央党]]など[[中道政治|中道政党]]の賛成も得て[[全権委任法]]を制定し、[[一党独裁体制]]を確立した。その後、ドイツ国内の[[政党]]・労働団体は解散を余儀なくされ、ナチス党は国家と不可分の一体であるとされた。
 
1934年6月には[[突撃隊]]幕僚長[[エルンスト・レーム]]をはじめとする党内の不満分子やナチス党に対する反対者を[[非合法]]手段で[[逮捕]]・[[処刑]]した([[長いナイフの夜]])。1934年8月にヒンデンブルク大統領が死去すると、ヒトラーは従来の首相職に加えて国家元首の機能を吸収し、国民投票によってドイツ国民により賛同された。これ以降のヒトラーは指導者兼首相(''Der Führer und Reichskanzler'')、日本語では[[総統]]と呼ばれる。