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'''腹側被蓋野'''(ふくそくひがいや、ventral tegmental area, ventral tegmentum、'''VTA''')は哺乳類の脳における[[中脳]]の一領域であり、[[被蓋]]腹側に位置する。被蓋とは[[脳幹]]の背側の領域を広く指す言葉であり、系統発生的に古い部分である(赤核や黒質も被蓋に含まれる)。この中の腹側被蓋野は[[黒質]]や[[赤核]]に囲まれた内側の領域である。
 
VTAのドーパミン神経(ドーパミン神経)は報酬や目標志向型の行動に中心的な役割を担っている。VTAのドーパミン放出神経細胞は様々な入出力パターンを持つものが混在しており、中にはドーパミンに加えてGABAやグルタミン酸を放出するドーパミン神経もいる。動機付け信号はVTAのドーパミン神経だけでなく、独自の回路を持っている非ドーパミン神経によっても生じている。ドーパミン神経も非ドーパミン神経も局所の抑制的、興奮的回路を使って入力された情報を統合し、出力発火パターンを形成している。様々な個々の入力、出力、局所回路は報酬行動や忌避行動を引き起こすのに十分であり、この小さな細胞集団の行動への寄与は目を非常に重要である。<ref>Marisela Morales & Elyssa B. Margolis Ventral tegmental area: cellular heterogeneity, connectivity and behaviour (''Nature Reviews Neuroscience'' 2017)</ref>
 
== 重要なポイント ==
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== VTAが含まれる神経回路の研究 ==
VTAの神経細胞シナプスを形成している神経細胞を特定するため、超シナプス性の修正型のウイルスベクターが用いられる。Edward Callawayが開発した偽狂犬病ウイルスベクターが最も代表的である。加えて、遺伝子改変動物における光遺伝学的研究は報酬<ref>Garret Stuber et al. A Unique Population of Ventral Tegmental Area Neurons Inhibits the Lateral Habenula to Promote Reward (''Neuron'' 2013)</ref><ref>Patricia Jank et al. Contemporary approaches to neural circuit manipulation and mapping: focus on reward and addiction (''PHILOSOPHICAL TRANSACTIONS OF THE ROYAL SOCIETY B'' 2014)</ref>、罰<ref>Christian Luscher et al. GABA Neurons of the VTA Drive Conditioned Place Aversion (''Neuron'' 2012)</ref><ref>Marisela Morales et al. VTA glutamatergic inputs to nucleus accumbens drive aversion by acting on GABAergic interneurons (''Nature Neuroscience'' 2016)</ref>、強化学習や動機付けに関して独自の機能をもつVTAの神経細胞の発火パターンや結合形式を明らかにした。シナプス結合の研究には、超シナプス性の偽狂犬病ウイルス
 
== 脚注 ==