「PSYCHO-PASS サイコパス」の版間の差分

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このほか、[[2015年]]1月には映画『'''劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス'''』が公開され、[[2019年]]には劇場版三部作として『'''PSYCHO-PASS サイコパス | SS (Sinners of the System)'''』が連続公開された<ref name="FP19018">{{Cite web |date=2019-01-18 |url =https://www.fashion-press.net/news/38032 |title =『PSYCHO-PASS サイコパス』新劇場版3作品公開へ - 霜月×宜野座、須郷×征陸、狡噛に焦点 |work=FASHION PRESS |publisher =ファッションプレス編集部 |accessdate =2019-01-22 }}</ref>。
 
== 設定 ==
=== 用語 ===
; {{Anchor|サイコパス}}(PSYCHO-PASS)
: 本作のタイトルにもなっている、人間の精神状態を科学的に分析して数値化したデータ。反社会人格障害を指す[[サイコパス]](psychopath)のことではなく、本作独自の造語で「精神の証明書」(psycho-pass)を意味する。作中の社会では、市民はサイコパスを計測したうえで日々の生活を送っており、データは公的に記録・管理されている。精神を理想的な状態に保つための[[メンタルケア]]が普及しており、各自の適性や嗜好・能力に合わせた情報が事前に明示されるため、運や選択ミスに左右されない最適で幸福な人生を送れる社会が実現したとされている<ref name="keyword">{{Cite web |url = http://psycho-pass.com/story/#keyword |title = KEYWORD |publisher = TVアニメ「サイコパス」公式サイト |accessdate = 2012-12-21 }}</ref>。
; {{Anchor|シビュラシステム}}
: 物語開始の30年ほど前に導入された<ref>漫画版『監視官 常守朱』より。</ref>、サイマティックスキャンによって計測した生体力場から市民の精神状態を科学的に分析し、そこから得られるデータをサイコパスとして数値化したあと、導かれた[[深層心理学|深層心理]]から職業適性や欲求実現のための手段などを提供する、包括的生涯福祉支援システム。この時代の厚生省が管轄しており、運用理念は「成しうる者が為すべきを為す。これこそシビュラが人類にもたらした恩寵である。」。システムは常時サイコパスや職業適性の判定など、膨大な[[タスク]]を行っている。多くの市民には肯定的に受け入れられているが<ref name="keyword"/><ref name="winter"/>、不満を抱いてシステムの打倒を目指し、レジスタンスとして反社会活動を行う者も現れている<ref name="tv-anime-12" />。
: 大量の[[スーパーコンピューター]]の[[並列分散処理]]とだけ公表されているが、実態はさらにその上位機関として、他者に不必要な共感をせずに俯瞰して判断できるイレギュラーな傾向を持つとされた[[#免罪体質者|免罪体質者]]などの人間の生体脳をユニット化して思考力と機能を拡張し、より膨大で深化した計算処理を可能にしたシステムである。1期時点では247名の脳のうち、常時200名ほどが順番に接続・通信・統合されて稼働している。コンピューターなどの通常の機械プログラムではストレス計測の[[#色相|色相]]判定レベルが算出の限界であり、[[#犯罪係数|犯罪係数]]などの複雑な人間の精神や心理に関わる計測は、脳ユニット機関が担当していた<ref name="tv-anime-17" />。生体脳をコンピューター化する技術は物語開始の50年前に実用化されており、脳ユニットの集合体としてのシビュラの総意がそのときどきに管理を逸脱し、サイコパスを計測できない免罪体質者の脳を取り込んでいくことで、さらに高度に拡張してきたとされている<ref name="tv-anime-17" /><ref name="tv-anime-20" />。
