「順行・逆行」の版間の差分

地球を含むほとんどの惑星は順方向に自転している。つまり、太陽の周囲を公転するのと同じ方向に自転している（言い換えれば、自転の北極と公転の北極が太陽の北極と同じ向きになっている）。例外は[[金星]]、[[天王星]]、[[冥王星]]である。天王星は公転軌道に対してほぼ横倒しに自転している。これを[[赤道傾斜角]]と[[自転周期]]で表すと、傾斜角82度で自転周期-17時間の逆行自転をしている、もしくは傾斜角98度で周期+17時間の順行自転をしている、と表される。現在の推定では、天王星は元々は普通の赤道傾斜角を持ち順行自転をしていたものが、初期の段階で大規模な[[ジャイアント・インパクト説|天体衝突]]によって自転軸が倒されたと考えられているため、後者の表現が用いられることが多い。（なお、天王星の衛星の公転方向は天王星本体の自転に対する方向で表されるため、衛星の順行・逆行の記述は天王星の自転をどう表現するかにはよらない。）。

一方、逆行自転している金星の場合は赤道傾斜角は3度未満で、243日という非常にゆっくりとした自転周期を持つ。金星の場合は、地球と比べて自転軸が逆さになっていると考えるよりはゆっくりと逆行自転しているとした方が考えやすいことや、初期段階での大衝突によって自転軸にはほとんど影響を与えずに自転の方向のみが逆転したと考えられていることから、ほとんどの場合、は（赤道傾斜角177度で周期+243日の順行自転ではなく）傾斜角3度で公転周期-243日の逆行自転をしていると表される。