「タッピング奏法」の版間の差分

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Angeltensi (会話 | 投稿記録)
ハーヴェイ・マンデルに出典
ヴィットリオ・カマーデスにreference
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{{複数の問題|出典の明記=2015年8月20日 (木) 09:44 (UTC)|独自研究=2015年8月20日 (木) 09:44 (UTC)}}
{{Redirectlist|タッピング|ブラキシズムの分類の1つ|ブラキシズム#分類|通信におけるタッピング|盗聴}}
[[Image:Tapping guitar.jpg|thumb|タッピング奏法]]
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== 概要 ==
ギターには[[フィンガリング]]を行う指で弦を指板に叩き突けるように勢い良く押下する[[ハンマリング・オン]]と、押弦している指を弦に引っ掻けるようにして離脱させる事で発音させる[[プリング・オフ]]の2つの奏法がある。基本的にこの2つを間断なく繰り返して2音を反復することを[[トリル|トリル奏法]]と呼ぶ。そしてこのトリル奏法を拡張したのがタッピング奏法である。イタリア人のヴィットリオ・カマーデスは、タッピング奏法をイタリアのテレビで披露したことがある<ref>{{Citation|last=Roberto Angelini Official Page|title=Vittorio Camardese ospite a "Chitarra Amore Mio" (RAI-1965) LA NASCITA DEL TAPPING|date=2013-07-02|url=https://www.youtube.com/watch?v=UmTQYquqxSY|access-date=2018-08-11}}</ref>
 
=== *片手タッピング ===
2音間に留まらず、3音以上の旋律をハンマリングとプリングで行う奏法。[[レガート]]な音になるため、ピッキング奏法と合わせて[[速弾き]]に表情を付けられる。
 
=== *両手タッピング ===
両手タッピングは上述のトリル奏法を拡張したもので、文字通り両手でハンマリングとプリングを行う奏法。この奏法により指板を広く使う音域の広い旋律を演奏できるようになり、[[鍵盤楽器]]向けの楽曲もギターで演奏できるようになる。この奏法を[[スタンリー・ジョーダン]]の言葉の通りに"タッチスタイル"と呼び習わすこと多い。
 
両手タッピングという奏法自体は古くから存在し、ギターメーカーの[[グレッチ]]社に在籍していたギターデザイナーであり、ジャズ・ギタリストである[[ジミー・ウェブスター]]によって既に[[1950年代]]に確立され、彼は教則本まで執筆した。しかしこの奏法が一般に受け入れられるまでは20年以上の時間を要した。[[チャップマン・スティック]]の演奏はこの奏法が基本となっている
 
[[チャップマン・スティック]]の演奏はこの奏法が基本となっている。
 
== 歴史 ==
[[Image:Erik Mongrain.jpg|thumb|[[エリック・モングレイン]]のラップタッピング]]
「ライトハンド奏法」は日本独自の呼称であり、これをさして現在ではタッピングという定義が一般的である。タッピングの歴史は古く、戦前には早くもジャズ・ギタリストのロイ・スメックがタッピング奏法を披露していた。戦後は50年代にジャズ・ギタリスト、バーニー・ケッセルもタッピングを試みた。ロックの時代となった60年代にはキャンド・ヒートのハーベイ・マンデル<ref>http://harveymandel.com/</ref>や、ディープ・パープルのリッチー・ブラックモアが、タッピング奏法を見せていた<ref>{{Cite web|url=http://www.thehighwaystar.com/interviews/blackmore/rb199102xx.html|title=Ritchie Blackmore, Interviews|website=www.thehighwaystar.com|access-date=2018-08-11}}</ref>。 [[エドワード・ヴァン・ヘイレン]](以下アレックス・ヴァン・ヘイレンとの混同を避けるため「エディ」と表記する。)が日本のテレビ出演した際、「'''ライトハンド奏法の披露見せてください'''」といわ求められ右手のオルタネイトピッキング奏法を披露した。これがライトハンド奏法として、ギター雑誌等で紹介されたため「、タッピング奏法をライトハンド奏法」は[[ヴァン・ヘイレン]]のエディが作った奏法という説呼ぶ誤使用流布してしまことになった。
 