: 公安局局長の[[#禾生|禾生]]のように、各省庁の長など高級官僚たちの身体も、構成員のユニット脳が交代で使用する義体となっている<ref name="profilingphase02"/>。
; {{Anchor|犯罪係数}}(はんざいけいすう)
: シビュラシステムによって数値化された[[パラメータ]]の1つで、犯罪者になる危険性を表した数値。上昇した犯罪係数は、セラピーによって下げることのできる数値に限界があるとされており<ref name="winter"/>、数値が一定の基準を超えて回復しない者は、犯罪を犯す以前に「潜在犯」と呼ばれる犯罪者として扱われ、社会から実質的に排除・隔離される。
: 犯罪係数の数値化においては過去のさまざまな犯罪者の思考パターンの蓄積データに基づいた解析が行われており、これをリアルタイムで解析・計測できる機器はシビュラシステムに直結したドミネーターだけである<ref name="febri">「PSYCHO-PASS サイコパス ワールドアナライズ:塩谷直義監督インタビュー」『Febri Vol. 15』[[一迅社]]、2013年2月。</ref>。
; {{Anchor|潜在犯}}(せんざいはん)
: サイコパスにおける犯罪係数が規定値を超える者は潜在犯として認定され、社会から隔離・治療・排除の対象となる。犯罪係数を下げるセラピーや投薬治療が存在するが、規定値超えが継続的であったり、更生の見込み無しと判断される場合もあるため、潜在犯として認定された時点で人生の終わりと考える者も存在する<ref name="tv-anime-01" />。犯罪係数の遺伝子との因果関係は、いまだに解明されていない。
: 矯正保護施設は更生の見込みのある者は潜在犯更生施設で治療を受け<ref name="tv-anime-12" />、犯罪係数300以上の重篤な者は潜在犯隔離施設に収容されることになる。1期第8話に登場した'''足利紘一'''(あしかが こういち/声 - [[三宅健太]])も収容中の重篤潜在犯として、狡噛に情報を与えている<ref name="tv-anime-08" /><ref name="profilingphase02"/>。
; {{Anchor|[[色相]]}}(しきそう)
: サイコパスのごく表層的な[[指標|バロメーター]]。生体反応の計測値が、「色」として視覚化されている。心理状態が健全だと澄んでいる色だが、ストレス過多や悲観的な思考によって悪化すると濁っていく。大衆の多くが、日常的なメンタルケアの指標としている。街頭や日常生活では色相の簡易スキャンのみが行われている。
; {{Anchor|ドミネーター}}
: 音声 - [[日高のり子]]
: 有事の際に監視官と執行官だけが携帯・使用可能な大型[[拳銃]]状の装置。正式名称は「携帯型心理診断・鎮圧執行システム・ドミネーター<ref name="tv-anime-01" /><ref name="tamasi">{{Cite web |url =http://tamashii.jp/special/psycho-pass/ |title = ドミネーター (PSYCHO-PASS サイコパス) |publisher =魂ウェブ |accessdate =2014-10-01 }}</ref>」。
: 銃把が茶色でそれ以外は黒一色。側面には複数の発光部があり、銃の状態を示している。[[網膜スキャン|眼球スキャン]]などによる[[生体認証]]機能により、使用登録されていない場合は[[トリガー (銃)|トリガー]]がロックされ、発砲できなくなる<ref name="tv-anime-01" />。現場までは厳重な専用の「運搬ドローン」で運ばれる。シビュラシステムに[[割り込み (コンピュータ)|割り込み]]を掛けられる優先的リンクが確立されており<ref name="tv-anime-02" />、被疑者や対象に照準を向けることで、瞬時に犯罪係数を計測する機能を持つ<ref name="tv-anime-01" />。銃把を握るか本体に触れている者にだけ聞こえる[[指向性]]音声と網膜表示で、状況や計測値を案内する。対象の犯罪係数が規定値に満たない場合はトリガーにロックがかかり、規定値を越えていれば[[安全装置|セーフティ]]が自動的に解除され、対象の状況にふさわしい段階に合わせた執行モードを選択したうえで変更・変形し、音声を発して案内するシステムが実装されているため<ref name="tv-anime-01" />、利用者は照準を合わせた後はトリガーを引く以外に特別な操作を必要としない。この際、網膜へは正確な数値が表示されるが、音声では「(基準値)オーバー120」「アンダー60」など大約な情報案内の場合もある。執行モード選択の音声案内では「ノンリーサル、パラライザー」のように先に執行内容、次に機能状態が続けて発声される。
