「日産・スカイラインセダン V37」の版間の差分

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| エンジン=[[メルセデス・ベンツ・M274エンジン|274A型]] 2.0L [[直列4気筒|直4]] [[DOHC]] [[ターボチャージャー|ターボ]]<br />VR30DDTT型 3.0L [[V型6気筒|V6]] DOHC [[直噴]]ターボ<br />[[日産・VQ35HR|VQ35HR型]] 3.5L V6 DOHC
| モーター=HM34型<br />(ハイブリッド車のみ)
| 最高出力='''274A型'''<br />155kW (211PS) /5,500rpm<br />'''VR30DDTT型'''<br />224kW (304PS) /6,400rpm<br />'''VR30DDTT型 (400R)'''<br />298kW (405PS) /6,400rpm<br />'''VQ35HR型'''<br />225kW (306PS) /6,800rpm<br />'''HM34型'''<br />50kW (68PS)
| 最大トルク='''274A型'''<br />350N·m (35.7kgf·m) /1,250 - 3,500rpm<br />'''VR30DDTT型'''<br />400N·m (40.8kgf·m) /1,600 - 5,200rpm<br />'''VR30DDTT型 (400R)'''<br />475N·m (48.4kgf·m) /6,400rpm<br />'''VQ35HR型'''<br />350N·m (35.7kgf·m) /5,000rpm<br />'''HM34型'''<br />290N·m (29.6kgf·m)
| トランスミッション=7速[[オートマチックトランスミッション|AT]]
| 駆動方式=[[後輪駆動|FR]]/[[四輪駆動|4WD]]
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== 概要 ==
[[2014年]]2月26日、スカイラインセダンはV37型へフルモデルチェンジが行われた。先代[[日産・スカイラインセダン V36|V36型]]では[[V型6気筒|V6]] 2.5LおよびV6 3.7L(2014年2月登場型は3.5L)の2種類のガソリンエンジンを搭載していたが、V37型では販売当初[[日産・Y51|Y51型]][[日産・フーガ|フーガ]]ハイブリッドや[[日産・シーマ|シーマ]]ハイブリッドと共通のVQ35HR型ガソリンエンジンとHM34型モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載するモデルのみの設定だった。同年5月28日に先代から排気量を2.0Lへ[[ダウンサイジングコンセプト|ダウンサイジング]]された[[ターボチャージャー|ターボエンジン]]を搭載したモデルが新たに設定された<ref name="pr140526">{{Cite press release|title=「スカイライン」に、ターボチャージャー付2.0Lガソリンエンジンを追加|publisher=日産自動車|date=2014-05-26|url=http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2014/_STORY/140526-01-j.html|accessdate=2014-05-26}}</ref>。V36型の2.5L車はV37型発売後も仕様変更を行った上で継続販売されていたが、2.0Lターボ車の登場に伴い2014年度にて生産終了となった。なお、4気筒エンジンの搭載は8代目・R32型「GXi」以来5世代ぶりとなる。2019年7月のビッグマイナーチェンジでターボ車がV6 3.0Lのツインターボ仕様へ換装変更されている。
 
