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撥弦鍵盤楽器の大きさや外形は多様であるが、発音機構の基本は共通している。
 
鍵を押し下げると、鍵の他端に載っ立てられているジャックと呼ばれる薄板状の部品細長い木片が持ち上がり、ジャックの側面に装着された鳥の羽軸などからできた[[プレクトラム]]が弦を下から上に弾いて音を出す。
 
鍵から手を放すとジャックが下がる。このときプレクトラムは回転するタングに取り付けられているため弦を回り込んで下に戻る。ジャックが元の位置に戻るとジャック上部のダンパーによって弦の振動が止められる。
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鍵(1)は単純な[[梃子]]で、鍵にあけられた穴に差し込まれたバランスピン(24)を支点として動く。
 
ジャック(17)は通常硬いで作られ製の平く細長長方形の木片で、鍵の端に垂直方向に立てられ、上下のジャックガイド(7・22、レジスターとも)で支えられている。ジャックガイドは、スパイン(左側の長い側板)側からチーク(鍵盤右の短いまっすぐな側板部分)側まで走るギャップの中に設置される、ほぞ穴のある細長い2枚の板で、このほぞ穴の中をジャックが上下に動く。アッパー・ガイドはしばしば可動である([[#レジスター]]を参照)。
イタリアのチェンバロでは、ボックス・スライドと呼ばれる厚みのある単一のジャックガイドが用いられる。
 
[[File:Clavecin sautereau.svg|center|thumb|200px|図2: ジャック上部の概念図, (1) 弦, (2) タングの軸, (3) タング, (4) プレクトラム, (5) ダンパー]]
ジャックにはタング(図2-3)という硬いでできた製の可動の部品が取り付けられており、タングにはプレクトラム(図2-4)が取り付けられる。タングはプレクトラムに上から力がかかる場合は動かないが、下から力がかかる場合は回転してプレクトラムをそらすように動作する。これによってプレクトラムが下から上に弦を弾いた後、上から下へは弦を弾かずに戻ることができる。タングは[[イノシシ]]の毛や薄い[[真鍮]]板などで作られたバネによって保持されており、動いた後はバネの弾力により元の位置に戻る。
 
プレクトラムは通常ごく僅かに上方向に角度をつけて取り付けられ、弦の下ぎりぎりの位置に設置される。歴史的にはプレクトラムは[[ワタリガラス]] (raven) などの鳥の羽軸で作られていたが、現代では保守が容易な[[デルリン]]製のプレクトラムを用いる場合も多い。