「JR東日本HB-E300系気動車」の版間の差分

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| 軌間 = 1,067 mm
| 最高速度 = 100 km/h
| 起動加速度 = 2.3 km/h/s<ref name="CartTech240">日本鉄道車両工業会「車両技術」240号「JR東日本 HB-300系リゾートトレイン用ハイブリッド車両」記事。</ref> または1.5km/h/s<ref name="CartTech240"/>
| 常用減速度 = 3.5 km/h/s<ref name="CartTech240"/>
| 非常減速度 = 3.5 km/h/s<ref name="CartTech240"/>
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===塗色===
秋田地区の「[[リゾートしらかみ]] 青池編成」では在来の[[国鉄キハ40系気動車 (2代)|キハ48形]]「リゾートしらかみ 青池編成」のカラーイメージを踏襲し、[[日本海]]の水平線と[[十二湖|青池]]をあらわす青色の濃淡と本系列の車両をイメージした銀色で彩色される。「リゾートしらかみ 橅編成」では[[奥山清行]]がデザインを手掛け<ref>{{Cite press release |title=リゾートしらかみ「橅(ブナ)」の車両新造について |publisher=東日本旅客鉄道 |date=2015-05-14 |url=http://www.jreast.co.jp/press/2015/20150506.pdf |format=PDF |language=日本語 |accessdate=2015-05-15 |archiveurl= |archivedate=}}</ref>、[[白神山地]]の[[ブナ]]の木立が緑色のグラデーションによって表現されている。
 
長野地区の「リゾートビューふるさと」は展望スペース部分に黄緑色、客室部分は下から上に向かって緑色と白色のグラデーションに彩色され、客室部分の裾に金色の帯を配している。これは長野県の県木である[[シラカバ]]の森の中を走り抜けるイメージである。
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HB-E300形100番台の客席は9室の半[[コンパートメント席|個室]]となっており、客用扉の戸袋部分に[[車内販売|車販]]準備室が設けられている。
 
先頭車前位の展望スペースは枕木方向に設けられた展望用座席の他、長野地区と「リゾートしらかみ 橅編成」用HB-E301形を除いてソファが配置されている。また、HB-E300形0番台の前位には「リゾートしらかみ 青池編成」の場合にはAV機器を備えたイベントスペースを、「リゾートしらかみ 橅編成」についてはそれに加えてORAHOカウンタと呼ばれる売店を設けている。なお、「リゾートしらかみ 橅編成」については、展望スペースやORAHOカウンタに木材を使用しており、車内にシンボルツリーを設けている<ref>{{Cite press release |title=JR東日本 HB-E300 系橅編成|publisher=総合車両製作所 |date=2016 |url=https://www.j-trec.co.jp/company/070/05/jtr05_024-033.pdf |format=PDF |language=日本語 |accessdate=2018-10-18 |archiveurl= |archivedate=}}</ref>。秋田地区用以外のHB-E301形と秋田地区のHB-E300形0番台にはイベント映像撮影用カメラが設置されている。
 
[[列車便所|トイレ]]・[[洗面器#洗面台・洗面所|洗面所]]は車椅子対応の[[便器#腰掛大便器(洋式・洋風大便器)|洋式トイレ]]と男子[[便器#小便器|小用トイレ]]、洗面台がいずれもHB-E301形とHB-E300形0番台に設置されている。なお、トイレの汚物処理は真空吸引式である。
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HB-E300系が採用しているハイブリッドシステムは、エンジンの動力を直接駆動力には使用せず、発電機を回転させる電力用として使用され、発電機からの電力と搭載された蓄電池の電力と組合わせてモーターを駆動する「シリーズハイブリッド」方式と呼ばれるシステムであり、電車の技術が最大限に使用できるのが特徴である。システムを構成する機器類は、エンジンとそれに直結した発電機を持つエンジン発電機、主回路用蓄電池、[[主変換装置]]、輪軸駆動用のモーターで構成されており、力行時には、主回路用蓄電池からの電力または主回路用蓄電池とエンジン発電機からの両方の電力を使用して、主変換装置に内蔵されたVVVFインバータ装置により、[[VVVFインバータ制御]]でモーター([[誘導電動機]])を駆動させる。制動時には、[[回生ブレーキ]]によりモーターから発生した電力を、VVVFインバータ装置を介して主回路用蓄電池に充電する<ref group="注">詳しく解説すると、主変換装置内はコンバータ部とVVVFインバータ部に分かれており、その間に主回路用蓄電池が接続されている。力行時はDM113形交流発電機からの三相交流の電力をコンバータで直流の電力に変換した後に主回路用蓄電池からの直流の電力を加えてVVVFインバータで三相交流に変換して誘導電動機を駆動させ、制動時は、誘導電動機からの三相交流をVVVFインバータで直流の電力に変換した後に主回路用蓄電池に充電される仕組みとなっている。また、補助電源装置の静止形インバータ(SIV)へ送る電力は、停止時や低加速での力行時では主回路用蓄電池から、中高速時での力行時には主回路用蓄電池からの電力の他に発電機からの電力の一部が送られる、制動時は回生ブレーキにより発生した電力が主回路用蓄電池に充電するために送られる際にその一部が送られる。</ref>。また、エンジン発電機の起動または停止は、主回路用蓄電池の充電状態により、自動的に行われている。また、キハE200形と同様の「エネルギー管理制御システム」を搭載しており、各装置からの情報を集約して、最適な動作の指示を各装置に行うことで、エンジン発電機と最適な蓄電池の充放電の制御を行なっている。
 
