「症例対照研究」の版間の差分

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== 利点と欠点 ==
ケースコントロール研究は、すでに疾病を発生しているケースが利用できるため、疾病の発生を待つ必要はなく、[[コホート研究]]に比べて時間もコストもかからない。また、コホート研究が適さない稀な疾病(稀な疾病の場合、コホート研究では膨大な時間と費用をかけて、コホートの大部分の人が健康なままでいることを観察するだけとなる)に適している<ref> Mitchell H.Katz Study Design and Statistical Analysis: A Practical Guide for Clinicians, Cambridge University Press,ISBN 978-0521534079、2006.(邦訳 本多正幸 /中村洋一/橋本明生浩/中野正孝 訳 臨床研究のための統計実践ガイド EDIXi出版部 2011 </ref>。
対象としている疾病の原因と考えられる要因を複数調べることができるという利点がある。その反面、リスク要因に関する情報を過去にさかのぼって調べなくてはいけないので情報が不正確になりがちである。代表的なものには、[[想起バイアス|思い出しバイアス]](recall bias)が挙げられ、ケースは「過去に原因として考えられている要因の曝露を受けたかどうか」をよく記憶しているが、疾病を発生していないコントロールは同じ曝露を受けていても記憶していないという偏りがしばしば見られる。また、研究対象者の選択においても、コントロールの適切な選択は難しく、{{仮リンク|選択バイアス|en|selection bias}}(selection bias)についての検討が充分になされる必要がある。