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{{Infobox Anatomy |
| Name = 胃粘膜 |
| Latin = tunica mucosa gastris |
| GraySubject = 247 |
| GrayPage = 1166 |
Image = Illu stomach layers.jpg
|Caption = '''胃粘膜'''の層<BR>1.[[漿膜]] [[:en:Serosa]]<BR>2. [[漿膜下組織]] [[:en:Tela subserosa]]<BR>3. [[筋層]] [[:en:Muscularis]]<BR>4. 筋層の斜線維 [[:en:Oblique fibers of muscle wall]]<BR>5.[[環状筋]] [[:en:Muscular coat|Circular muscle layer]]<BR>6.[[縦走筋]] [[:en:Muscular coat|Longitudinal muscle layer]]<BR>7.[[粘膜下層]] [[:en:Submucosa]]<BR>8.[[粘膜筋板]] Lamina [[:en:muscularis mucosae]]<BR>9.[[粘膜]] [[:en:Mucosa]]<BR>10.[[粘膜固有層]] [[:en:Lamina propria]]<BR>11.[[上皮細胞]] [[:en:Epithelium]]<BR>12.[[胃腺]] [[:en:Gastric glands]]<BR>13. [[胃小窩]] [[:en:Gastric pits]]<BR>14.[[絨毛]][[ひだ]] [[:en:Villous folds]]<BR>15.胃周辺 Gastric areas(胃表面 gastric surface)
| Image2 = Gray1053.png |
| Caption2 ='''噴門近辺ヒト'''胃粘膜'''断面図'''( c. [[噴門腺]]、 d. 管、 cr. [[杯細胞]]と[[腸腺]]に似た[[腺]]、 mm. [[粘膜]]、 m. [[粘膜筋板]]、 m’. 粘膜中の筋組織) |
| Precursor = |
| System = |
| Artery = |
| Vein = |
| Nerve = |
| Lymph = |
| MeshName = |
| MeshNumber = |
| DorlandsPre = t_22 |
| DorlandsSuf = 12831946 |
}}
[[Image:Control-of-stomach-acid-sec.png|thumb|300px|胃酸分泌のコントロール。]]
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== 粘膜の微細構造と胃腺 ==
[[]]の壁は、3層構造をしている。胃の壁を胃壁と言う。胃壁は内側から粘膜層、[[粘膜下層]]、[[筋層]]、から成る。筋層の外側は[[漿膜]]である[[腹膜]]で覆われている。
 
粘膜には、胃小窩と呼ばれる微細な穴が無数に並んでいる。胃小窩の底には、胃腺([[胃底腺]])とよばれる管状の[[分泌腺]]が開口し、この腺が粘膜の最下層までのびている。胃底腺を構成する主な[[細胞]]は以下のとおりである。
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* [[壁細胞]]
* [[主細胞]]
この分泌腺からは、主に、[[塩酸]]と消化[[酵素]]の前駆体である[[ペプシン|ペプシノーゲン]]が[[分泌]]される([[胃液]])。胃腺の細胞のうち、[[壁細胞]](傍細胞)は[[塩酸]]や[[コバラミン]]の吸収に関わる[[内因子]]を分泌する。主細胞は[[ペプシン]]の前駆体であるペプシノーゲンを分泌する。ペプシノーゲンは、塩酸に会うと分解され、活性型のペプシンに変化する。
 
胃の[[幽門]]前庭部に存在するG細胞からは胃の[[消化]]活動を活発化させる[[ホルモン]]である[[ガストリン]]が[[内分泌]]される。
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== 胃と胃液 ==
強酸性の[[胃液]]が胃を自ら消化してしまわないのは、胃が粘膜で覆われているからであるが、それだけではない。胃液を中和する重曹も生成されている。また常に[[プロスタグランジン]]という活性物質の働きで細胞増殖を活発にして胃壁の損傷を最小限に抑えている。しかしストレスなどで副交感神経のバランスが崩れたりすると、胃液や消化酵素のコントロールが効かず自分自身を消化してしまう、つまり胃に穴が開く状態である「[[胃潰瘍]]」を引き起こす。
 
