「大日如来」の版間の差分

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== 概説 ==
「[[無相]]の[[法身]]と無二無別なり(姿・[[形]]の無い[[永遠]][[不滅]]の[[真理]]そのものと不可分である)」<ref name="bukkyou" />という[[如来]]の一尊。大日如来は通常[[宇宙]]に悟りの境地そのものでまねく広が点では[[超越法身]]者だが万物色も形もなく、説法もしない共に在され点でが、大日如来[[内在]]者法身である<ref りながら説法を行うという{{refnest|name="sekaiニッポニカ"|吉田宏晢[https://kotobank.jp/word/%E5%A4%A7%E6%97%A5%E5%A6%82%E6%9D%A5-91806#E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E5.85.A8.E6.9B.B8.28.E3.83.8B.E3.83.83.E3.83.9D.E3.83.8B.E3.82.AB.29 />。'''全一者'''であり、万物を生成化育することで自己を現成し、「大日如来の広」 - 日本無辺な[[慈悲百科全書(ニッポニカ)]]は万物の上に光被してや、小学館。}}。ないとさた、そる<ref name="sekai" />。[[三世]]([[過去]]・[[現在]]・[[未来]][[世]]・[[現世]]・[[来世]])にわたって常に[[説法]]しているとも説かれる<ref>Encyclopædia Britannica, Inc. 『[[ブリタニカ国際大百科事典]] 小項目電子辞書版』 ブリタニカ・ジャパン株式会社、2009年、「大日如来」。</ref>。
大日如来の「智」の面を表したのが[[金剛界]]の大日如来であり、「理」の面を表したのが[[胎蔵界]]の大日如来であるとされ{{sfn|総合仏教大辞典|1988|p=948-949}}、この金剛界の智法身と、胎蔵界の理法身は一体不可分であるとされる{{refnest|name="精選版_日本国語大辞典_大日如来"|[https://kotobank.jp/word/%E5%A4%A7%E6%97%A5%E5%A6%82%E6%9D%A5-91806#E7.B2.BE.E9.81.B8.E7.89.88.20.E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.9B.BD.E8.AA.9E.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E5.85.B8 「大日如来」 - 精選版 日本国語大辞典]、小学館。}}。
 
大日如来の智徳の面を表したのが[[金剛界]]の大日如来であり、智拳印を結んで周囲に[[阿しゅく如来|阿閦如来]]、[[宝生如来]]、[[阿弥陀如来]]、[[不空成就如来]]の四仏を置く{{sfn|総合仏教大辞典|1988|p=948-949}}。これを[[金剛界五仏]]という{{sfn|総合仏教大辞典|1988|p=948-949}}。また、大日如来の理徳の面を表したのが[[胎蔵界]]の大日如来であり、[[中台八葉院]]の中央に位して法界定印を結ぶ{{sfn|総合仏教大辞典|1988|p=948-949}}。[[東密]]では、[[顕教]]の[[釈迦如来]]と大日を別体としているが、[[台密]]では同体としている{{sfn|総合仏教大辞典|1988|p=948-949}}。
 
== 日本 ==
日本では[[平安時代]]に浸透した密教において最高仏として位置づけられ、大日信仰が成立した{{要出典|date=2017年11月2日 (木) 12:55 (UTC)|title=}}。日本密教では、[[両界曼荼羅]]([[金剛界曼荼羅]]・[[胎蔵曼荼羅]])の主尊とされ、さらには[[虚空]]にあまねく存在するという[[真言密教]]の教主<ref name="bukkyou">『望月 佛教大辞典 4 増訂版』(世界聖典刊行協会)、3343-3344頁。</ref>、「[[wikt:万物|万物]]の慈母」<ref>『明鏡国語辞典』([[大修館書店]])、「大日如来」。</ref>、「万物を[[wikt:総|総]][[wikt:該|該]]した[[無限]][[宇宙]]の[[全一]]」<ref name="sekai">[[林達夫]]他 『世界大百科事典 19』 [[平凡社]] 、1972年、163頁。</ref>とされる[[汎神論]]的な仏<ref name="M">{{要追加記述範囲|『密教曼荼羅』([[新紀元社]])。|date=2017-11-02|title=ページ番号が記入されてないので、分かる方はご記入下さい。}}</ref>。声字実相を突き詰めると、[[全]]ての宇宙は大日如来たる[[阿字観|阿字]]に集約され、阿字の一字から全てが流出しているという<ref name="meigen">[[奈良康明]] 『仏教名言辞典』 [[東京書籍]]、1989年、568頁。</ref>とされる。また、[[神仏習合]]の解釈では'''[[天照大神]]'''(大日孁貴)と同一視もされる{{要出典|date=2017年11月2日 (木) 12:55 (UTC)|title=}}。
 
=== 富士における大日信仰 ===
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と述べている。
 
== 西洋思想との関連性 ==
思想家である[[林達夫]]他の『世界大百科事典 19』によれば、大日如来は、この[[宇宙]]にあまねく広がる点では[[超越]]者だが、万物と共に在る点では[[内在]]者とされ<ref name="sekai">[[林達夫]]他 『世界大百科事典 19』 [[平凡社]] 、1972年、163頁。</ref>、「万物を[[wikt:総|総]][[wikt:該|該]]した[[無限]][[宇宙]]の[[全一]]」<ref name="sekai" />、全一者であり、万物を生成化育することで自己を現成し、如来の広大無辺な[[慈悲]]は万物の上に光被してやまないとされる<ref name="sekai" />という。
== 脚注 ==
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