「著作権法 (アメリカ合衆国)」の版間の差分
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* {{Pathnav|アメリカ合衆国議会|アメリカ法}}
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{{Law|地域=[[アメリカ合衆国]]}}
[[File:US-CopyrightOffice-Logo.svg|thumb|{{仮リンク|アメリカ合衆国著作権局|en|United States Copyright Office}}が2004年から使用しているロゴ]]
'''アメリカ合衆国の著作権法'''
1970年代以降、著作物の中でも特にメディア・エンターテイメントやITといった米国の主力産業が世界的に興隆しており{{Refnest|group="註"|映画を例にとると、米国における映画館のスクリーン数は1975年頃を境に急激に増加しており、[[アメリカ合衆国の映画#1970年代|ハリウッド映画業界の転換期]]とされている<ref name=Movie-HistGraph>{{Cite web |title= Figure 5 - Real Cinema Box Office Revenue, Real Ticket Price and Number of Screens in the U.S., 1945-2002 |trans-title=グラフ5 - 米国の1945年から2002年における映画館の興行収入、チケット単価 (2002年ベースの物価指数で補正) および映画館スクリーン数の推移 |url=http://eh.net/encyclopedia/the-economic-history-of-the-international-film-industry/ |author=Gerben Bakker, University of Essex (Original data adapted from Vogel 2004 and Robertson 2001) |work=The Economic History of the International Film Industry |publisher=Economic History Services |accessdate=2019-03-31 |language=en}}</ref>。またIT業界では、[[マイクロソフト]]社の前身であるTraf-O-Data社が1972年に<ref name="MS_Founded">{{Cite web |title=Microsoft Corporation History |url=http://www.fundinguniverse.com/company-histories/microsoft-corporation-history/ |publisher=fundinguniverse.com |accessdate=2019-03-31}}</ref>、[[アップル (企業)|アップルコンピュータ]]社が1976年にそれぞれ創業している<ref name=Apple-Founded>{{Cite web |url=https://www.telegraph.co.uk/technology/apple/11507451/Apple-celebrates-39th-year-on-April-1.html |title=Apple celebrates 39th year on April 1 |last=Williams |first=Rhiannon |publisher=The Telegraph |date=2015-04-01 |accessdate=2019-03-31}}</ref>。}}、2017年時点での狭義の米国著作権市場{{Refnest|group="註"|著作物の創作、複製、販売、実演などに直接関与する業界を「狭義」の著作権市場とした場合の米国年間市場規模<ref name=IIPA-Economy2018/>。}}は1兆3000億米ドルに達し、米国[[GDP]]全体の6.85%を占める巨大産業を形成している{{Refnest|group="註"|さらに周辺産業を加えた広義の著作権市場では、2.2兆米ドル (対GDP比11.59%) に達する<ref name=IIPA-Economy2018>{{Cite web |url=https://copyrightalliance.org/ca_post/copyrights-economy-2017/ |title=Copyright's Contributions to the U.S. Economy in 2017 |trans-title=2017年の米国経済における著作権市場の貢献度調査 |last=Siwek |first=Stephen E. |work=Copyright Industries in the U.S. Economy (19th edition) |publisher=International Intellectual Property Alliance (IIPA) |date=2018 |accessdate=2019-04-25 |language=en}}</ref>。}}。このような社会的・技術的な変化を受け、米国著作権法は頻繁に改正されているものの、十分に追いついていない。また世界的に見ても
さらに、米国内では[[著作権侵害]]を巡る訴訟も多く発生していて、2008年からの10年間に毎年3000件前後が新たに提訴されている<ref name=US-Lit-Stanford/><ref name=BloombergBNA>{{Cite web |url=https://www.bna.com/patent-copyright-lawsuit-n73014449878/ |title=Patent, Copyright Lawsuit Volumes Fall in 2016 |last=Nayak |first=Malathi |publisher=[[ブルームバーグ (企業)|Bloomberg]] BNA |date=2017-01-17 |accessdate=2019-05-13}}</ref><ref name=SyracuseU>{{Cite web |url=https://trac.syr.edu/tracreports/civil/483/ |title=Fewer Copyright Infringement Lawsuits Filed |publisher=[[シラキューズ大学]] |date=2017-09-29 |accessdate=2019-05-13}}</ref>{{Refnest|group="註"|アダルト映画製作Malibu Mediaの1社だけで2012年から2016年の間に計5000件以上提訴していることから、この5年間の総件数の上振れ特殊要因となっているが<ref name=BloombergBNA/>、「年平均3000件前後」の数値からはMalibu Mediaの特殊要因
このような文脈も踏まえながら、[[合衆国法典]]第17編 (17 U.S.C.) に1947年から収録<ref name=USC-Circ1a>{{Cite web |title=Circular 1a, United States Copyright Office: A Brief Introduction and History |trans-title=アメリカ合衆国著作権局: 組織紹介と著作権の歴史概説 |publisher=[[アメリカ合衆国著作権局]] |url=http://www.copyright.gov/circs/circ1a.html |accessdate=2019-02-20 |language=en}}</ref>されている[[アメリカ法#連邦法と州法の関係|連邦法]]としての著作権法を中心に、本項では解説する。著作権法改正の歴史や、著作権に関連する個別の訴訟についても概観するが、詳細については「[[著作権法の歴史 (アメリカ合衆国)|米国著作権法の歴史]]」と「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)|米国著作権法の判例一覧]]」にそれぞれ解説を譲る。
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| {{0}}{{0}}{{0}}著作者人格権<br>{{0}}{{0}}{{0}}(著作者の心を守る権利) || {{ya}} || {{partial|限定的}}
|-
| 著作隣接権者の権利 || {{ya}} || {{na}}
|}
{{See also|[[大陸法#大陸法と英米法の違い|大陸法と英米法の違い]]}}
米国著作権法が国際的な主流と異なる理由は、そのルーツにある。
=== 他国との相違点 ===
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# 著作権の保護対象が狭い{{Refnest|group="註"|2001年、日本政府から米国政府に対し、著作権の改善要求6項目が公式に提出されている。その内訳は、インターネット対応の送信可能化権の明記、未固定の著作物の保護、放送事業者の著作隣接権の保護、実演者の権利拡大、著作者人格権の権利拡大、貸与権 (レンタル) の権利拡大である{{Sfn|岡本薫|2003|pp=15–16}}。}}
#* [[著作隣接権]] (著作物の流通に寄与する[[実演家]]などの権利) が、著作権法上で明確に定められていない{{Refnest|group="註"|[[欧州連合]] (EU) からはWTO協定違反であると指摘されている{{Sfn|岡本薫|2003|p=16}}。}}
#* [[著作者人格権]]が認められている範囲が、視覚芸術作品の一部に限定されている (1989年以前は全く認められていなかった){{Sfn|Leaffer|2008|pp=12–14}}<ref name=USCO-VARA>{{Cite web |url=https://www.copyright.gov/reports/exsum.html |title=Waiver of Moral Rights in Visual Artworks |trans-title=視覚芸術作品における著作者人格権の放棄 |publisher=[[アメリカ合衆国著作権局]] |date=1996-10-24 |accessdate=2019-06-14 |language=en}}</ref>{{Refnest|group="註"|米国同様に英米法