エンジン発電機には、エンジンに、DMF15HZB-G形直噴式直列6気筒横形<ref group="注">「横形」とは、水平シリンダー式エンジンを指す[[日本国有鉄道|国鉄]]時代からの内部呼称で、[[横置きエンジン|クランクシャフトが枕木方向]]という意味ではない。</ref>ディーゼルエンジン、定格出力331kW(450PS)定格回転数2100rpm×1、発電機に、DM113形交流発電機、出力270kW×1を組合わせている。エンジンには、気筒内への燃料噴射方式を電子制御としたコモンレール式を採用して、排気ガスの有害物質を低減させている。主回路用蓄電池には、出力密度が高く、軽量高出力の日立製作所製MB1形[[リチウムイオン二次電池|リチウムイオン電池]]が使用されており、1両あたりの容量は15.2kWhである<ref name="hitachihyouron201409">[https://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/2014/09/2014_09_02.pdf 次世代鉄道を支える車両システム技術] - 日立評論2014年9月号 P 24P24-29 </ref>。また、蓄電池に不具合が発生した場合を考慮して、2群構成として冗長性を持たせている。主制御装置には、C120形[[主変換装置]]を搭載しており、補機類とサービス用の電源装置である静止形インバータ(SIV)と一体構成となっている。2両単位での給電を行うため、補助電源装置の容量をキハE200の50KVAから70KVAに容量を上げている。
 
[[主電動機]]はキハE200形と同一のMT78形誘導電動機(定格出力95kW)を1両につき2個、動力台車に装備している。
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車両の床下には、主変換装置、エンジン発電機、エンジンラジエーター、制御用蓄電池箱、ブレーキ制御装置を満載しており、エンジン冷却性能向上のためエンジンラジエーターの大形化や静止形インバータの容量増加による主変換装置の大形化が図られている。そのため、車両の屋上には、[[集中式冷房装置]]を挟んで、前位に主回路用蓄電池を2個、後位に元空気だめの一部が搭載されている(HB-E302形では前後逆)。また、運用線区に海岸部が多く含まれることから、[[塩害]]対策として[[ラジエーター]]・主回路用[[二次電池|蓄電池]]の冷却風を海側から取り込まないように、床下・屋上機器の配置は、形式によらずほぼ同一としており、編成内の機器の向きをそろえている。また、各車には、補助電源で作動するMH3125-C600N形電動空気圧縮機(CP)を搭載している。
 
[[起動加速度|加速度]]は従来車との併結に備えて、[[国鉄キハ40系気動車 (2代)|キハ40系]]相当の1.5km/h/sと[[JR東日本キハ100系気動車|キハ110系]]とキハE200形相当の2.3km/h/sを切替えることが可能である<ref name="CartTech240"/>。なお、同じハイブリッドシステムを持つキハE200形とは併結運転が出来る機能を有しており、実際に長野地区向け編成の試運転時に併結試験を行っている<ref>[http://railf.jp/news/2010/07/17/124600.html HB-E300+キハE200,小海線で試運転] - 交友社「鉄道ファン」railf.jp 鉄道ニュース 2010年7月17日</ref>。
 
ハイブリッドシステムとコモンレール式のエンジンの採用により、五能線を走る従来型のキハ40系からの改造の「[[リゾートしらかみ]]」と比べて、燃料消費率10%削減、排気中の窒素酸化物(NOx)の約60%削減、駅停車中および発車中の騒音を20dB-30dB削減できるようになった。
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編成愛称は、長野地区のものは「'''[[リゾートビューふるさと]]'''」、秋田地区のものは「'''[[リゾートしらかみ]]'''」(青池編成,橅編成)、青森地区のものは「'''[[リゾートあすなろ]]'''」、新潟地区のものは「'''海里'''」となっている。
 