本モデルは日産自動車の高級車ブランド「[[インフィニティ (日産自動車)|インフィニティ]]」展開地域においては[[インフィニティ・Q50]]として販売される。日本国内にはインフィニティブランドは展開していないため日産の販売店で販売されるが、V37型では2017年12月改良モデルまで、日産の[[コーポレートアイデンティティ|CI]]ではなく、輸出モデルと同様にインフィニティのCIがエンジンヘッドカバーやホイールのセンターキャップといった細部にまで装着されていた。日本向けの日産車にインフィニティのCIが装着されるのは[[インフィニティ・Q45]]以来であるが、「インフィニティ」のブランド名称は冠されず、あくまでも正式車名は'''「日産・スカイライン」'''である。しかし、各種広告において日産のCIを一切出さず「NISSAN MOTOR CORPORATION」と表記し、日産ブランドからの離脱およびインフィニティブランドへの移行をアピールした<ref>この手法は、2015年2月に販売を開始した[[日産・Y51|Y51型フーガ]]2015年2月改良型においても採られた。</ref><ref>2017年の日産公式サイトリニューアル時には、「NISSAN MOTOR CORPORATION」が外れ、「SKYLINE」のみの表記となっていた。</ref>。こういった販売手法を採った理由は、V37型スカイラインが世界基準で開発され、世界に通じる高級セダンであることをアピールするためであった<ref>新型スカイラインのすべて p.18-21</ref><ref>新型スカイライン完全ファイル pp.46-47</ref>。
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また、この販売手法が採られた背景には、スカイラインブランドの廃止が提案された役員会で、[[志賀俊之]]をはじめとした日本人幹部の「インフィニティQ50」の日本市場を含めた世界統一呼称への反対意見が大きく影響している。副社長の[[アンディ・パーマー]](当時。現・[[アストンマーティン]][[CEO]])をはじめとした外国人役員は世界統一呼称を推し進めていたが、志賀らは「ネーミングの統一は日本市場を軽視していると取られかねない」と真っ向から反論。結果、CEO(当時)の[[カルロス・ゴーン]]は日本市場に限ってQ50の基本的な意匠を変えずにスカイラインのネーミングを踏襲することに決めた<ref>[http://www.sankei.com/premium/news/141125/prm1411250001-n1.html 「スカイライン」ブランド廃止 番頭「志賀俊之」は真っ向から外国人役員に食ってかかった][[産経ニュース]]2014年11月25日(2015年4月12日 閲覧)</ref>。
 
なお、2019年7月のビッグマイナーチェンジでフロント・リアのバッジ、ホイールのセンターキャップ、本革巻ステアリングのエンブレムが日産のCIに変更された。同時に各種広告において日産のCIを出し、事実上日産ブランドへ復帰した。そして今回のマイナーチェンジの目玉として、最先端の運転支援システム「プロパイロット 2.0」が搭載された。プロパイロット2.0は、高精度な3次元の地図データ、車の周囲の状況を把握するカメラやセンサーなどによるナビゲーションシステムを連動させることで実現。ドライバーがすぐハンドルを操作できる状況にあればおいて、高速道路の同一車線上での手放し運転や前方車両の追い越しができる。ドライバーが前方から目をそらしたり、目を閉じたりした場合には警報が鳴り、目線が戻ら可能とってと緊急停止する。高速道路での車線変更や分岐への対応などほぼ自動で走行できる。
 
== パワートレーン==
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2014年5月に追加発表されたターボ車は[[ダイムラー (自動車メーカー)|ダイムラー]]より供給される274930型エンジン(2014年11月のマイナーチェンジ以降は274A型に名称変更)を搭載する。このエンジンは、[[メルセデス・ベンツ・W212|メルセデス・ベンツ・E250 W212]]などに搭載される2.0L [[メルセデス・ベンツ・M274エンジン|M274型]]と最大トルク回転域が若干異なる以外は基本的に同一スペックとなる。ただし、パワフルな運転感覚を重視したため、M274で用いられていた[[成層燃焼]]・[[リーンバーン]]ではなく、[[空燃比|ストイキ燃焼]]となり、燃費性能はM274型に劣っている<ref>[http://autoc-one.jp/nissan/skyline/newmodel-1770137/ 【解説】メルセデス製2リッターターボ搭載!日産「新型スカイラインターボ」新型車解説/渡辺陽一郎] オートックワン</ref>。排気量を4気筒の2.0Lとしながら、ターボチャージャーを組み合わせたことでハイブリッド車に搭載されているVQ35HRエンジンと同数値(350N·m)の高トルクを低回転域から発揮し、[[アイドリングストップ]]、[[直噴]]ガソリン機構、可変バルブタイミング、充電制御などを採用したことで、[[JC08モード]]燃費を先代2.5Lモデルからおよそ20%向上したで13.6km/Lとしている<ref name="pr140526" />。ただし、最高出力は先代の225PSから211PSまで低下している。トランスミッションはダイムラーから供給されるE250とほぼ共通のマニュアルモード付7速ATが組み合わせられる<ref>[http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20140527_650309.html 日産、ダイムラー製直列4気筒2.0リッターターボ搭載の「スカイライン 200GT-t」発表会] Car Watch</ref>。
 