#* 連邦法では「既発表」(published) の著作物しか保護されなかった (1978年以降は未発表の著作物も保護されるようになった){{Sfn|Leaffer|2008|pp=12–14}}<ref name=USCO-Circ15a>{{Cite web |url=https://www.copyright.gov/circs/circ15a.pdf |title=Circular 15a - Duration of Copyright |trans-title=手引書 15a号 - 著作権の保護期間 |publisher=[[アメリカ合衆国著作権局]] |date=2011-08 |accessdate=2019-06-14 |language=en}}</ref>
#* 著作物を登録し、[[著作権マーク]]「©」を表示しないと保護されなかった (1989年以降不要となった)<ref name=Congress-BerneAct>{{Cite web |url=https://www.congress.gov/bill/100th-congress/senate-bill/1301 |title=S.1301 - Berne Convention Implementation Act of 1988 {{!}} 100th Congress (1987-1988) |trans-title=1988年制定のベルヌ条約
#* 記録媒体に「固定」(fixed) されていない著作物は連邦法では保護されない (詳細は[[#著作物の定義]]で後述){{Refnest|group="註"|州法の著作権法で未固定の著作物も保護される場合がある点に注意が必要である。たとえば口述インタビューやジャズの即興演奏などが未固定の例として挙げられる{{Sfn|Leaffer|2008|p=49}}。}}
# 国際条約を通じた国際社会との連帯が不十分
#* 著作権の基本条約である[[ベルヌ条約]] (世界
#* 著作隣接権を定めた[[実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約|ローマ条約]] (1964年発効、世界93か国加盟) に米国は加盟していない<ref name=WIPO-Rome>{{Cite web |url=https://www.wipo.int/treaties/en/ShowResults.jsp?lang=en&treaty_id=17 |title=Contracting Parties > Rome Convention (Total Contracting Parties : 93) |trans-title=加盟国一覧 > ローマ条約 (2019年6月閲覧時点で加盟国数: 93 |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-06-04 |language=en}}</ref>
#* 「ベルヌ・プラス方式」とも呼ばれる[[TRIPS協定]] (1995年発効) に米国は原加盟しているが、米国への訴訟リスクを回避するためTRIPS協定から著作者人格権の規定が除外された{{Sfn|岡本薫|2003|pp=218–219}}
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# 立法府の権限が複雑
#* 著作権法は連邦法と州法の二重構造 (詳細は[[#連邦著作権法と関連法の関係]]で後述)
#* ただし、連邦法の立法権限は[[合衆国憲法]]内に{{仮リンク|特許・著作権条項|en|Copyright Clause}}として明記されており、重要視されている{{Refnest|group="註"|日米で比較すると、日本国憲法第41条
#* 多数の著作権改正法案が連邦議会に提出されているが、総じて可決率が低い{{Refnest|group="註"|もっとも、連邦議会への法案提出は他国と比較して容易であるため、著作権法に限らず全体的に廃案が多い。1973年1月
#* しかし、著作権保有者からの[[ロビイング]] (政治的圧力) が強い業界分野のみ、他国より先んじて著作権保護が強化されやすい{{Sfn|岡本薫|2003|pp=14–16}}
# 著作物の利用に関する例外規定が充実している
#* 著作権侵害に当たらない[[フェアユース]] (公正利用) の基準が著作権法上で定められ、司法判断で広く活用されている ([[#フェアユース採用の評価]]で後述)
#* 他国と比較し、フェアユース以外の個別例外が詳細に規定されている{{Sfn|山本隆司|2008|p=82|ps=--「実は、日本法よりもはるかに詳細な権利制限規定が設けられている」}}<ref group="註">フェアユースは第107条を、その他個別の例外規定は第
#* 賛否あるものの、著作権侵害におけるインターネット関連事業者への免責 (通称: ノーティス・アンド・テイクダウン手続、DMCA通告) など、デジタル化対応が世界でもいち早く明文化されている{{Sfn|山本隆司|2008|p=14|ps=--「米国は、どの国よりも早く、著作権法を情報社会に対応させている」}}
# 権利侵害の判断は司法に大きく委ねられている
#* フェアユースの抽象的な法的基準を、裁判所がケースバイケースで考慮し、著作権侵害の有無を判定<ref group="註">詳細は[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)]] を参照のこと。</ref>
#* 著作権法と相反する、あるいは補完関係にある他分野の法律を交えた、総合的な司法判断が下されている (特に特許法、商標法、[[反トラスト法|独占禁止法]]、表現の自由を謳った憲法修正1条など)<ref group="註">詳細は[[アイディア・表現二分論]] も参照のこと。</ref>
=== {{Visible anchor|国際条約の加盟状況|国際条約}} ===
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! colspan="7" | 法的意義が継続している条約
|-
| [[ベルヌ条約]] || 狭義の著作権 (著作者本人の権利) に関する基本条約 || {{ya}} || || 1886年採択、1887年発効<br>その後4回改正<ref name=BerneConv-WIPO-1>{{Cite web |title=Berne Convention for the Protection of Literary and Artistic Works |trans-title=文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約 |url=https://www.wipo.int/treaties/en/ip/berne/ |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-04-06 |language=en}}</ref> || 世界
|-
| [[実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約|ローマ条約]] || [[著作隣接権]]の基本条約 || || {{ya}} || 1961年採択、1964年発効<ref name=RomeConv-WIPO-1>{{Cite web |title=International Convention for the Protection of Performers, Producers of Phonograms and Broadcasting Organizations (Authentic text) |trans-title=実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約 (公式条文) |url=https://wipolex.wipo.int/en/treaties/textdetails/12656 |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-06-11 |language=en}}</ref> || 世界93か国<ref name=RomeConv-WIPO-2>{{Cite web |title=Contracting Parties > Rome Convention (Total Contracting Parties : 93) |trans-title=ローマ条約の加盟国 (閲覧時点で93か国加盟済) |url=https://www.wipo.int/treaties/en/ShowResults.jsp?lang=en&treaty_id=17 |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-06-11 |language=en}}</ref> || {{na}}<ref name=RomeConv-WIPO-2/>
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| [[レコード保護条約]] || 著作隣接権の一つである[[原盤権]]に関する条約 || || {{partial}} || 1971年採択、1973年発効<ref name=GenevaPhoneConv-WIPO-1>{{Cite web |title=Convention for the Protection of Producers of Phonograms Against Unauthorized Duplication of Their Phonograms |trans-title=許諾を得ないレコードの複製からのレコード製作者の保護に関する条約 |url=https://www.wipo.int/treaties/en/ip/phonograms/ |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-04-06 |language=en}}</ref> || 世界80か国<ref name=GenevaPhoneConv-WIPO-2/> || {{yes2|1973年に批准し、1974年3月10日から施行}}<ref name=GenevaPhoneConv-WIPO-2>{{Cite web |title=Contracting Parties > Phonograms Convention (Total Contracting Parties : 80) |trans-title=レコード保護条約の加盟国 (閲覧時点で80か国加盟済) |url=https://www.wipo.int/treaties/en/ShowResults.jsp?lang=en&treaty_id=18 |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-04-06 |language=en}}</ref>
