「グレート・ファイアウォール」の版間の差分

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GreatFirewallやGFWは世間で一般的認知されつつであるが日本語版wikiでは直接説明するページがないため内容を金盾から転記し、転送を削除しました。なおGreatFirewallは金盾の一部であるが、違うものを指している、なので金盾ページに記載するのは不当である、詳しくは本項目の中国語版ページを参照
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{{更新|date=2019年6月}}
{{子記事|金盾}}
'''『グレート・ファイアウォール(防火長城、{{lang-en|Great Firewall}})』'''と呼ばれるファイアウォール機能は、国民管理システムである金盾計画の一部にあたり、その中でも最も有名な部分である。[[中華人民共和国]]国内外で行なわれる[[インターネット]]通信に対して、接続規制・遮断する大規模な[[検閲]]システムである。[[ウェブサーバ]]への接続の規制において、検閲対象用語を基に遮断を行なうのが特徴である。当初は10万人近い[[インターネットポリス]](網警)で[[人海戦術]]を行っていたが<ref>{{cite web|title=中国10万人サイバーポリスも限界 自動検閲システム実用段階|url=https://www.news-postseven.com/archives/20130122_167196.html|website=[[NEWSポストセブン]]|accessdate=2013-01-22|date=2018-10-20}}</ref>、自動的に検閲する[[人工知能]]や[[機械学習]]も利用されるようになった<ref>{{cite web|title=焦点:中国、ブラックテクノロジー駆使して監視国家構築へ|url=https://jp.reuters.com/article/china-parliament-surveillance-idJPKCN1GQ0UT|website=[[ロイター]]|accessdate=2018-03-15|date=2018-03-16}}</ref><ref>{{cite web|title=AIが増加中、中国のネット検閲作業で |url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30854150T20C18A5000000/|website=[[日本経済新聞]]|accessdate=2018-05-23|date=2018-05-23}}</ref><ref>{{cite web|title=China's robot censors crank up as Tiananmen anniversary nears|url=https://www.reuters.com/article/us-china-tiananmen-censorship-idUSKCN1SW03Y|website=[[ロイター]]|accessdate=2019-05-26|date=2019-05-27}}</ref><ref>{{cite web|title=天安門事件30年の中国 「AI検閲」フル稼働で厳戒体制|url=https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/06/30ai.php|website=[[ニューズウィーク]]|accessdate=2019-06-01|date=2019-06-02}}</ref>。これは、例えばパソコンのIPアドレスごとに履歴やオンライン上の言動を解析し、ユーザー各人の政治的傾向を分析したり、サーチエンジンで「[[チベット]]」という単語を単体で調べても問題がなかったとしても、「チベット」を調べた後に「[[人権]]」を調べようとすると遮断するといった事例がありうる、と[[産経新聞]]で報道された。検索の初期には表示されていても、問題ある語彙での検索を繰り返していると表示されなくなる場合もある。
 
[[2006年]]5月からは、中華人民共和国から[[日本]]国内の[[Post Office Protocol|POP3]]サーバーへの接続の遮断([[電子メール]]を受信することができなくなる)も行なわれ、日本企業の駐在員など「外国人」にも影響が及んだ。
 
こうしたネット検閲システムの進化には対抗プログラムの存在も挙げられている。対抗プログラムには現在は検閲を逃れて、電子メールを受信する機能まで搭載されたものも存在する。
 
また、通信内容を暗号化されると検閲が非常に困難となるため、中国政府は[[暗号]]化通信を許可なく行なうことを禁止している。このため、例えば[[Secure Shell|SSH]]・[[HTTPS]]や、海外版[[Skype]](中国国内版{{lang|en|Skype}}には検閲機能が内蔵されている<ref>[http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0604/20/news080.html Skype、中国でのIM検閲を認める] - ITmedia, 2006-04-20.</ref>)などの暗号化通信を行なう[[ソフトウェア]]を利用した場合には、通信を遮断する場合があるほか、直接ユーザーに対して警告するケースもある。
 
検閲の結果、アクセスを遮断した場合、その結果を[[HTTP 503|503]]や[[HTTP 404|404]]のような[[HTTPステータスコード]]を返す機能を持っており、ユーザーに対して検閲が行われたことを直接気付かれないようにする仕様となっている。
 