2019年7月のマイナーチェンジでターボ車ダイムラー製の4気筒エンジンが廃止され、代わりに日本国外仕様に設定されていた自社製の3.0L V6 ツインターボエンジンであるVR30DDTT型へ換装が搭載された。最高出力はハイブリッド標準と同レベルにが304PSで最大トルク400Rハイブリッド車を上回る400N・mの高トルク405PSとなった
 
北米仕様には3.7Lガソリンエンジンモデル(後に3.0Lツインターボエンジンに変更)、欧州/韓国市場には2.2Lディーゼルエンジンモデルも存在するが、日本市場には燃費とパワーのバランスが最もいいと判断されたハイブリッドモデルが当初投入され、併売される旧型2.5Lに代わる低価格帯モデルとして2.0Lターボチャージャー付ガソリンモデルが追加投入された<ref>新型スカイライン完全ファイル pp.50-51</ref>。
 
== ボディ・シャシ ==
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タイヤには全車に[[ランフラットタイヤ]]が装着される。タイヤサイズは225/55RF17と245/40RF19の2種類がラインアップされ、17インチは[[ブリヂストン]]製のPOTENZA S001 RFTが<ref>[http://www.bridgestone.co.jp/corporate/news/2014022601.html ランフラットタイヤが「スカイライン」に新車装着] ニュースリリース | 株式会社ブリヂストン</ref>、19インチは[[住友ゴム工業]]製の[[ダンロップ]] SP SPORT MAXX 050 DSST CTTが<ref>[http://www.srigroup.co.jp/newsrelease/2014/sri/2014_028.html ダンロップの高性能ランフラットタイヤが日産自動車株式会社の「SKYLINE」に装着] 住友ゴム工業株式会社</ref>それぞれ採用される。
 
2019年7月のビッグマイナーチェンジでは、走行シーンに合わせてサスペンションの減衰力を緻密に制御し、車体の挙動を安定させることでスポーティ走行における操舵安定性や車体の揺れの低減を図るインテリジェント ダイナミックサスペンションが新たに採用(「GT Type SP」のターボ車に「スポーツパッケージ」としてメーカーオプション設定)され、ダイレクトアダプティブステアリングはステアリングの切り初めのレスポンスを向上させ、ライントレース性を高めるとともに、低速から中速での操舵の過敏さを軽減しつつ、応答性を向上したことで繊細な修正舵への過敏性を抑制する改良が施された。
 
== デザイン ==
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2017年12月のマイナーチェンジでは、アンビエントライトシステムを「Type P」・「Type SP」にメーカーオプション設定された。
 
2019年7月のビッグマイナーチェンジでターボ車・ハイブリッド車(2WD・4WD共)統一のグレード体系となり200GT-t/350GT HYBRID/350GT FOUR HYBRIDは「GT」に、200GT-t Type P/350GT HYBRID Type P/350GT FOUR HYBRID Type Pは「GT Type P」に、200GT-t Type SP/350GT HYBRID Type SP/350GT FOUR HYBRID Type SPは「GT Type SP」にそれぞれ名称変更された。そして、

ハイブリッド車には運転支援技術「プロパイロット 2.0」が標準装備された。本システムは3D高精度地図データを搭載したインテリジェント[[高速道路]]ルート走行を行う機能で、標準装備されているナビゲーションシステムで目的地を設定し、[[高速道路]]の本線に合流するとナビ連行ルート走行を開始することが可能で、ナビゲーションと周囲の360度センシング情報に基づき、ルート走行中の分岐や追い越しのための車線変更の適切なタイミングをシステムが判断してドライバーに提案し、ドライバーがハンドルに手を添えスイッチ操作で承認することで車線変更支援を開始することが可能である。また、高速道路の本線走行中において、'''ドライバーが常に前方に注意して道路・交通・車両に応じて直ちにハンドルを操作できる状態に限り'''において、同一車線内のハンズオフが可能となった(なお、ハンズオフには条件があり、ハンズオフ不可の区間に入る場合には事前にシステムがドライバーに通知されるので、ドライバーはハンドル操作を行う必要がある。また、本機能を使うには、NissanConnectサービス『新型スカイライン ハイブリッド専用「プロパイロットプラン」』への入会が必要である)。併せて、日本国内の日産車では初採用となるヘッドアップディスプレイやアドバンスドドライブアシストディスプレイも装備される。
 