しかしそれ以前に、[[ジェネシス (バンド)|ジェネシス]]の[[スティーヴ・ハケット]]が既にタッピングによる奏法を行っており、[[クイーン (バンド)|クイーン]]の[[ブライアン・メイ]]も右手で[[ハーモニクス]]・ポイントに触れて[[倍音]]を出す[[フラジオレット#タッチ・ハーモニクス|タッチ・ハーモニクス奏法]](「タッチ・ハーモニクス奏法」もエディの発明とされるのは虚偽である(この奏法はクラシックギターの技法で[[フラジオレット]]と呼ばれるものと同じとみられる))と併せて行なっていたり、[[ゴング (バンド)|ゴング]]時代から[[アラン・ホールズワース]]も行なっていた。また[[ZZトップ|ZZ TOP]]のビリー・ギボンズもタッピング奏法をおこなっており、スティーヴ・ハケットもジェネシスの[[1971年]]のアルバム『[[怪奇骨董音楽箱]]』(The Musical Box及びThe Return of the Giant Hogweed)において演奏している(当時の映像からも確認できる)ので、一概に誰が最初に演奏したかを決めるのは難しいと思われる。
また、ジャズ・ギターではタッチと呼ばれて比較的よく使われる技法でもあった(タッチ自体はトリルに応用されるテクニックではない)。エディはホールズワースのフォロワーであり、時期的にもハケット、メイ、ホールズワースが音楽活動をし始めたのが[[1970年代]]前半、ヴァン・ヘイレンがデビューするのが1970年代後半であり、ホールズワースから[[インスパイア]]されてエディが演奏したということが考えられる
 
左手とともに右手も押弦に使用することは誰でも思い付き得ることで、以前に誰かが思い付いて実行していたと考えてもよい。ライトハンド奏法が独立した奏法として扱われるに至った理由はいくつか考えられる。主なものは弦の太さと[[特別:Search/ディストーション|ディストーション・サウンド]]の普及である。
 
左手とともに右手も押弦に使用することは誰でも思い付き得ることで、以前に誰かが思い付いて実行していたと考えてもよい。ライトハンド奏法が独立した奏法として扱われるに至った理由はいくつか考えられる。主なものは弦の太さと[[特別:Search/ディストーション|ディストーション・サウンド]]の普及であなどが考えられる。
エレクトリックギターに於いてはライトゲージと呼ばれる細めの弦が好んで用いられる。[[ジミ・ヘンドリックス]]、[[エリック・クラプトン]]登場以来ロック・ギターに於いては[[チョーキング]]を多用するのが当たり前となったことで、よりチョーキングのしやすい細い弦が好まれるようになっていたと見られる。しかし半音下げチューニングでトーンの変更、張力のドロップは行っていたようでこのようなセッティングは後のブルース系ギタリストの標準となる。もしくは以前からこのようなスタイルが存在していたということも考慮に入れられるだろう)。実際、今でもチョーキングをあまりしないオーソドックスなジャズ・ミュージシャンの多くは太いゲージの弦を使っている。これは、歪ませないギター・サウンドに於いてはその方がコードバッキングの際にリッチなサウンドになるからである。一方[[フォークギター]]や[[クラシックギター]]は太い弦を用いるのが普通であり、特にフォークギターは張力も強いため指板上で指を叩き付ける程度の力では大きな音を出しにくい。
 
エレクトリックギターに於いてはライトゲージと呼ばれる細めの弦が好んで用いられる。[[ジミ・ヘンドリックス]]、[[エリック・クラプトン]]登場以来ロック・ギターに於いては[[チョーキング]]を多用するのが当たり前となったことで、よりチョーキングのしやすい細い弦が好まれるようになっていたと見られる。しかし半音下げチューニングでトーンの変更、張力のドロップは行っていたようでこのようなセッティングは後のブルース系ギタリストの標準となる。もしくは以前からこのようなスタイルが存在していたということも考慮に入れられるだろう)。実際、今でもチョーキングをあまりしないオーソドックスなジャズ・ミュージシャンの多くは太いゲージの弦を使っている。これは、歪ませないギター・サウンドに於いてはその方がコードバッキングの際にリッチなサウンドになるからである。一方[[フォークギター]]や[[クラシックギター]]は太い弦を用いるのが普通であり、特にフォークギターは張力も強いため指板上で指を叩き付ける程度の力では大きな音を出しにくい。エレキ・ギターは、強く歪ませると小さな音でも拾われやすいためピッキングとハンマリング・プリングの音量差が出にくくなり、奏法として使いやすくなる
また同じくヘンドリックス、クラプトンらによって「ロック・ギター=[[特別:Search/ディストーション|ディストーション・サウンド]]」という定式が確立された事も影響していると思われる。強く歪ませると小さな音でも拾われやすいためピッキングとハンマリング・プリングの音量差が出にくくなり、奏法として使いやすくなる。
 
両手の親指を除く全ての指を用いて鍵盤楽器のようにタッピングを行う両手タッピングについては、[[1960年代]]後半に考案されていたチャップマン・スティックが楽器としては元祖であり、奏法自体は1950年代に前述したウェブスターによって既に完成していた。それをスタンリー・ジョーダンなどがギター奏法に置き換えたものである。
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== 関連項目 ==
* [[スラップ奏法]]
* [[フィンガー・ピッキング]]
* [[演奏記号]]
* [[速弾き]]