「プロパガンダ」の版間の差分

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=== 戦争遂行のためのプロパガンダ ===
国家が戦争を遂行するためには、国民に戦争するしか道がないことを信じ込ませるために'''国策プロパガンダ'''が頻繁に行われる。[[アーサー・ポンソンビー (シュールブリードの初代ポンソンビー男爵)|アーサー・ポンソンビー]]は、[[第一次世界大戦]]でイギリス政府が行った戦争プロパガンダを分析して、主張される事に関する10の要素を以下のように導き出した<ref>ポンソンビー「戦時の嘘 ―戦争プロパガンダが始まった―」(東晃社、1941年)。''[[:en:Arthur Ponsonby, 1st Baron Ponsonby of Shulbrede|Arthur Ponsonby]]"Falsehood in Wartime: Propaganda Lies of the First World War"(Allen and Unwin Pub., 1928),(Paoerback,Legion for the Survival of Freedom, 1991, ISBN 978-0-939484-39-3)''、[[:en:wikiquote:Arthur Ponsonby#Falsehood_in_Wartime_.281928.29|ウィキクオート版]]</ref>。
# 我々は戦争をしたくはない。
 
# 我々は しかし敵側が一方的に戦争をしたくはない望んだ
#  敵の指導者は悪魔のような人間だ。
# しかし敵側が一方的に戦争を望んだ。
#  我々は領土や覇権のためではなく、偉大な使命([[開戦事由|大義]])のために戦う([[正戦論]])。
# 敵の指導者は悪魔のような人間だ。
#  我々も誤って犠牲を出すことがある。だが、敵はわざと残虐行為におよんでいる。
# 我々は領土や覇権のためではなく、偉大な使命([[開戦事由|大義]])のために戦う([[正戦論]])。
#  敵は卑劣な兵器や戦略を用いている。
# 我々も誤って犠牲を出すことがある。だが、敵はわざと残虐行為におよんでいる。
#  我々の受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大。
# 敵は卑劣な兵器や戦略を用いている。
#  [[芸術家]]や[[知識人]]も正義の戦いを支持している。
# 我々の受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大。
#  我々の大義は神聖(崇高)なものである([[聖戦]]論)。
# [[芸術家]]や[[知識人]]も正義の戦いを支持している。
#  この正義に疑問を投げかける者は裏切り者([[売国奴]]、[[非国民]])である。
# 我々の大義は神聖(崇高)なものである([[聖戦]]論)。
# この正義に疑問を投げかける者は裏切り者([[売国奴]]、[[非国民]])である。
 
フランスの歴史家[[:en:Anne Morelli|アンヌ・モレリ]]は、この十要素が第一次世界大戦に限らず、あらゆる戦争において共通していることを示した{{sfn|石井貫太郎|2004|pp=41}}。そして、著書『戦争プロパガンダ10の法則』の序文中で、「私たちは、戦争が終わるたびに自分が騙されていたことに気づき、『もう二度と騙されないぞ』と心に誓うが、再び戦争が始まると、性懲りもなくまた罠にはまってしまう」と指摘している。