'''GT'''
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'''GT Type SP'''
<br />スポーツフロントバンパー、パドルシフト、アルミペダルなどを追加し、タイヤ・ホイールのサイズを19インチにアップしたスポーティ仕様のグレード。ターボ車はフィニッシャーが本アルミとなる。
 
'''400R'''
:<br 同時に、ターボ車には特別/>VR30DDTT型エンジンの405PS仕様車「400R」も設定されたを搭載するグレード「GT 装備内容は基本的にType SP」のターボ車をベース準ずる。VR30DDTT型に専用チューンが施され、日本国内の日産車では初採用となるターボ回転センサーを用いてターボの回転領域限界まで使い切ることが可能となり、最高出力を298kW (405PS) /6,400rpmに、最大トルクを475N·m (48.4kgf·m) /1,600-5,200rpmにそれぞれ向上された。外観はリア右上に「400R」のグレードバッジが装着され、ドアミラーをブラックに、19インチアルミホイールをガンメタ塗装にそれぞれ変更。内装はパドルシフトがクロームメッキ+ダーククリアー塗装に、本革巻ステアリング&シフトノブにレッドステッチが施されたほか、ベース車では「スポーツパッケージ」としてメーカーオプション設定されている運転席/助手席パワーシート、運転席シートバックサイドサポート、運転席/助手席サイサポートエクステンション、インテリジェント ダイナミックサスペンション(電子制御ショックアブソーバー)及びリア可倒式シート(6:4分割)が特別装備される。本革スポーツシートは「400R」専用にダイヤキルティング/レッドステッチ仕様となり、ブレーキは「スポーツパッケージ」のスポーツブレーキ(フロント&リア)ではなく、4輪アルミレッドキャリパー対向ピストンブレーキとなる。
 
== 年表 ==
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: 前述のデザインの変更に加えてボディカラーも一部変更されており、メーカーオプション設定の茶系色を「プレミアムブラウンメタリック」に替わり、「インペリアルアンバーパール」が新たに設定された。
; 2019年7月16日
: ビッグマイナーチェンジが発表された(9月発売開始)<ref>{{Cite press release|title=日産、世界初の先進運転支援技術「プロパイロット 2.0」を搭載した新型「スカイライン」を発表|publisher=日産自動車|date=2019-07-16|url=https://newsroom.nissan-global.com/releases/190716-01-j?lang=ja-JP|accessdate=2019-07-16}}</ref>。
: ビッグマイナーチェンジに伴ってボディカラーが追加され、「GT Type SP」専用色として「カーマインレッドカラークリアーメタリック(オプションカラー)」が設定された。
: 同時に、ターボ車には特別仕様車「400R」も設定された。「GT Type SP」のターボ車をベースに、VR30DDTT型に専用チューンが施され、日本国内の日産車では初採用となるターボ回転センサーを用いてターボの回転領域限界まで使い切ることが可能となり、最高出力を298kW (405PS)/6,400rpmに、最大トルクを475N・m (48.4kgf・m)/1,600-5,200rpmにそれぞれ向上された。外観はリア右上に「400R」のグレードバッジが装着され、ドアミラーをブラックに、19インチアルミホイールをガンメタ塗装にそれぞれ変更。内装はパドルシフトがクロームメッキ+ダーククリアー塗装に、本革巻ステアリング&シフトノブにレッドステッチが施されたほか、ベース車では「スポーツパッケージ」としてメーカーオプション設定されている運転席/助手席パワーシート、運転席シートバックサイドサポート、運転席/助手席サイサポートエクステンション、インテリジェント ダイナミックサスペンション(電子制御ショックアブソーバー)及びリア可倒式シート(6:4分割)が特別装備される。本革スポーツシートは「400R」専用にダイヤキルティング/レッドステッチ仕様となり、ブレーキは「スポーツパッケージ」のスポーツブレーキ(フロント&リア)ではなく、4輪アルミレッドキャリパー対向ピストンブレーキとなる。
 
== 出典 ==