|-
| [[TRIPS協定]] || 偽ブランドや海賊版の取締強化を目的とする「ベルヌ・プラス方式{{Sfn|岡本薫|2003|pp=218–219}}」。違反時には[[世界貿易機関]] (WTO) に提訴可能 || {{partial}} || {{partial}} || 1994年採択、1995年発効<ref name=TRIPS-WTO-1>{{Cite web |title=Overview: the TRIPS Agreement |trans-title=TRIPS協定の概要 |url=https://www.wto.org/english/tratop_e/trips_e/intel2_e.htm |publisher=[[WTO]] |accessdate=2019-04-06 |language=en}}</ref> || 世界164か国 (WTOの全加盟国)<ref name=TRIPS-WIPO-1/>{{Refnest|group="註"|WTOに加盟すると自動的にTRIPS協定の遵守義務を負う<ref name=WTO-TRIPsOverview>{{Cite web |quote-''In respect of each of the main areas of intellectual property covered by the TRIPS Agreement, the Agreement sets out the minimum standards of protection to be provided by each Member'' (抄訳: TRIPS協定でカバーされる主たる領域に関し、WTO加盟国が最低限遵守すべき水準を当協定は設定している) |url=https://www.wto.org/english/tratop_e/trips_e/intel2_e.htm |title=Overview: the TRIPS Agreement |trans-title=TRIPS協定の概要 |publisher=[[WTO]] |accessdate=2019-08-11 |language=en}}</ref>}} || {{yes2|1995年1月1日から施行}}<ref name=TRIPS-WIPO-1>{{Cite web |title=Contracting Parties/Signatories > Agreement on Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights (TRIPS Agreement) (Total Contracting Parties: 164) |trans-title=TRIPS協定の加盟国 (閲覧時点で164か国加盟済) |url=https://wipolex.wipo.int/en/treaties/parties/231 |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-04-06 |language=en}}</ref>
|-
| [[WIPO著作権条約]] || デジタル著作物への対応強化を目的とし、「ベルヌ条約の2階部分{{Sfn|文化庁|2007|p=69}}」と呼ばれる || {{ya}} || || 1996年採択、2002年発効<ref name=WCT-WIPO-1>{{Cite web |title=Summary of the WIPO Copyright Treaty (WCT) (1996) |trans-title=1996年採択 WIPO著作権条約 (WCT) の概要 |url=https://www.wipo.int/treaties/en/ip/wct/summary_wct.html |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-04-06 |language=en}}</ref> || 世界102か国<ref name=WCT-WIPO-2/> || {{yes2|1997年署名、1999年批准、2002年3月6日から施行}}<ref name=WCT-WIPO-2>{{Cite web |title=Contracting Parties > WIPO Copyright Treaty (Total Contracting Parties : 100) |trans-title=WIPO著作権条約の加盟国 (閲覧時点で100か国加盟済) |url=https://www.wipo.int/treaties/en/ShowResults.jsp?lang=en&treaty_id=16 |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-04-06 |language=en}}</ref>
|-
| [[WIPO実演・レコード条約]] || デジタル著作物への対応強化を目的とするが、加盟にあたってローマ条約の遵守はもとめられない{{Sfn|山本隆司|2008|p=20}} || || {{ya}} || 1996年採択、2002年発効<ref name=WPPT-WIPO-1>{{Cite web |title=Summary of the WIPO Performances and Phonograms Treaty (WPPT) (1996) |trans-title=1996年採択 WIPO実演・レコード条約 (WPPT) の概要 |url=https://www.wipo.int/treaties/en/ip/wppt/summary_wppt.html |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-04-06 |language=en}}</ref> || 世界102か国<ref name=WPPT-WIPO-2/> || {{yes2|1997年署名、1999年批准、2002年5月20日より施行}}<ref name=WPPT-WIPO-2>{{Cite web |title=Contracting Parties > WIPO Performances and Phonograms Treaty (Total Contracting Parties : 100) |trans-title=WIPO実演・レコード条約の加盟国 (閲覧時点で100か国加盟済) |url=https://www.wipo.int/treaties/en/ShowResults.jsp?lang=en&treaty_id=20 |publisher=[[WIPO]] |accessdate=2019-04-06 |language=en}}</ref>
|-
| [[視聴覚的実演に関する北京条約]] || 視聴覚著作物に限定し、実演家に著作財産権の一部および人格権を認める{{Refnest|group="註"|著作財産権のうち、映画などの固定著作物については、複製権・頒布権・貸与権・公表権の4種を、ライブ実演などの未固定著作物については、公衆送信権、公表権、および著作物の固定化の3種を認めており、固定と未固定で対応が異なる<ref name=
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! colspan="7" | 法的意義を終えた条約
|-
| {{仮リンク|ブエノスアイレス条約|en|Buenos Aires Convention}} || 万国著作権条約の前身 || {{ya}} || || 1910年採択{{Refnest|group="註"|name=BAC|1910年当初の署名国はアルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、コスタリカ、キューバ、[[ドミニカ共和国]]、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、ハイチ、ホンジュラス、メキシコ、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ペルー、
|-
| [[万国著作権条約]] || ベルヌ条約の代替で権利保護の水準は低い || {{ya}} || || 1952年採択、同年発効<br>その後1回改正<ref name=UCC-UNESCO-1>{{Cite web |title=Universal Copyright Convention |trans-title=万国著作権条約 |url=http://www.unesco.org/new/en/culture/themes/creativity/creative-industries/copyright/universal-copyright-convention/ |publisher=[[UNESCO]] |accessdate=2019-04-06 |language=en}}</ref> || 世界100か国<ref name=UCC-UNESCO-2/> || {{yes2|1952年に原加盟国として署名}}<ref name=UCC-UNESCO-2>{{Cite web |title=Universal Copyright Convention, with Appendix Declaration relating to Articles XVII and Resolution concerning Article XI 1952 |trans-title=万国著作権条約、および条項XVIIに関連する追加宣言と条項XI 1952に関する決議 |url=http://portal.unesco.org/en/ev.php-URL_ID=15381&URL_DO=DO_TOPIC&URL_SECTION=201.html |publisher=[[UNESCO]] |accessdate=2019-04-06 |language=en}}</ref>