=== 開発 ===
グレート・ファイアウォールの開発費は、60億[[人民元]](日本円約743億円)。金盾計画全体では64億人民元(約800億円)にもおよぶ<ref>[http://www.epochtimes.com/gb/3/10/22/n397830p.htm {{lang|zh|金盾工程前期耗8亿美元 建全国性监视系统}}] {{zh icon}}</ref>。
 
このシステムの開発、運用には多くの[[多国籍企業]]が関わっている。[[シスコシステムズ|Cisco(シスコ)]]、[[モトローラ]]、[[オラクル]](当時は[[サン・マイクロシステムズ]])、[[アルカテル]](当時は[[ノーテルネットワークス]])、[[Oath|Oath(オース)]](当時は[[AOL]])、[[マカフィー]](当時は[[ネットワークアソシエイツ]])、[[マイクロソフト]]などの、[[アメリカ国家安全保障局]]と関係の深い[[アメリカ合衆国]]のIT大手企業の名前が挙がっており、実際の[[エシュロン]]など[[シギント]]開発の技術が応用されたとされる。現在は米国内でも問題となっている。
 
=== 現在の検閲対象 ===
* [[検索エンジン]]の検索ワード([[政府]]や[[政治家]]への批判など)
* [[電子メール]]の送受信
* [[インスタントメッセンジャー]]の通信
* [[ウェブサイト]]・[[ブログ]]
* [[ソーシャル・ネットワーキング・サービス]]
* [[マイクロブログ]]
* [[電子掲示板]]
* インターネットユーザー
* [[反中]][[反共]]の活動家
* その他[[中国政府]]にや政治家に不都合な情報や批判など
 