: 執行用に発射される光線は集中[[電磁波]]であり、確保・制圧が選択された場合は基本モードのパラライザー(麻痺銃/ノンリーサル)だが、対象の犯罪係数が300を超えると排除の判断が下され、エリミネーター(殺人銃/リーサル)に切り替わる<ref name="tv-anime-18" />。さらに人間以外のドローンなどによる危険が及ぶと自動的に脅威判定が更新され、最大威力であるデコンポーザー([[分子]]分解銃/デストロイ)に設定される<ref name="tv-anime-03" /><ref name="tv-anime-11" />。シビュラシステムへのアクセス・リンクが不可能な場所や状況では使用できない<ref name="tv-anime-03" /><ref name="tv-anime-16" />。パラライザー以外の使用回数には制限があり、フル充電時にモード切り替えなしの状態で、エリミネーターは4発まで、デコンポーザーは3発までとなる<ref name="profilingphase02"/>。
: 執行官が監視官に銃口を向けることは反逆行為に当たるため<ref name="profilingphase02"/>、警告が発せられたうえで記録される<ref name="tv-anime-14" /><ref name="tv-anime2-01"/><ref name="tv-anime2-05"/>。なお、記録は監視官権限で削除が可能である<ref name="tv-anime-21" />。
: シビュラシステムと直結していることから、それとの通話にも利用できる<ref name="tv-anime-20" />。
:; {{Anchor|強襲型ドミネーター}}
:: 公安局の新兵器とされる上記の拳銃型より大型のドミネーター。長い銃身やスコープ、二脚があるなど、[[狙撃銃]]に近い形状をしている。正式名称は不明。2期第4話で禾生の命を受けた3係が、現場に初投入した<ref name="tv-anime2-04"/>。
:: 執行対象の犯罪係数が300を超えるとエリミネーターが発動して変形する点は拳銃型と同じだが、対象者との間に障害物が存在しても犯罪係数を測定・執行できるため、建物に潜伏する執行対象者を外部から狙撃できる。しかし、狙撃手が確認できる情報は犯罪係数だけであり、執行官が監視官に銃口を向けても警告されない。そのため、2期第4話で須郷が使用した際には現場で犯罪係数が最高値になっていた青柳を執行対象として選択し、執行することになってしまった<ref name="tv-anime2-04"/>。
:; {{Anchor|スローター}}
:: 本編の前日譚である「PSYCHO-PASS GENESIS」で登場する、ドミネーターの原型となる武装の名称。
:: ドミネーター同様に公安局員の人間が携行可能な拳銃サイズのものと、無人鎮圧ドローンに搭載する実弾仕様のものが存在する。拳銃サイズのものはドミネーターと違い白色。デコンポーザーは実装されていない。執行モードの音声もドミネーターと仕様が異なっており、リーサルではなくエグゼキューションと発声する。
; {{Anchor|執行官}}(しっこうかん)
: 厚生省公安局で実質的な捜査を行う刑事。刑事課には1係から3係まで存在し、通常はひとつの係に4名が在籍している<ref name="profilingphase02"/>。犯罪を理解・予測・解決する能力があると評価され、犯罪の根源に迫ることができるが、高い犯罪係数を持つ潜在犯であるために犯罪者と化す危険性もある。それゆえ、常に厳しい監視下に置かれており、庁舎の刑事フロアと公安局に併設されている専用宿舎の出入りしかできず、監視官が同伴しなければ外出は許可されない。しかし、執行官隔離区画内での生活では嗜好品や趣味の自由はある<ref name="tv-anime-01" /><ref name="tv-anime-02" />。
: 公安局所属であっても潜在犯のため、ドミネーターの適正ユーザーであるとともに「任意執行対象」でもある<ref name="tv-anime-01" />。