|}
[[著作権マーク]]「©」は21世紀に入ってからも多くの著作物上に見られるが、これはベルヌ条約批准が遅れた米国などの国々への対応のなごりである。
{{See also|[[著作権#方式主義と無方式主義|方式主義と無方式主義]]|万国著作権条約#発効時点でのベルヌ条約との比較}}
=== 国内業界への政治的な配慮 ===
上述の米国独自の特徴は、米国内の特定業界への配慮や産業振興が背景にある。
; レコード業界
米国がローマ条約には加盟せず、レコード保護条約にのみ加盟したのは、著作隣接権の保護対象の違いである。著作隣接権とは著作者本人ではなく、著作物の流通に寄与する者 (著作隣接権者) の権利であるが、ローマ条約では保護対象に[[実演家]]、[[レコード製作者]]、[[放送事業者]]を
; IT業界
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== {{Visible anchor|現行法の詳細解説|現行法の主な特徴}} ==
※本節における「現行」とは、特記のない限り'''2019年2月現在'''の合衆国法典第17編 (米国著作権法) <ref name=USC17-full-201902>{{Cite web |title=Browse the United States Code - Title 17: Copyrights |trans-title=合衆国法典の閲覧 - 第17編: 著作権 |url=http://uscode.house.gov/browse/prelim@title17&edition=prelim |publisher=The Office of the Law Revision Counsel in the U.S. House of Representatives |accessdate=2019-02-14 |language=en}}</ref>に基づき記述している{{Refnest|group="註"|条文内の専門用語は、アメリカ合衆国著作権局 (USCO) による定義解説に準拠する<ref name=USCO-Terminology>{{Cite web |title=FAQ - Definitions |trans-title=よくある質問 - 定義について |url=https://www.copyright.gov/help/faq-definitions.html |publisher=[[アメリカ合衆国著作権局]] |accessdate=2019-02-16 |language=en}}</ref>。各種用語の日本語訳は、公益社団法人[[著作権情報センター]]の表記を一部参照しつつ<ref name=CRIC-USC17-Trans-201902>{{Cite web |title=外国著作権法 >> アメリカ編 |url=http://www.cric.or.jp/db/world/america.html |publisher=公益社団法人[[著作権情報センター]] |author=山本隆司 (訳、米国著作権法弁護士)|date=2018-09 |accessdate=2019-02-14}}</ref>、[[著作権法|日本国著作権法]]で多用される一般的な著作権用語に一部置き換えている。}}。
※米国著作権法は特にデジタル著作物に関連する法改正が頻繁に発生しており、1998年10月28日から2014年12月4日の約16年間を例にとると、この期間に可決・制定された著作権の改正立法は計20本以上に上る<ref name=CRIC-USC17-Trans-201902/>。条文の最新は合衆国法典の[http://uscode.house.gov/browse/prelim@title17&edition=prelim 公式ウェブサイト]を参照すること。
116 ⟶ 115行目:
|-
! 第1章
| 著作権の対象および範囲 (Subject matter and scope of copyright) || 第
|-
! 第2章
| 著作権の帰属および移転 (Copyright ownership and transfer) || 第
|-
! 第3章
| 著作権の保護期間 (Duration of Copyright) || 第
|-
! 第4章
| 著作権表示、納付および登録 (Copyright notice, deposit and registration) || 第
|-
! 第5章
| 著作権侵害および救済 (Copyright infringement and remedies) || 第
|-
! 第6章
| 輸入および輸出 (Importation and Exportation) || 第
|-
! 第7章
| 著作権局 (Copyright office) || 第
|-
! 第8章
| 著作権使用料審判官による手続 (Proceeding by copyright royalty judges) || 第
|-
! 第9章
| 半導体チップ製品に対する保護 (Protection of semiconductor chip products) || 第
|-
! 第10章
| デジタル音声録音装置および媒体 (Digital audio recording devices and media) || 第
|-
! 第11章
149 ⟶ 148行目:
|-
! 第12章
| 著作権保護および管理システム (Copyright protection and management systems) || 第
|-
! 第13章
| 創作的なデザインの保護 (Protection of original designs) || 第
|-
! 第14章
| 1972年より前に録音した音楽著作物の不正利用 (Unauthorized use of pre-1972 sound recordings) || 第1401条{{Refnest|group="註"|2018年10月制定の{{仮リンク|音楽近代化法|en|Music Modernization Act}} (Music Modernization Act、略称: MMA) によって追加された条項のため<ref name=MMA-USCO/><ref name=MMA-Blog/>、[http://www.cric.or.jp/db/world/america.html 2018年9月発行のCRICによる日本語訳]には第14章が含まれていない。}}
|}
163 ⟶ 162行目:
どのような種類の権利を、どのような著作物に対して付与し、どのような条件下で法的に保護するかを解説する。
==== {{Visible anchor|権利の内訳|著作者の有する排他的権利|支分権|第106条}} ====
著作権のうち、著作者本人の諸権利を日本語ではまとめて「[[著作権#支分権|支分権]]」と呼
{{Anchors|著作者人格権|第106A条|視覚芸術著作物}}
さらに1990年制定の法改正 (Visual Artists Rights Act of 1990、略称: VARA) により、いわゆる (7) '''[[著作者人格権]]'''が付け加わった ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section106A&num=0&edition=prelim 第106A条])。ただし大陸法諸国の著作権法と異なり、著作者人格権が認められるのは視覚芸術著作物 (visual arts) に限定されている<ref name=USCO-VARA/>{{Sfn|Leaffer|2008|p=13}}。米国著作権法における視覚芸術著作物とは、絵画・素描・版画・彫刻・展示目的の現像写真の5種類に限られている。さらにこれら5種類のうち、複製が200点以下であり、シリアルナンバーと著者の署名が刻まれているものに限定し、著作者人格権が認められる ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section101&num=0&edition=prelim 第101条])。つまり、容易に大量複製や[[翻案権|翻案化]]できるもの、あるいは大衆向け商業目的の著作物には著作者人格権が認められない。著作者人格権が認められないケースとして、ポスター、地図・地球儀、海図、技術図面、図表、模型、応用美術、映画などの動画、書籍、雑誌、新聞、定期刊行物、データベース、電子情報サービス、電子出版物、商品、広告宣伝・説明、パッケージなどの包装・容器、職務著作物が挙げられている ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section101&num=0&edition=prelim 第101条])。
==== {{Visible anchor|著作物の類型|著作物の定義}} ====
米国著作権法が定める著作物とは (1)「言語著作物」、(2)「音楽著作物」(これに伴う歌詞を含む)、(3)「演劇著作物」(これに伴う音楽を含む)、(4)「無言劇および舞踊の著作物」、(5)「絵画、図形および彫刻の著作物」、(6)「映画およびその他の視聴覚著作物」、(7)「録音物」、(8)「建築著作物」の8種に分類されているが、例示でありこれらに限らないと記されている ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section102&num=0&edition=prelim 第102条]){{Refnest|group="註"|現在の8種類に分類し直したのは1976年の改正時である{{Sfn|Leaffer|2008|pp=12–14}}。それ以前の分類方法については、[[著作権法の歴史 (アメリカ合衆国)]]の「著作物の保護対象の拡大」も参照のこと。}}