== 胃のクロム親和性細胞 ==
胃においてクロム親和性の染色像を示す細胞群が見られ、これらはそれぞれ[[クロム親和性細胞]]({{lang-en-short|Enterochromaffin Cells}}、EC細胞)及びクロム親和性細胞様細胞({{lang-en-short|Enterochromaffin-like Cells}}、ECL細胞)と呼ばれる。EC細胞は胃腸における[[オータコイド]]である[[セロトニン]]の産生に関与している。またECL細胞は顆粒内にセロトニンは含有せず[[ヒスタミン]]を貯蔵し、[[胃酸]]の分泌に関与している。
胃のECL細胞は胃粘膜表面積の1~3%を占める<ref>Prinz C, Zanner R, Gerhard M, Mahr S and Neumayer N (1999) "The mechanism of histamine secretion from gastric enterochromaffin-like cells." ''Am. J. Physiol. Cell. Physiol.'','''277''',845-855. PMID 10905856</ref>。[[アセチルコリン]]及び胃幽門部[[上皮]]に存在する[[G細胞]]により分泌された[[ガストリン]]の刺激により[[ヒスタミン]]を分泌する。ヒスタミンは胃酸分泌において最も重要な因子であると考えられており<ref>Hersey SJ, and Sachs G(1995)"Gastric acid secretion." ''Physiol. Rev.'''''75''',155-189. PMID 7831396</ref>、ECL細胞の細胞質に存在するヒスチジン脱炭酸酵素(英:Histidine Decarboxylase、HDC)によって産生される。ヒスタミンの分泌小胞への蓄積は2型小胞モノアミン輸送体(英:Vesicular Monoamine Transporter Subtype 2、VMAT2)を介したH<sup>+</sup>-ヒスタミンの対向輸送により行われ、その駆動力となるのがV型[[ATPアーゼ]]によって作られるH<sup>+</sup>濃度勾配である。ヒスタミンが[[壁細胞]]上の2型[[ヒスタミン#受容体|ヒスタミン受容体]](H<sub>2</sub>受容体)に結合することにより、胃酸の分泌を引き起こされる。
 
== 萎縮性胃炎 ==
[[Image:Gastric adenocarcinoma.jpg|300px|right|thumb|胃の洞の腸上皮化生(写真中央上)と胃の腺癌(写真左中央)。[[H&E染色]]。]]
 
{{Infobox_Disease |
| Name = 萎縮性胃炎|
| Image = |
| Caption = |
| DiseasesDB = 29503 |
| ICD10 = {{ICD10|K|29|4|k|20}} |
| ICD9 = {{ICD9|535.1}} |
| ICDO = |
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| MedlinePlus = |
| eMedicineSubj = med |
| eMedicineTopic = 851 |
| MeshID = D005757 |
}}
[[萎縮性胃炎]](いしゅくせいいえん、[[英]]: Atrophic gastritis)とは、[[腸上皮化生]]のような腸又は線維組織によって胃組織の置換が起こり、胃[[腺細胞]]の減少をもたらす、'''胃粘膜'''の慢性炎症の過程をいう(A型及びB型胃炎として知られている)。[[塩酸]][[ペプシン]][[内因子]]のような基本的な物質の胃での分泌が結果的に障害を起こし、消化器系の疾患、[[ビタミンB12]]欠乏と[[悪性貧血]]である[[巨赤芽球性貧血]]をもたらす。
 
胃粘膜が萎縮することでビタミンB12の吸収に必要な内因子が低下するためにDNAの合成が障害され異常な[[巨赤芽球]]ができるために[[悪性貧血]]が起こる。内因子の欠乏は他にも胃全摘後などにも起こるが、悪性貧血と呼ばれるのは萎縮性胃炎によるものだけである。「悪性」と呼ばれるのはビタミンB12が発見されるまでは治療法がなく致死的な経過をたどったため。
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萎縮性胃炎は、[[ヘリコバクター・ピロリ]]の慢性的感染や生まれ持った[[自己免疫]]によって引き起こされる。自己免疫性萎縮性胃炎を含むこれらの疾患は、統計的には、[[胃癌]]や甲状腺疾患である[[橋本病]]や塩酸欠乏症を引き起こす。
 
A型[[胃炎]]は、胃底部や胃体部に影響を及ぼし、一般に悪性貧血を伴うものである。
 
B型胃炎は、全体的に最も一般的であり、一般的にはヘリコバクター・ピロリに感染して、胃に洞を形成するものである。
 
== 脚注 ==
{{Reflist}}
<references />
 
== 関連項目 ==