; {{Anchor|監視官}}(かんしかん)
: 厚生省公安局刑事課で執行官の監視・指揮を担い、捜査活動の全責任を負うエリート刑事。1つの係に所属する監視官は通常時で2名<ref name="profilingphase02"/>。捜査時には所属を表す[[ウインドブレーカー|レイドジャケット]]を羽織ることが多い<ref>Blu-ray Disc/DVD初回限定版特典ノーカット完全シナリオ原稿ブック第1話。</ref><ref>{{Cite web |url = http://psycho-pass.com/goods/apparel_raid-jacket.html |title = レイドジャケット|APPAREL|GOODS |publisher = TVアニメ「PSYCHO-PASS」 |accessdate = 2013-03-09 }}</ref>。犯罪係数の低さによって裏付けられた善良かつ健全な精神と模範的な社会性、さらに優れた知性と判断力を兼ね備えているが、犯罪者や執行官の歪んだ精神にさらされる環境ゆえに犯罪係数を高める危険性があり、職務が厳しい一方で10年間の任期を務めきった後の出世は約束されている<ref name="tv-anime-02" /><ref name="profilingphase01"/><ref name="tv-anime2-03"/>。しかし、職務の過酷さゆえに慢性的な人手不足となっている<ref name="tv-anime-01" />。
; {{Anchor|ドローン}}
: 人間の労働補助を目的として作られた[[ロボット]]。サイズやデザインは用途によって異なり、[[公的機関]]や企業、店舗など街のあらゆる所で普及している。公安局では、主に巡回や交通整理、事件時の現場保存・[[鑑識]]を担うほか、'''看護ドローン'''(声 - 高森奈津美)も使用されている。非常に多種多用であり、警備ドローンなどの人型サイズのものから国境警備ドローンなどの大型の重武装のものまで登場する。
; {{Anchor|サイコハザード}}
: 不健全な精神を持つ人間や状況による影響で、周囲の人間のサイコパスが悪化してしまう現象。そのため、この現象によってサイコパスが基準値以上に悪化した者は、社会から隔離されてセラピーを受けることになる<ref name="tv-anime-02" />。
; {{Anchor|エリアストレス}}
: その区画が人々のサイコパスに悪影響を与える度合を数値化したもの。レベルが高いほど悪影響であることを示し、事故や事件が起きた場所ではレベルが悪化する<ref name="tv-anime-02" /><ref name="tv-anime-14" />。
; {{Anchor|ホログラム}}
: 作中において、[[ホログラフィー|ホログラム]]技術は非常に高いものになっており、あらゆる場所に投射装置が設置および内蔵または携帯されており、廃棄区画以外の市街全域の外装から建築物の内装、人々の服装や外見に至るまで社会の隅々へ行き渡っている。市街は精神衛生上好ましい[[テクスチャ]]によって覆われており、市民は専用の[[人工知能]]による対話[[プログラム]]にホロを被せ、相談役やスケジュールや心身の管理を務めている。また、コンパクト・タイプのコス・デバイスによって人体や服にホロを投影して別の服や外見へ変貌させる「ホロアバター・スーツ」なども実用化されている<ref name="tv-anime-02" /><ref name="tv-anime-04" /><ref name="tv-anime-07" />。
: 風雨に弱いため、雨の日や降水状態ではホログラムが投射できなかったり、ノイズが入る。人工知能ホロアバターもその例外ではなく、使用中の風呂場内には姿を投射できない<ref name="profilingphase02"/><ref name="tv-anime-01" /><ref name="tv-anime-02" /><ref name="tv-anime-05" />。
; {{Anchor|コミッサちゃん}}
: 声 - [[高森奈津美]]
: 公安局の[[マスコットキャラクター]]。男の子が「太郎」で、女の子が「花子」。公安局の刑事やドローンのホロ外装に採用されており、かわいらしい外見により対面の緊張感を和らげ、ストレスを与えずに検問・職務質問・警邏・補導などを行える。
; {{Anchor|ノナタワー}}