また、原著作物を活用した「編集著作物」(集合著作物を含む) と「[[二次的著作物]]」(別名: 派生的著作物) も法の保護の対象となる。編集著作物とは、既存の素材またはデータを選択し、整理しまたは配列し、これらを収集し編成して作られた著作物である。二次的著作物とは、原著作物を用いて、翻訳、編曲、脚色、映画化、美術複製、改訂するなどして創作された作品を指す ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section102&num=0&edition=prelim 第102条])。これらの編集ないし二次的著作物と、その素材となった原著作物の著作権は別個に存在する ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section103&num=0&edition=prelim 第103条])。仮に編集著作物の素材に創作性がなく著作権で保護されていなかったとしても、素材の組み合わせ・整理の方法によって創作性が認められれば、編集著作物単体で著作権が発生する{{Sfn|Leaffer|2008|p=83}}。
;: {{Visible anchor|どこまでが著作物なのか}}
;: (1) 言語著作物
: [http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section101&num=0&edition=prelim 第101条]の定義によると、言葉、数字、数学的な記号、符号などの著作物を指す。ただし、楽譜は符号だが音楽著作物に、演劇脚本は言葉だが演劇著作物に分類される。また判例上は、言語著作物に登場するキャラクターは著作物に該当しないと解されている{{Sfn|山本隆司|2008|p=23}}。キャラクターの保護を巡る裁判としては、1954年の第9巡回区控訴裁「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ対CBS裁判|ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ対CBS裁判]]」が知られている{{Refnest|group="註"|この判例では、小説や戯曲といった言語著作物におけるキャラクターやタイトルは著作権保護の対象にならないとしている。しかし、1930年に第2巡回区控訴裁が下した「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#ニコルズ対ユニバーサル・ピクチャーズ裁判|ニコルズ対ユニバーサル・ピクチャーズ裁判]]」と比較して、キャラクター保護の制限が厳格であり、ワーナー対CBS裁判で示された基準を満たせる言語著作のキャラクターはほぼ存在しないことから、後の判例や法学者から広く支持されてはいないとの指摘もある{{Sfn|Leaffer|2008|pp=115–117}}。}}。さらに米国では、言語著作物の題名にも著作物に該当しないと判例で解されて
: コンピュータ・プログラムも一部はこの言語著作物として含まれている。1980年制定の著作権法改正で、第101条 (各種用語の定義) にコンピュータ・プログラムが追加されたほか、第117条でコンピュータ・プログラムの権利制限が追加規定された{{Sfn|Leaffer|2008|pp=12–14}}{{Sfn|山本隆司|2008|p=15}}。また、1983年の第3巡回区控訴裁による「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#アップルコンピュータ対フランクリンコンピュータ裁判|アップルコンピュータ対フランクリンコンピュータ裁判]]」を始めとする判例によって、コンピュータ・プログラムとデータベースの著作権が保護されるようになった{{Sfn|山本隆司|2008|p=15}}{{Sfn|Leaffer|2008|pp=151–155}}。
;: (4) 無言劇および舞踊の著作物
: (2) 音楽著作物
;: (5) 絵画、図形および彫刻の著作物
: 第101条の定義によると、純粋な美術品だけでなく[[応用美術]]、写真や地図、模型、建築設計図などもこれに含まれる{{Sfn|Leaffer|2008|p=164}}。ただし、単純な実用品 (useful article) のデザインは著作物として認められていない。これは実用的なデザインは著作権ではなく、意匠特許権 (米国特許法第171条) で守られるべきと考えられているからである。両者の線引きは、美しさの有無ではなく、美的「表現」なのか、デザインの「新たな発明」なのかの違いにある{{Sfn|山本隆司|2008|pp=24–25}}。
: しかしながら、実用的・機能的な日用品に芸術的・審美的なデザインが施されている商材が市場に多く出回っており、著作権法上でたびたび問題となっている{{Sfn|Leaffer|2008|pp=165–172}}。実用デザインを巡る ;: (6) 映画およびその他の視聴覚著作物
: 映画やテレビ番組だけでなく、ビデオゲームも一部は視聴覚著作物として分類される。ビデオゲームはプログラミングされているため、そのソースコードやオブジェクトコードは (1) 言語著作物に分類される{{Refnest|group="註"|C言語やJavaなど、人間が判読可能なプログラミング言語で記述されたものがソースコードであり、そこから機械読み取りのために0と1の二進法に翻訳されたもの (人間には判読不能なもの) がオブジェクトコードである。著作権法上では判読不能な表現であるオブジェクトコードも言語著作物として法的保護を与えている{{Sfn|Leaffer|2008|p=150}}。}}。そしてゲーム画面の個々のグラフィック要素は著作権保護の対象とはならないが、個々のグラフィック要素が互いに関係し、音響効果も相まって創作性が発生すれば、ゲーム全体 (編集物) として (6) 視聴覚著作物と判定される。これに関するリーディング・ケースは1992年連邦控訴裁「アタリゲームズ対オマーン裁判」も参照のこと{{Sfn|Leaffer|2008|pp=81–82, 128, 190–191}}<ref name=CaseText-AtariOman>{{Cite web |url=https://casetext.com/case/atari-games-corp-v-oman |title=Atari Games Corp. v. Oman {{!}} United States Court of Appeals, District of Columbia CircuitNov 20, 1992979 F.2d 242 (D.C. Cir. 1992) |publisher=Casetext |accessdate=2019-09-29}}</ref>。
;: (7) 録音物
: 第101条では、一連の音楽、会話その他音声の著作物だと定義されている。ただし、映画などの視聴覚著作物に含まれているセリフなどは除く。音楽レコードについては録音著作物に該当するが、アーティストである実演家と、レコード会社であるレコード製作者の共同著作物と考えられているため{{Sfn|山本隆司|2008|p=26}}、大陸法諸国の著作権法のように、実演家やレコード製作者は著作隣接権者としてはみなされていない。
;: (8) 建築著作物
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;: 編集著作物
: 集合著作物の例は定期刊行物、選集、百科事典などが挙げられる。また、日本ではデータベースは編集著作物ではなく別個の著作物としているが、米国およびその他諸外国はデータベースを編集著作物としている。編集著作物 (compilations) には集合著作物 (collective works) を含む
{{See also|データベース権}}
;: 二次的著作物
: 二次的著作物の中には、外形的に明らかな翻訳や映画化などもあるが、美術複製の著作物性は曖昧であり、より厳格な創作性を求めていることから過去の判決も多い{{Sfn|Gross, Katz & Ruby|2003|pp=155–157, 168}}。既存の芸術作品を精緻に複製しただけでは創作性が認めらず、複製を行った制作者に独自の創作判断があったかが問われることになる{{Sfn|Leaffer|2008|pp=85–89}}。たとえば[[メゾティント]]銅版を手掛けるイギリス人のアルフレッド・ベルは、著作権の保護期間が切れて[[パブリック・ドメイン]] (公有) に帰している名画を元に版画を制作したことから、著作権保護の対象であると米国の判決で認められている{{Sfn|Leaffer|2008|pp=85–89}}{{Refnest|group="註"|詳細は、第2巡回区控訴裁判所の1951年判決 "Alfred Bell & Co. Ltd. v. Catalda Fine Arts, Inc. et al, [https://law.justia.com/cases/federal/appellate-courts/F2/191/99/91570/ 191 F.2d 99] (2d Cir. 1951)" を参照のこと。また訴訟の背景・概要は第1審の連邦地方裁判決資料 [https://law.justia.com/cases/federal/district-courts/FSupp/74/973/1410204/ 74 F. Supp. 973] (S.D.N.Y. 1947) が詳しい。}}{{Sfn|Gross, Katz & Ruby|2003|pp=155–157, 168}}。一方で「ダーラム対トミー裁判」では、[[ディズニー]]のキャラクターである[[ミッキーマウス]]、[[ドナルドダック]]および[[プルート (ディズニーキャラクター)|プルート]]がパブリック・ドメインに帰していたことから、玩具メーカー2社が同キャラクターそっくりのぜんまい式玩具を同時期に製造し、日系企業トミー (現[[タカラトミー]]) がダーラムを著作権侵害で提訴した。本件では映画やコミック本に登場する二次元キャラクターを三次元プラスチックの小さな玩具に作り替えただけでは、芸術的な創作性は認められないと判示された<ref name=Justia-DisneyToys>{{Cite web |url=https://law.justia.com/cases/federal/appellate-courts/F2/630/905/238194/ |title=Durham Industries, Inc., Plaintiff-appellee, v. Tomy Corporation, Defendant-appellant, 630 F.2d 905 (2d Cir. 1980) |publisher=Justia |accessdate=2019-09-27}}</ref>{{Sfn|Gross, Katz & Ruby|2003|pp=155–157, 168}}{{Sfn|Leaffer|2008|pp=85–89}}。