長野地区分は2010年10月 - 12月に開催される「[[デスティネーションキャンペーン#2010年度(平成22年)|信州デスティネーションキャンペーン『未知を歩こう。信州』]]」に合わせ同年[[10月2日]]から[[信越本線]]・[[篠ノ井線]]・[[大糸線]]の[[長野駅]] - [[松本駅]] - [[南小谷駅]]間で運転される快速列車「リゾートビューふるさと」を皮切りに運行を開始した<ref>{{Cite web|year=2010|url=http://www.jreast.co.jp/nagano/event/2010fall/pdf/furusato.pdf|title=ハイブリッドシステム搭載 新型リゾートトレイン リゾートビューふるさと 2010年10月デビュー|format=PDF|publisher=東日本旅客鉄道長野支社|accessdate=2010-11-11}}</ref>。[[飯山線]]には2010年11月に「十日町そば祭り号」として入線した。デスティネーションキャンペーン期間中の快速「リゾートビューふるさと」はほぼ毎日運行されていたが、終了後の2011年1月からは土曜日・休日を中心の運行とされている。
 
また、秋田・青森地区では、2010年12月4日の[[東北新幹線]][[新青森駅]]延伸開業に伴うダイヤ改正にともなって、「リゾートしらかみ 青池編成」が[[奥羽本線]]・[[五能線]]にて、「リゾートあすなろ」が[[津軽線]]・[[大湊線]]・[[青い森鉄道線]]にて、それぞれ運行を開始した。[[2016年]]には「リゾートしらかみ 橅編成」として、同年7月-9月に実施される「青森県・函館[[デスティネーションキャンペーン]]」に合わせて[[7月16日]]より営業運転を開始した<ref>{{Cite news |author=Web東奥 |date=2016-07-16 |url=http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2016/20160716015657.asp |title=JRリゾートしらかみ新型車両デビュー |publisher=東奥日報社 |newspaper=[[東奥日報]] |accessdate=2016-07-18|archiveurl=https://web.archive.org/web/20160717153120/http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2016/20160716015657.asp|archivedate=2016-07-17}}</ref>。「青森県・函館デスティネーションキャンペーン」では、「リゾートあすなろ」編成も「蕪島応援号」として運行され、[[八戸線]][[鮫駅]]まで入線している<ref>{{Cite news |author=Web東奥 |date=2016-07-18 |url=http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2016/20160718015689.asp |title=蕪嶋神社再興へJR東が応援列車 |publisher=東奥日報社 |newspaper=東奥日報 |accessdate=2016-07-18|archiveurl=https://web.archive.org/web/20160719133516/http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2016/20160718015689.asp|archivedate=2016-07-19}}</ref>。2014年2月には[[山田線]](岩手県)に宮古まで「さんりく宮古号」として初入線を果たし,2017年12月9日にも同線へ団体旅行専用の臨時快速「おいしい山田線号」として運行された<ref>[http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1510715098_1.pdf 「おいしい山田線号」で行く三陸・宮古ヘルスツーリズム]JR - 東日本旅客鉄道盛岡支社プレスリリース(2017 2017年11月8日)2017年11月22日閲覧</ref>。2018年9月15日からは車両老朽化のため引退した[[キハ58系]]「[[kenji]]」の後任として同線の臨時快速「さんりくトレイン宮古」でも本格運行されている<ref>[http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1526624013_1.pdf の臨時列車のお知らせ]JR - 東日本旅客鉄道盛岡支社プレスリリース(2018 2018年5月18日)2019年7月30日閲覧</ref>。
 
== 将来 ==
2019年10月-12月に実施される「新潟県・庄内ディスティネーションキャンペーン」に合わせて本形式の車両を新造し、同年10月より「海里(KAIRI)」という愛称で[[新潟駅|新潟]] - [[酒田駅|酒田]]間を運行する予定である<ref>{{Cite press release |title=新潟・庄内の食と景観を楽しむ列車「海里(KAIRI)」デビュー|publisher=東日本旅客鉄道 |date=2018-10-16 |url=http://www.jrniigata.co.jp/press/20181016kairi.pdf |format=PDF |language=日本語 |accessdate=2018-10-18 |archiveurl= |archivedate=}}</ref>。これに伴い、485系「[[きらきらうえつ]]」は2019年9月29日をもって通常運行を終了する。
 
== 脚注 ==