「ヘブライ語」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
129行目:
古代のヘブライ語の正確な音声については不明な点が多い。古ヘブライ文字およびヘブライ文字は22の子音字から構成されるが、実際には1つの文字が複数の音を表していた可能性がある。おそらく[[紀元前1千年紀]]のヘブライ語には少なくとも25の子音があって、{{lang|he|ח}}は{{IPA|ħ, x}}、{{lang|he|ע}}は{{IPA|ʕ, ɣ}}、{{lang|he|ש}}は{{IPA|ʃ, ɬ}}の2種類の音を表していた<ref>Goerwitz (1996) p.487</ref>。このうちティベリア式発音で区別が保たれているのは{{lang|he|ש}}だけだが、発音は{{IPA|ʃ, s}}の2種類となり、後者は{{lang|he|ס}}と同音になる。
 
ティベリア式発音ではまた6つの破裂音(p b t d k g)につは、[[長子音|重子音]]の場合を除いて母音の後で摩擦音化した発音({{unicode|p̄ ḇ ṯ ḏ ḵ ḡ}})を認めるが、現代語では{{unicode|p̄ ḇ ḵ}}がそれぞれ{{IPA|f v x}}と発音されるだけで、他の{{unicode|ṯ ḏ ḡ}}は{{unicode|t d g}}と区別されない。また、{{IPA|v}}は{{lang|he|ו}}、{{IPA|x}}は{{lang|he|ח}}と同音になる<ref name="b1">Berman (1997) p.314</ref><ref>キリスト聖書塾(1985) p.28</ref>。
 
現代ヘブライ語ではセム語に特有の[[強勢音]]が消滅し、{{lang|he|ט}}({{unicode|ṭ}})は{{IPA|t}}、{{lang|he|צ}}(ṣ)は{{IPA|ts}}、{{lang|he|ק}}(q)は{{IPA|k}}と発音される。また{{lang|he|ע}}({{unicode|ʿ}})は{{lang|he|א}}({{unicode|ʾ}})と同音の{{IPA|ʔ}}として発音されるか、または無音になる<ref name="b1"/>。
 
借用語のために現代ヘブライ語には新しい音素{{lang|he|צ׳}}({{IPA|tʃ}})、{{lang|he|ג׳‎}}({{IPA|dʒ}})、{{lang|he|ז׳}}({{IPA|ʒ}})が存在する<ref>キリスト聖書塾(1985) p.12,14,16</ref>。
 
現代ヘブライ語では重子音は消滅している。また古代ヘブライ語と異なり、音節頭に[[子音連結]]が出現することがある<ref>Berman (1997) p.316</ref>。
 
{|class="wikitable"