==== {{Visible anchor|保護されない著作物|著作権保護の例外と制約}} ====
著作権保護の要件を満たしておらず、かつ特許や商標権なども認められていない著作物は、
{{Quote box
|title = 連邦法による著作権の保護目的と対象
|quote = [[アメリカ合衆国議会|連邦議会]]は、著作者 (author) および発明者に対して、それぞれ著作 (writings) および発明に対する排他的権利を一定の期間に限り付与することにより、科学および有用な技芸の振興を促進する...権限を有する。
|source = [[合衆国憲法]] 第1条第8項第8条 (通称: {{仮リンク|特許・著作権条項|en|Copyright Clause}}){{Sfn|山本隆司|2008|p=8|ps=--著者による訳文}}{{Refnest|group="註"|[[駐日アメリカ合衆国大使館]]でも[https://americancenterjapan.com/aboutusa/laws/2566/ 合衆国憲法の日本語訳]を公開している。大使館訳では「排他的権利」ではなく「独占的権利」の訳語を当てている<ref name=USCon-ACJ>{{Cite web |url=https://americancenterjapan.com/aboutusa/laws/2566/ |title=アメリカ合衆国憲法 |translator=高橋一修 (法政大学法学部教授) |publisher=[[[[駐日アメリカ合衆国大使館]] |accessdate=2019-09-28}}</ref>。[https://www.archives.gov/founding-docs/constitution-transcript 英語原文]も併せて参照のこと。}}
|width = 40%
|align = right
208 ⟶ 215行目:
}}
;: (1) 著作物性が認められないもの
: 上述の8ジャンルのいずれかに該当していても、著作物性がないとされるケースがある。その要件の一つが「創作性」の有無である。合衆国憲法で定めた特許・著作権条項の「著作者 (author)」の用法から、著作権には創作性 (originality) が必要であるとされている{{Sfn|山本隆司|2008|p=13}}{{Sfn|Leaffer|2008|pp=79–83}}{{Refnest|group="註"|Originalityは一般的な日本語訳として「独創性」や「斬新さ」が充てられるが<ref name=Originality-ALC>{{Cite web |url=https://eowf.alc.co.jp/search?q=originality |title=originalityの検索結果 |work=[[英辞郎]] on the Web |publisher=アルク |accessdate=2019-08-11}}</ref>、米国を含む各国の法律では、発明といった新規性は特許法などで審査・保護されており、著作権法上では絶対的な新規性の有無は問われない。偶然にも著作物の表現が似通ってしまったとしても、Originalityはあるとして著作権保護される{{Sfn|田村善之|1998|p=15}}(詳細は「[[アイディア・表現二分論]]も参照」)。したがって、著作権法上のOriginalityには「独創性」ではなく「創作性」の訳が充てられている。}}。
: 著作物性を巡って争われたリーディング・ケースとして、1990年最高裁判決の「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#ファイスト出版対ルーラル電話サービス裁判|ファイスト出版対ルーラル電話サービス裁判]]」が世界的に知られている{{Sfn|田村善之|1998|pp=24–25}}。これは電話帳に掲載された電話番号を無断で転載した事件であり、単なるデータの配列だけの電話帳には創作性が認められないとして、無断転載が合法と判示された。この判決により、[[アイディア・表現二分論]] (著作者の創作性に基づく「表現」を保護するのが著作権だとする考え方) が明示され、{{仮リンク|額の汗の法理|en|Sweat of the brow}} (著作物の内容や特性の如何に関わらず、著作者の労力の賜物である著作物を保護しようとする考え方) は否定されることとなった<ref name=SfB-Ito>{{Cite web |url=http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/8745244 |title=Feist出版社対Rural電話サービス会社 |author=伊藤博文 |work=[[豊橋創造大学]]短期大学部研究紀要. (17) |publisher=[[国立国会図書館]]デジタルコレクション |date=2000 |accessdate=2019-04-23}}</ref>{{Sfn|Leaffer|2008|pp=94–96}}。▼
: 無方式主義を採用する国では、著作物を創作した時点で自然に著作権が発生する。そのため、創作者本人は著作権保護の対象内だと認識していても、第三者の目には創作性がないものと映り、認識にギャップが生じることがある。そしてこのギャップは、著作権侵害で提訴した時、あるいはUSCOに著作物を登録した時に初めて公となり、解消される。たとえば先述の「アタリゲームズ対オマーン裁判」では、[[アタリ (企業)|アタリ社]]がUSCOにゲームを登録しようとして申請を却下されたことから、当時のUSCO局長{{仮リンク|ラルフ・オマーン|en|Ralph Oman}}を提訴している。最終的にオマーン局長の判断は誤りだったとして、連邦控訴裁は当ゲームの著作物性を認めた{{Sfn|Leaffer|2008|pp=81–82, 128, 190–191}}<ref name=CaseText-AtariOman/>。
: ファイスト判決やアタリ判決以外にも、創作性の線引きを巡って争われた判例が複数存在する。たとえば、ケーキ箱のラベルやプラスチックの花には創作性が認められた一方、言葉やフレーズの断片、スローガン、音楽のわずかな変奏などは創作性が否定されている{{Refnest|group="註"|ケーキ箱のラベルはKitchens of Sara Lee, Inc. v. Nifty Food Corp., [https://openjurist.org/266/f2d/541/kitchens-of-sara-lee-inc-v-nifty-foods-corporation-a 266 F.2d 541], 545 (2d Cir. 1959)、プラスチックの花はPrestige Floral S.A. v. California Artificial Flower Co., [https://law.justia.com/cases/federal/district-courts/FSupp/201/287/1513752/ 201 F.Supp. 287] (S.D.N.Y. 1962) を参照のこと{{Sfn|Leaffer|2008|pp=81, 127, 128}}。}}。
▲: 著作物性を巡って争われたリーディング・ケースとして、1990年最高裁判決の「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#ファイスト出版対ルーラル電話サービス裁判|ファイスト出版対ルーラル電話サービス裁判]]」が世界的に知られている{{Sfn|田村善之|1998|pp=24–25}}。これは電話帳に掲載された電話番号を無断で転載した事件であり、単なるデータの配列だけの電話帳には創作性が認められないとして、無断転載が合法と判示された。この判決により、[[アイディア・表現二分論]] (著作者の創作性に基づく「表現」を保護するのが著作権だとする考え方) が明示され、{{仮リンク|額の汗の法理|en|Sweat of the brow}} (著作物の内容や特性の如何に関わらず、著作者の労力の賜物である著作物を保護しようとする考え方) は否定されることとなった<ref name=SfB-Ito>{{Cite web |url=http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/8745244 |title=Feist出版社対Rural電話サービス会社 |author=伊藤博文 |work=[[豊橋創造大学]]短期大学部研究紀要. (17) |publisher=[[国立国会図書館]]デジタルコレクション |date=2000 |accessdate=2019-04-23}}</ref>。
;: (2) 著作物性は認められるが、著作権が発生しないもの
: 特許・著作権条項の「著作 (writings)」の文言から、著作物は何らかの媒体に固定 (fixation、fixed) されていなければならないと解されている