===確認された検閲対象用語===
[[プロキシ]]や[[Virtual Private Network|VPN]]を使わない限り、[[検索エンジン]]からこれらの用語を検索すると、[[政治思想]]などを中国政府が問題視して[[ブラックリスト]]入りとなり、インターネットの利用を厳しく規制・監視される恐れがある。
*[[天安門]]事件(例えば[[四五天安門事件]]、[[六四天安門事件]])
*[[法輪功]]について
*[[反共産主義]]について
*[[民主政治]]や[[民主主義]]について
*[[台湾問題]] (例えば[[台湾独立]]、[[中華民国総統選挙]]、[[二つの中国]])
*[[チベット]]問題(例えば[[チベット独立]]、[[チベット動乱]]、[[ダライ・ラマ]])
*[[密輸]]について(走私)
*[[公金]]の使用の問題について
*[[多党制]]
*[[専制]]
*[[激流中国]]([[NHKスペシャル]]のシリーズ名)
*[[中国共産党]]について
*[[中華人民共和国]]の歴史問題 (例えば[[文化大革命]]、[[大躍進]]、[[毛沢東]])
*[[ポルノグラフィ]]({{lang|zh-cn|色情}})
*[[六合彩]]、[[ギャンブル]]({{lang|zh-cn|賭博}})
*[[ジャスミン|茉莉花]]、茉莉花革命([[ジャスミン革命]]、[[中国ジャスミン革命]]の事)
*[[パナマ文書]]<ref>{{cite news | title = 「パナマ文書」、中国当局が報道規制 記事削除や検索制限も | url = http://jp.reuters.com/article/panama-tax-china-idJPKCN0X20CP | newspaper = [[ロイター]] | date = 2016-04-05 | accessdate = 2016-09-13}}</ref>
* [[習近平]]関連
** [[くまのプーさん_(ディズニー)|くまのプーさん]]({{lang|zh-cn|维尼熊}})
** [[剛田武|ジャイアン]]({{lang|zh-cn|胖虎}})<ref>{{Cite news|url=https://www.asahi.com/articles/ASK7L3RN8K7LUHBI00L.html|title=ジャイアンも中国で検索不能 習主席に似てるから? |date=2017-07-18|accessdate=2018-03-11|publisher=朝日新聞}}</ref>
** [[皇帝]]即位({{lang|zh-cn|登基}})
** [[袁世凱]]<ref>{{Cite news |author = |url = http://www.sankei.com/world/news/180228/wor1802280036-n1.html|title = 中国ネット 改憲批判拡大 国家主席終身制「暗黒支持するな」|newspaper = [[産経新聞]]|date = 2018-02-28|accessdate = 2018-03-12}}</ref><ref>{{Cite news |author = |url = http://bunshun.jp/articles/-/6406|title = “皇帝化”する習近平の中国「笑ってはいけない検閲事情」|newspaper = [[文藝春秋]]|date = 2018-03-05|accessdate = 2018-03-12}}</ref><ref>{{Cite news |author = |url = http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-43208840|title =中国当局、なぜまたクマのプーさんを検閲? 主席任期延長案で|newspaper = [[BBC]]|date = 2018-02-27|accessdate = 2018-03-12}}</ref>
** [[洪憲]]<ref>{{Cite news |author = |url = http://ironna.jp/article/9111|title =「習近平独裁」を中国人はなぜ歓迎するのか|newspaper = [[産経新聞|iRONNA]]|date = 2018-03-07|accessdate = 2018-03-12}}</ref><ref>{{Cite news |author = |url = http://news.ltn.com.tw/news/world/breakingnews/2352848|title =「信女願一生吃素」也不行! 中國修憲忙禁敏感詞|newspaper = [[自由時報]]|date = 2018-03-01|accessdate = 2018-03-12}}</ref>
** [[張勲復辟]]<ref>{{Cite news |author = |url = http://www.epochtimes.com/b5/18/3/1/n10180870.htm|title =袁斌:中共新一輪網路審查限制評論修憲|newspaper = [[大紀元]]|date = 2018-02-28|accessdate = 2018-03-12}}</ref><ref>{{Cite news |author = |url = https://udn.com/news/story/7331/3004714|title =陸社群媒體熱議修憲 「稱帝」、「反對」等詞遭封鎖|newspaper = 聯合新聞網|date = 2018-02-28|accessdate = 2018-03-12}}</ref>
* [[金正恩]]関連
** [[デブの金3世]]({{lang|zh-cn|金三胖}})<ref>{{Cite news |author = |url = http://japanese.joins.com/article/737/225737.html|title =中国ポータルで金正恩のあだ名「金三胖」が再び検索可能に…ミサイルの影響か|newspaper = [[中央日報]]|date = 2017-02-14|accessdate = 2018-03-28}}</ref><ref>{{Cite news |author = |url = https://www.rfa.org/mandarin/yataibaodao/zhengzhi/ql1-03272018103050.html|title =金正恩秘访北京众纷纭 网上急删“金三胖”|newspaper = [[ラジオ・フリー・アジア]]|date = 2018-03-27|accessdate = 2018-03-28}}</ref>
** [[習近平とデブ]]({{lang|zh-cn|西胖}})<ref>{{Cite news |author = |url = http://www.epochtimes.jp/2018/03/32167.html|title =デブデブデブも禁止?金正恩氏の訪中で検閲ワード目白押し|newspaper = [[大紀元]]|date = 2018-03-29|accessdate = 2018-04-01}}</ref>
== 翻牆(突破手法) ==
'''[[:zh:突破网络审查|翻墻]]'''(ファン・チャン、{{簡体字|翻墙}}、{{繁体字|翻牆}}、{{ピン音|fānqiáng}})と一般に呼ばれる、グレート・ファイアウォールを乗り越えて、禁止または制限しているインターネット上の情報にアクセスする手段が中国には存在する<ref>[http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20110302/218692/?rt=nocnt 番外編:“中国茉莉花革命”は広がるか?] 日経ビジネス 2011年3月4日</ref>。翻墻は垣根(墻)を超えるという意味で、'''破網'''(ネットを破る)と呼ばれることもある。
 
技術は様々で、[[プロキシ]]の技術を利用し、[[パソコン]]など接続機器側にプロキシサーバの[[IPアドレス]]と[[ポート番号]]を設定するものや、[[Virtual Private Network|VPN]]ネットワーク、[[Peer to Peer|P2P]]技術、[[HTTPS]]と[[Tor]]を組み合わせて利用したものなど、複数の手法やソフトウェアが存在する。
 
動態網絡技術公司が[[自由門]]と呼ばれる、突破手段を提供している。
 
香港・マカオ並びに中国本土以外の通信事業者が提供する中国本土でのローミングは封鎖の対象外である。