: 厚生省の本部ビルにして、都市のシンボル。外観がホログラムによって彩られている。作中では、シビュラシステムに対する社会の依存度の高さから、それを管轄する厚生省の権限が極めて大きい。
: 案内表示と外部アクセスは地下4階までだが、実際には地下20階までおよぶ下層部が存在しており、そこにシビュラシステムの本体が設置されていることは機密とされていた。地下5階以降の階層への入り口は普段はブロック状の壁で隠されているが、ブロックの一部がホログラムになっており、[[スライディングブロックパズル]]のように開閉される<ref name="tv-anime-20" />。そこから先は[[電波暗室]]になっている。シビュラシステム本体が存在する区画は、電子ロックが掛かった頑丈な扉で封鎖されている<ref name="tv-anime-16" />。
; {{Anchor|標本事件}}(ひょうほんじけん)
: 正式名称は「公安局広域重要指定事件 102(ひとまるに/いちまるに)」<ref name="tv-anime-05" />。3年前に起こった未解決事件。殺害して解体した死体を特殊な薬剤で[[プラスティネーション]]加工し、公衆に晒した[[猟奇殺人|連続猟奇殺人事件]]である。死体の損壊・加工の仕方や展示の舞台設定には、歪んだユーモアやメッセージ性が見出だせた。犯人は捕まっておらず、別件で捜索願の出ていた桜霜学園の元教員である[[#藤間|藤間幸三郎]]が情況証拠から犯人と推定されたが、表向きは行方不明とされている<ref name="tv-anime-06" /><ref name="tv-anime-13" />。
: 執行官の佐々山が事件の捜査中に被害者と同じく標本化されて殉職したことが、当時監視官であった狡噛の潜在犯化を誘発した。それ以来、狡噛は独自にこの事件を捜査し続け、黒幕の槙島に行き着いた<ref name="tv-anime-06" /><ref name="tv-anime-07" /><ref name="tv-anime-16" /><ref name="tv-anime-17" />。
: 実行犯は藤間だが、プラスティネーション用の薬剤の製作者は別に存在しており、王陵璃華子が犯した事件でも同じ成分の液状の薬剤が使用された。いずれの事件でも槙島から実行犯へ提供されたのは、死体を浸すだけで簡単にプラスティネーション化できるという特殊な薬剤であった<ref name="tv-anime-06" /><ref name="tv-anime-07" /><ref name="tv-anime-13"/><ref name="tv-anime-17" />。
; {{Anchor|ユーストレス欠乏性脳梗塞}}(ユーストレスけつぼうせいのうこうそく)
: シビュラシステム運用下にあるとされる架空の病気。精神メンテナンスやストレスケアなどに過剰に依存し、生命維持に必要とされるレベルのストレスさえも受けることがない状態が長く続くと、刺激に対する生理反応が麻痺して自律神経が侵されることによって発症する。真相は表沙汰にならず死亡後は原因不明の[[心不全]]扱いとなるため<ref name="tv-anime-07" />、この病気は都市伝説扱いされている<ref name="tv-anime2-04"/>。
; {{Anchor|免罪体質者}}(めんざいたいしつしゃ)
: 本来なら犯罪係数が上昇する状態にあっても、規定値を超える犯罪係数が計測されない体質を持った人間。約200万人に1人の割合で存在すると予測されている。前述の理由のため、潜在犯としての事前確保はできず、現行犯であってもドミネーターによる執行対象とならないため、任意同行という形式での強制的な連行によって拘束するしかない。シビュラシステムの信頼性を揺るがす存在であることから、機密条項になっている<ref name="tv-anime-13" />。
; {{Anchor|メモリー・スクープ}}
: 脳波をスキャンして記憶内の視覚情報を読み取って投写するモンタージュ技術のことで、専用の椅子とヘッドマウントディスプレイから構成される機器。被スキャン者にとっては記憶の強制的な追体験となるうえ、増幅されたそれが相応の負担と危険を伴うため、体調とサイコパスをチェックしながらのモニタリングとなる。刑事課では犯人の面相認識(フェイスレコグニション)のために使用され、1期第13話では朱自ら被験を志望し、槙島の姿を明らかにする<ref name="tv-anime-13" /><ref name="profilingphase02"/>。
