「発泡プラスチック」の版間の差分

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'''発泡プラスチック'''(はっぽうプラスチック、英:Foamed plastics)は、[[合成樹脂]]中に[[ガス]]を細かく分散させ、発泡状(フォーム)または多孔質形状に成形されたものを指し、[[固体]]である合成樹脂と[[気体]]の不均一[[分散系]]とも定義できる。基本的にどの合成樹脂も発泡成形させることは可能だが、実際には成形性や性能および[[価格]]が影響し、実用化されている種類はある程度限られている。
 
別な用語では、プラスチックフォーム(英:Plastic foam)、セルラープラスチックス(英:Cellular plastics)、プラスチック発泡体、合成樹脂フォーム、合成樹脂発泡体、樹脂発泡体、海綿状プラスチック、発泡合成樹脂などもある<ref>{{cite web|url=http://jglobal.jst.go.jp/detail.php?JGLOBAL_ID=200906009654369902&q=&t=2|title=発泡プラスチック|publisher=科学技術総合リンクセンター|accessdate=2010-01-15}}</ref>。合成樹脂に限定しなければ、高分子発泡体(こうぶんしはっぽうたい)とも呼ばれる<ref name="Motoyama">{{Cite book|和書|author=[[本山卓彦]]|date=1995-10-20|title=おもしろいプラスチックのはなし|publisher=[[日刊工業新聞社]]|id=ISBN 4-526-02381-7|edition=初版9刷|pages=130-131}}</ref>。特に気泡が小さいものを「マイクロセルプラスチック<ref>{{cite webjournal|和書|url=http://www.j-tokkyo.com/2006/B29C/JP2006-007657.shtml|title=樹脂成形体の製造方法/志熊治雄|publisher=J-tokkyo|accessdate=2010-01-15}}</ref>、マイクロセルプラスチックフォーム<ref>{{cite webjournal|和書|author=足立廣正|url=httphttps://wwwdoi.jstage.jstorg/10.go.jp/article1295/koron/.63/6/63_440/_article/-char/ja.440|title=マイクロセルポリウレタンフォームにおける動的圧縮弾性率による耐熱性の評価/足立廣正 名古屋市工業研究所|publisher=社団法人 高分子学会|date=2006|journal=高分子論文集|volume=63|issue=6|page=440-443|doi=10.1295/koron.63.440|accessdate=2010-01-15}}</ref>」とも呼ぶ。
[[Image:Expanded_polystyrene_foam_dunnage.jpg|thumb|発泡プラスチックの代表例。[[発泡スチロール]] (EPS)]]
 
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== 歴史 ==
自然界の[[高分子]]発泡体としては[[軽石]]が、また発泡体ではないが高分子と気体の不均一分散系としては[[スポンジ]]があり、これらは古くから浴用や[[化粧]]・[[洗浄]]用また[[研磨]]用などに使われていた。[[人工]]的に製造された最初の高分子発泡体は[[ゴム]]であり、[[重炭酸ナトリウム]]を練りこんで[[加硫]]させる際の熱で発泡を起こしたもので、[[大正時代]]の[[日本]]では[[人力車]]の[[タイヤ]]などに使われた。<ref name="Motoyama" />
 
その後、[[ラテックス]]に[[石鹸]]を加えて泡立て、それを固める[[ダンロップ]]法が確立され、用途が広がった。[[第二次世界大戦]]以後は[[クッション]]や[[カーペット]]の裏打ちなど生活用品での採用も拡大した。さらに合成樹脂の発泡技術が上がり、ウレタンフォームや[[発泡スチロール]]などの安価かつ使い勝手の良い製品が上市され、包装・建築・緩衝用など幅広い分野で採用されるようになった。<ref name="Motoyama" />