: 加えて、たとえ固定要件を満たしていたとしても、[[アメリカ合衆国政府の著作物|合衆国政府の著作物]]には著作権保護が認められない ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section105&num=0&edition=prelim 第105条])。ただし、州政府などの地方自治体の著作物については、合衆国法典の規定の範囲外であり、各自治体で別途定められている。例えば[[オレゴン州]]や[[ジョージア州]]などでは、注釈付きの州法法令集は著作権保護の対象内だとしている{{Refnest|group="註"|州法法令集の著作権を巡っては、ジョージア州対マラムッド裁判などが起こっている。2015年7月、ジョージア州は{{仮リンク|Public.Resource.Org|en|Public.Resource.Org}}の創設者でありオープンコンテンツ推進の活動家でもある{{仮リンク|カール・マラムッド|en|Carl Malamud}}を相手取り、著作権侵害でアトランタの連邦裁判所に提訴した。訴状によると、注釈付きのジョージア州法をマラムッド自身のウェブサイトに掲載した著作権侵害は「テロ行為」(terrorism) だとジョージア州は糾弾しているものの、両者の主張は対立している<ref name=Malamud-LAT>{{Cite web |first=Michael |last=Hiltzik |title=Georgia claims that publishing its state laws for free online is 'terrorism' |publisher=Los Angeles Times |date=2015-07-27 |url=http://www.latimes.com/business/hiltzik/la-fi-mh-state-of-georgia-copyright-wall-20150727-column.html |accessdate=2019-02-23}}</ref><ref name=Malamud-Eff>{{Cite web |url=https://www.eff.org/ja/deeplinks/2018/10/appeals-court-tells-georgia-state-code-cant-be-copyrighted |title=Appeals Court Tells Georgia: State Code Can't be Copyrighted |last=Mullin |first=Joe |date=2018-10-23 |accessdate=2019-02-23}}</ref>。}}。
222 ⟶ 233行目:
==== 著作権の保護期間 ====
{{Main2|各国共通の総論|著作権の保護期間|現行の保護期間の比較|世界各国の著作権保護期間の一覧}}
原則は、著作者の没後70年間が著作権の保護期間となる。しかし保護期間は数回の法改正により延伸していることから、現行法においては著作物の発表日が1978年1月1日 (1976年制定の著作権改正法の
; {{Visible anchor|1976年制定の改正法以前の法的スキーム (旧法) が適用される著作物|旧法スキームでの保護期間}}<ref group="註">旧法では未発表の著作物、および既発表でも著作権表示や延長更新手続を怠った著作物は、著作権法の保護対象外であった。詳細は[[#著作権保護の手続]]も参照のこと。</ref><ref group="註" name="DurationTableNote">下表の解説対象は未発表または米国内で初めて発表された著作物 (但し録音物および建築物を除く) に限る。録音物、建築物、ないし米国外で初めて発表された著作物の保護期間については、[https://copyright.cornell.edu/publicdomain コーネル大学ロースクールのホームページ]がまとめているため、あわせて参照のこと。</ref>
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; {{Visible anchor|1976年制定の改正法以降の法的スキーム (新法) が適用される著作物|新法スキームでの保護期間}}<ref group="註">1976年制定の改正法が1978年1月1日より施行され、未発表著作物も保護対象となった他、著作権表示や登録などの手続が保護要件から外されたほか、著作権保護期間が全般的に延伸した。また[[著作権延長法|ソニー・ボノ著作権延長法]]によりさらに期間が延伸し、下表の状況に至る。詳細は[[著作権法の歴史 (アメリカ合衆国)]] も参照のこと。</ref><ref group="註" name="DurationTableNote"/>
{| class="wikitable" style="width:52%; font-size:smaller"
! rowspan="3" style="width:8%" | 発表日<ref group="註">Copyright Act of 1976 (1976年制定の改正法) が1978年1月1日より施行、Berne Convention Implementation Act of 1988 (1988年制定のベルヌ条約
|-
! rowspan="2" style="width:6%" | 著作権<br>表示あり || colspan="2" | 著作権表示なし || rowspan="2" style="width:6%" | 著作権<br>表示あり || colspan="2" | 著作権表示なし
275 ⟶ 286行目:
| {{partial|旧法 or 2047末}} || 旧法で規定の保護期間満了まで、あるいは2047年12月31日までのいずれか長い方
|-
| {{n/a|PD}} || 保護期間が
|}
1978年1月1日以降に創作された著作物に対しては、米国著作権法では一般的に著作者の没後70年までとされる。著作者が複数人いる場合は、最も生存の長かった者を基準とする。ただし、[[職務著作]]・無名著作 (著作者不明)・[[変名#著作権法上の変名|変名]]著作 (ペンネームや芸名などを使った創作)・著作者の没年不明の場合は、創作日から120年あるいは発表から95年のいずれか短い年数が適用される ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section302&num=0&edition=prelim 第302条])。
1978年1月1日より前 (1977年12月31日以前) に創作された著作物の保護は、既発表と未発表で保護期間が異なる。未発表かつパブリック・ドメインにも帰していない場合は、上述の第302条と同期間が適用される。ただし、この未発表著作物が1978年1月1日
1978年1月1日より前に創作された既発表著作物のうち、1978年1月1日時点で最初の保護期間中の場合は、28年間が認められる。また最初の保護期間が満了した後、一定の条件を満たせばさらに67年間更新延長できる ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section304&num=0&edition=prelim 第304条])<ref group="註">ここでの「最初の保護期間」であるが、1976年制定の著作権改正法以前は、保護期間が28年 + 更新延長28年の2段階方式に設定されており、「最初」は前者を指している。最初の保護期間が満了した時点で著作者が生存していれば、更新延長が可能であった。</ref>。
ただし、著作者の生死に関わらず、1923年12月31日以前に創作 (楽曲の場合は1922年12月31日以前に作曲) された著作物は、保護期間が消滅してパブリック・ドメインと
; 保護期間の計算方法
296 ⟶ 307行目:
また{{仮リンク|米国メディア写真家協会|en|American Society of Media Photographers}} (ASMP) は、写真のデジタル画像をウェブサイトにアップロードした場合、発表に相当するのかについて回答を寄せている<ref name=ASMP-FAQ>{{Cite web |title=Defining Published and Unpublished |trans-title=PublishedとUnpublishedの定義 |url=https://www.asmp.org/copyright-tutorial/defining-published-unpublished/ |publisher=[[ASMP]] |accessdate=2019-02-18 |language=en}}</ref>。同協会によると、
* 顧客に依頼されて撮影した写真をデジタルデータの形式で納品した場合、「複製またはレコード収録した著作物を特定の団体組織に提供」に該当するため、発表と
* 写真家個人が運用するウェブサイトにデジタル画像を掲載した場合、そのサイトが一般からアクセス可能な状態であれば発表と
と解説している{{Refnest|group="註"|ただし個別ケースの判断においてはUSCOの''[https://www.copyright.gov/circs/ Circular]'' (手引書) を参照するよう推奨している。''Circular 66''では、ウェブサイトおよびそのコンテンツに関する著作権登録について記述されている<ref name=USCO-Circular66>{{Cite web |title=Copyright Registration of Websites and Website Content |trans-title=ウェブサイトおよびそのコンテンツに関する著作権登について |url=https://www.copyright.gov/circs/circ66.pdf |format=PDF |publisher=[[アメリカ合衆国著作権局]] |date=2017-09 |accessdate=2019-02-18 |language=en}}</ref>。}}。
==== 著作権保護の手続 ====
1976年制定・1978年施行の著作権改正法により、USCOへの著作物の登録がなくとも著作権保護が与えられることとなった ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section409&num=0&edition=prelim#sourcecredit 第409条])。しかし米国内で最初に発表された著作物に関し、著作権侵害などで民事訴訟を起こす際には、USCOへの登録が必要となる ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section411&num=0&edition=prelim 第411条]){{Refnest|group="註"|ベルヌ条約加盟国で最初に発表された著作物については、USCOへの登録は米国裁判所への出訴要件ではない{{Sfn|Leaffer|2008|pp=14–15}}。}}。登録申請にあたり、著作者名・住所、(無名または変名著作物の場合は) 著作者の国籍または住所、創作年と発表日・発表国などを著作権者は記入する必要がある (第409条)。これは無名・変名・職務著作物や、最初の発表国が米国内であるか否かによって、著作権保護期間のカウント方法が異なるためである。USCO局長は提出された登録申請に基づき、著作権法が定める著作物でないと判断した場合は却下し、許可されたもののみ登録証明書を発行する ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section410&num=0&edition=prelim 第410条])。裏を返すと、著作権法の保護対象をUSCO局長が線引きしており、司法に対する越権行為ではないかとの懸念もあり、この「登録」の定義を巡って争われた裁判も数件存在する (「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#ニューヨーク・タイムズ他対タシーニ裁判|ニューヨーク・タイムズ他対タシーニ裁判]]」、「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#リード・エルゼビア対マッチニック裁判|リード・エルゼビア対マッチニック裁判]]」、「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#フォース・エステート対Wall-Street.com裁判|フォース・エステート対Wall-Street.com裁判]]」も参照)。