; {{Anchor|妨害ヘルメット|}}サイマティックスキャン妨害ヘルメット
: すぐ近くにいる人の中で良好なサイコパスを、装着している者のサイコパスとして監視システムへ送信することで、サイマティックスキャンによる計測を欺くヘルメット<ref name="tv-anime-14" />。槙島とチェによって開発・製造された。デモンストレーションによる事件<ref name="tv-anime-14" />を経て多数の潜在犯の手に渡され、彼らが市民たちを襲ったことから、波及的にサイコハザードによる暴動状態が引き起こされた<ref name="tv-anime-15" />。
; {{Anchor|ハイパーオーツ}}
: 極めて高い収穫効率を持つ[[遺伝子組み換え]]の[[エンバク|麦]]。作品世界の日本において食卓にならぶ食品の99%はこのハイパーオーツから作られた合成加工食品となっており、単一種に頼る食糧体制になっている<ref name="tv-anime-19" />。
; {{Anchor|ウカノミタマウイルス|}}ウカノミタマ防御ウイルス
: ハイパーオーツの無人生産の一端を担っている疫病虫害対策のための[[ファージ|善玉ウイルス]]。元[[農学]]博士の'''管巻宣明'''(くだま のぶあき/声 - [[玄田哲章]])責任下の研究により開発された。攻撃対象は[[DNAシークエンシング|シーケンサー]]への入力より任意に指定されており、設定次第では作物そのものに害をもたらすことも可能である。調整・配給システムは農水省の管轄で、開発研究室の存在した出雲大学の旧大学施設が転用されているため、セキュリティは旧式の電子ロックと生体認証による脆弱なものになっている<ref name="tv-anime-19" /><ref name="tv-anime-20" />。
; 東金財団
: 2期の時点で日本国内有数の多数の薬剤特許を抱えている医療財団。傘下にメンタル関連の製薬企業などを抱える。多数の人物の臓器や筋肉を同時移植する技術をその被検体に鹿矛囲を用いて試したうえ、かつての理事長である東金美沙子の名義で脳を生きたまま摘出して分割・再結合してから移植するという、それらの作業をドローンで全自動化するなどの技術の特許を取得している<ref name="tv-anime2-08"/>。
; {{Anchor|日空航空321便事故}}
: 2期の一連の事件から15年前の2099年に起きた航空機墜落事故。修学旅行中の小学生185人とその引率や飛行機のパイロットなどの乗員を含めた205人乗りの飛行機が熊鷹山に墜落し、小学生当時の「鹿矛囲 桐人」以外の202名が死亡した。表向きには、飛行機の機体トラブルが原因とされている<ref name="tv-anime2-07"/>。
: その唯一の生存者である「鹿矛囲 桐人」の手術などの医療記録は、「医療上の機密保持のため」に公安局の権限でも閲覧できないほど高い機密設定が指定されている<ref name="tv-anime2-07"/>。「医療上の機密保持」には薬剤[[特許]]が関わっていることが多い。
: この事故で死亡した子供たち185名をもとに、ホログラムで15年分を成長復元させた姿の何名かが一連の事件に関わっていることが明らかとなっており<ref name="tv-anime2-07"/>、公安局直属の医療機関のセラピストで1期では宜野座のセラピーを担当していた'''蓬田'''(よもぎだ/声 - [[鳥海浩輔]])の外見が、2期では事故被害者の'''向島陸'''(むこうじま りく)という少年の成長復元ホログラムであったことが判明する<ref name="tv-anime2-07"/>。
; パノプティコン
: 15年程前に経済省がシビュラシステムに代わる国民支援制度として発案し、議論を呼んだシステム。名称の元は哲学者[[ジェレミ・ベンサム]]が構想した全展望監視システムの[[パノプティコン]]。市民の行動と経済活動を監視記録することで犯罪を未然に防ぎ最適な生き方を導こうとしたが、交通分野で試験的に運用された際に多大な不具合が発生したため、採用は見送られた。この周辺時期の航空事故や交通事故は例年の数十倍にも跳ね上がり、多大な犠牲者を出したその期間は後に「地獄の季節」と称された。その裏では各省庁や陣営の予算や人員の奪い合いがあり、陰謀論が飛び交った<ref name="tv-anime2-08"/>。
 
== 反響 ==