「温泉卵」の版間の差分

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食中毒に関する見解はJA全農の記述を除去し、専門家による記述を残す。加熱条件例
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== 概要 ==
[[ファイル:Maruo Onsen Kirishima18s5s4592.jpg|thumb|温泉の蒸気で温泉卵を作るところ([[霧島温泉郷]]・[[丸尾温泉]])]]
卵黄よりも卵白が柔らかい状態なのが特徴である。これは卵黄の凝固温度(約70℃)が卵白の凝固温度(約80℃)より低い性質を利用して作られるもので、65 - 68℃程一定以上の温度の湯に30分程度浸けておくことで、この状態になる。反対に卵黄を柔らかく保ったまま卵白を固めたものを「[[半熟卵]]」と呼ぶことがあるが<ref name="aiharahtsj1999.44.188_46">相原利雄「[https://doi.org/10.11368/htsj1999.44.188_46 「プロメテウスの贈りもの」こぼれ話 (2)]」日本伝熱学会雑誌 2005年 44巻 188号 p.46-50, {{doi|10.11368/htsj1999.44.188_46}}。</ref>、両者はしばしば混同される。
 
湧出する[[温泉]]の湯温がこの範囲に近い場合、これに浸けておくだけで出来ることから、温泉地の[[旅館]]などで食卓に提供されることが多く、「温泉卵」の名で呼ばれるようになったと思われる。
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類似する卵料理として、卵の殻を割って茹でる[[ポーチドエッグ]]があり、その状態から温泉卵とポーチドエッグは混同されることがある<ref>[http://news.livedoor.com/article/detail/4524590/ ライブドアニュース] 2009年12月26日 / [http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=1228&f=column_1228_002.shtml サーチナ] 2009年12月28日</ref>。
 
[[外食]]業界でも[[夏]]場の食中毒のリスクから加熱処理した卵を用いることが多い。中でも[[キユーピー]]が開発した白身は半熟かつ黄身には火が通った「キユーピットのたまご」という商品は、卵特有の生臭さを抑えたまろやかな風味が人気を集めヒット商品となっており、[[吉野家]]をはじめとした外食チェーンが夏場も持ち帰りできる「半熟卵」として採用している<ref>「[http://www.asahi.com/business/update/0913/022.html キユーピー開発の加熱殺菌済み「半熟卵」、意外なヒット]{{リンク切れ|date=2015年10月}}」asahi.com。弘前大学農学生命科学部畜産学研究室ホームページの[http://nature.cc.hirosaki-u.ac.jp/lab/3/animsci/030914_half-boiled%20egg.html 2003年9月13日の引用記事]を2015年10月18日閲覧。</ref><ref>「[http://www.tbs.co.jp/gacchiri/archives/20070121/3.html 過去の放送内容 - キユーピー]」[[がっちりマンデー!!]] 2007年1月21日放送。2015年10月18日閲覧。</ref><ref name=jhej.68.297>峯木眞知子、「[https://doi.org/10.11428/jhej.68.297 鶏卵の知識とおいしさ]」『日本家政学会誌』 2017年 68巻 6号 p.297-302, {{doi|10.11428/jhej.68.297}}</ref>。
卵の[[食中毒]]の原因となる[[サルモネラ]]は70℃以上では生存できず、62 - 65℃で30分以内に死滅する<ref>[http://www.jz-tamago.co.jp/06-g.htm サルモネラ対策のとりくみ] JA全農たまご株式会社</ref>ので、温泉卵によって食中毒になる危険性は低い。
 
=== 加熱条件例 ===
[[外食]]業界でも[[夏]]場の食中毒のリスクから加熱処理した卵を用いることが多い。中でも[[キユーピー]]が開発した白身は半熟かつ黄身には火が通った「キユーピットのたまご」という商品は、卵特有の生臭さを抑えたまろやかな風味が人気を集めヒット商品となっており、[[吉野家]]をはじめとした外食チェーンが夏場も持ち帰りできる「半熟卵」として採用している<ref>「[http://www.asahi.com/business/update/0913/022.html キユーピー開発の加熱殺菌済み「半熟卵」、意外なヒット]{{リンク切れ|date=2015年10月}}」asahi.com。弘前大学農学生命科学部畜産学研究室ホームページの[http://nature.cc.hirosaki-u.ac.jp/lab/3/animsci/030914_half-boiled%20egg.html 2003年9月13日の引用記事]を2015年10月18日閲覧。</ref><ref>「[http://www.tbs.co.jp/gacchiri/archives/20070121/3.html 過去の放送内容 - キユーピー]」[[がっちりマンデー!!]]2007年1月21日放送。2015年10月18日閲覧。</ref>。
いくつかの条件が知られている。
* 65 - 68℃程度の湯に30分程度<ref>[https://macaro-ni.jp/32120 たまごソムリエが教える「絶対失敗しない温泉卵」の作り方♩誰でもできる裏技って? 2017年7月22日] macaroni [マカロニ]</ref>
* 68 - 70℃程度の湯に20分以上<ref name=jhej.68.297 />
* 70℃ の湯に20-30分程度<ref>[http://www.nihon-chouri.ac.jp/glossary/gyouko/ 卵の凝固温度【たまごのぎょうこおんど】] 日本調理アカデミー</ref>
 
== 温泉地の温泉卵 ==
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=== ラジウム玉子 ===
[[福島県]][[福島市]]の[[飯坂温泉]]の温泉卵は、この温泉で日本で初めて[[ラジウム]]の存在が確認されたことに因み、ラジウム玉子(ラヂウム玉子)と呼ばれる。[[山形県]][[米沢市]]の[[小野川温泉]]でも、温泉に[[ラジウム]]を含むことから、ラジウム玉子と呼ばれている。温泉街には、2つのラジウム玉子製造湯舟があり、ラジウム玉子つくり体験もできる。小野川温泉では、約80度の源泉を満たした湯船でラジウム玉子を作る。いずれも、土産物として人気がある。
 
=== 荒湯の温泉卵 ===
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== 食品衛生的観点 ==
調理時に中心部温度が 75℃を越えないことから[[食中毒]]を発生する可能性がある<ref>畑江敬子、「[https://doi.org/10.11402/cookeryscience.43.322 食中毒の予防]」 日本調理科学会誌 2010年 43巻 5号 p.322-325, {{doi|10.11402/cookeryscience.43.322}}</ref>。但し、日本における危険性は生卵と同程度。
 
== 脚注 ==