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{{参照方法|date=2012年12月}}
{{otheruses|古代エジプトの筆記媒体|その原材料となる植物|カミガヤツリ|その他の用法|パピルス (曖昧さ回避)}}
{{otheruses|パピルス}}
[[Image:Plato-Alcibiades.jpg|thumb|280px|[[プラトン]]の著作を記した写本<!--時代不祥。小文字なのでだいぶ後だと思う-->]]
'''パピルス'''({{lang-el-short|πάπυρος}}、[[ラテン語|羅]]/{{lang-en-short|papyrus}})は、[[カヤツリグサ科]]の植物の1種、またはその植物[[カミガヤツリ]](パピルス草)の地上茎の内部組織(髄)から作られる、[[古代エジプト]]で使用された文字の筆記媒体のこと(区別のためそれぞれ、'''パピルス草'''・'''パピルス紙'''とも呼ばれる。「紙」を意味する[[英語]]の「{{lang|en|paper}}」や[[フランス語]]の「{{lang|fr|papier}}」などは、パピルスに由来する。ただし、パピルスは一度分散した繊維を絡み合わせ膠着させて薄く平らに成形したものではないため、狭義の[[紙]]ではない。
 
===製法===
==植物のパピルス==
[[ファイル:Cyperus papirus Orto botanico di Palermo 0009.JPG|thumb|150px|カミガヤツリ]]
{{main|カミガヤツリ}}
'''パピルス'''({{sname|cyperus papyrus}}、和名:カミガヤツリ)は、[[カヤツリグサ科]]の[[多年生植物]]。パピルス草ともいい、地上茎の繊維を紙状に成形することで、文字などを記すことが出来る筆記媒体となる。湿地に生えており、茎の太さは3~4cm、高さは1.5~2mほど。
 
==筆記媒体のパピルス==
===製法===
パピルスは次のような工程によって作られる。この製法は20世紀に入って、復元及び確立された物で、古代エジプト時代においても同様の工程で製造されたとされている。
 
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パピルスの製法は、生産がエジプトその他で廃れて以来失われていた。[[ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|大プリニウス]]はその著書『[[博物誌]]』の中で、自身で実地に調査した製法を記していたが、薄片の接着については記述が曖昧であったので、その部分は後世論議の的になった。幾人かの人々が大プリニウスの記述をたよりに試行錯誤を重ね、20世紀に復元に成功している。パピルスの製造及び栽培は[[シチリア島]]や[[歴史的シリア|シリア]]でもしばらく行われており、現在でもパピルスが見られる。
 
===特性と使用法===
[[Image:Egypt.Papyrus.01.jpg|thumb|280px|パピルスの巻物に書かれたエジプトの[[死者の書 (古代エジプト)|死者の書]]]]
完成した一枚のサイズ(幅)は最上質のものでは24cmほど、最も大きくて40cm程度、長さは25ないし30cmほどで厚さは0.1ないし0.25mmであった。
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パピルスに筆記するためにはエジプトでは[[ヨシ|葦]]の[[ペン]]を使い、[[古代ギリシア|ギリシア]]やローマでは葦のほか[[青銅]]製のペンも使った。
 
===普及と衰退===
プトレマイオス朝時代には、エジプトの輸出品として各地に広まった。フェニキア人の都市[[ビブロス]](現在の[[レバノン]]のジュバイル)がその[[ギリシャ]]向けの積み出し港だったのでビブロスの名がパピルスを意味する語に、また本を意味するようにもなり、現在英語で[[聖書]]を意味するBibleという言葉もそこから来ているとされる。
 
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{{DEFAULTSORT:はひるす}}
[[Category:パピルス|*]]
[[Category:カヤツリグサ属]]
[[Category:草]]
[[Category:古代エジプト文学]]
[[Category:筆記媒体]]