{{仮リンク|1988年のベルヌ条約
{{See also|著作権表示}}
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# 請負契約などの成果物も委託元が著作権を持つ (つまり従業員と外注に差はない)
# 委託元に成果物の支配権があれば、請負契約でも委託元が著作権を持つ (つまり支配権がなければ外注先が著作者)
# [[コモン・ロー]]上の{{仮リンク|代理法 (コモン・ロー)|label=代理法|en|Law of agency}}の概念上、従業員と
# 給与をもらう正式の従業員に限定して職務著作とする (つまり従業員著作のみ職務著作)
==== {{Visible anchor|第三者への著作権の移転|移転|第201(d)条}} ====
第106条で定められた排他的権利 (支分権) は、譲渡や独占[[ライセンス]]許諾、抵当設定、相続などによって著作者から第三者に
移転は支分権全てである必要はなく、その一部のみ移転させることが可能である。例えば、小説の作者が小説出版権 (原著作物の頒布権) を出版A社に売却し、小説の映画化権 (二次的著作物の作成権) を映画配給B社に売却するといったように、諸権利をバラバラに分解する行為も移転と定義される。また、独占ライセンスの許諾に有効期限を設定したり、その独占をある地域に限定するといった、時空を特定することも可能である ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section201&num=0&edition=prelim 第201条])。ただし、米国著作権法上の移転の定義には、非独占ライセンス許諾は含まれない ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section101&num=0&edition=prelim 第101条])。また移転の対象に第106A条は含まれないことから、著作者が死去すると著作者人格権は第三者に継承できないと解される (第201条)。集合著作物、職務著作、およびライセンスを巡って争われた例として「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#ウォーレン出版対スパーロック裁判|ウォーレン出版対スパーロック裁判]]」も参照のこと。
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フェアユースの利用シーンとしては「批評、解説、ニュース報道、教育、研究または調査」が例示されており、また最終的には「使用の目的」(非営利の教育など)、「著作物の内容」、「量・質の両側面から著作物が使用された割合」、「使用によって著作物の市場価値にどの程度影響を及ぼすか」などを考慮して総合して判断される。条文ではincludingやsuch asといった表現が使われていることから、これら利用シーンや考慮点はあくまで例示である点に留意が必要である ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section107&num=0&edition=prelim 第107条])<ref group="註">用語の定義が記された[http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section101&num=0&edition=prelim 第101条]において、''"The terms "including" and "such as" are illustrative and not limitative."'' (includingやsuch asといった表現はイメージの例示であり、例以外を排除するものではない) と記されている。</ref>。
==== {{Visible anchor|フェアユース以外の個別規定|第
第107条のフェアユースとは別に、特定条件下で著作権者の排他的権利に制限がかかり、利用が緩和・促進されている条項が複数ある (第108条
==== 著作権侵害と救済手段 ====
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==== 民事訴訟 ====
侵害された被害者 (著作権者) は、請求権が発生してから3年以内であれば民事訴訟を起こすことが可能である ([http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section502&num=0&edition=prelim 第507条])。裁判は長期化することもあるため、短期的な救済として差止命令、差押や処分を被害者は裁判所に請求し、さらなる侵害を食い止めることができる (第502条、第503条)。差止命令とは侵害者の行為を止めさせる裁判所命令であり、
金銭的な補償として、被害者は現実損害賠償あるいは法定損害賠償を選択できる。現実損害賠償の場合、被害者が被った現実損害の額と、著作権侵害者が得た利益の総額で算出される。被害者は侵害者の総収入のみ立証責任がある。総収入のうち、著作権侵害以外から得た収入などがある場合は、侵害者側の申告で初めて控除され、現実損害賠償額が最終決定される (第504条)。
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* 無断掲載者から反対通知 (著作権侵害ではないとの反論) がなければ、たとえ著作権侵害に当たらない内容だったとしても削除されたままで問題ない。
* 無断掲載者から反対通知が届いた場合、ウェブサイトの運営者はその反対通知の写しを著作権者にも提供しなければならない。
* 反対通知の写しを受領した著作権者が
* ただし、ウェブサイトの運営者が著作権侵害の事実を明確に知りえた場合は、著作権者からの削除申請通知がなくても、削除などの適切な対応をとらなければならない。
米国のノーティス・アンド・テイクダウン手続は、ウェブサイトの運営者に対して「『とりあえず削除』のインセンティブを高めてしまうのではないか」との懸念が呈されており、日本においても2011年総務省主催の専門家ワーキンググループ会合にて、日本に同様の法制度を導入することへの慎重論が展開された<ref name=Soumu-WG05-05/><ref name=Soumu-WG05-Top>{{Cite web |url=http://www.soumu.go.jp/menu_sosiki/kenkyu/provider05siryo.html |title=会合議題・配布資料・議事要旨など |work=プロバイダ責任制限法検証WG(第5回会合) |publisher=総務省 |date=2011-02-03 |accessdate=2019-03-31}}</ref>。また、米国のオンラインニュース[[TechCrunch]]では「史上最高に馬鹿げた著作権侵害のDMCA通告」と題して批判している<ref name=TC-DMCA-2008>{{Cite web |title=史上最高に馬鹿げた著作権侵害のDMCA通告 |url=https://jp.techcrunch.com/2008/04/07/20080405possibly-the-most-ridiculous-dmca-take-down-yet/ |publisher=[[TechCrunch]] |first=Hiroshi |last=Iwatani |date=2008-04-07 |accessdate=2019-03-31}}</ref>。当手続の濫用が問われた例として、「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#イコールズ・スリー対ジューキン・メディア裁判|イコールズ・スリー対ジューキン・メディア裁判]]」も参照のこと。
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侵害が発生してから5年以内であれば検察による刑事訴訟の着手は可能で、その手続の詳細は合衆国法典第18編の[http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title18-section2319&num=0&edition=prelim 第2319条] (著作権侵害) に定められている。
なお、日本を含む[[環太平洋パートナーシップ協定]] (TPP11) 締結各国は<ref name=MOFA-TPP-InForce>{{Cite web |title=環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉 |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/tpp/index.html |publisher=外務省 |date=2019-04-05 |accessdate=2019-04-11 |quote=''現在までに (2019年4月5日の意),メキシコ,日本,シンガポール,ニュージーランド,カナダ,オーストラリア,ベトナムの7か国が国内手続を完了した旨の通報を寄託国ニュージーランドに行っており,2018年12月30日に発効しました。''}}</ref>、2018年12月に発効した同協定に基づいて著作権侵害の「非親告罪化」のための国内法手続を進めている<ref name=Bunka-TPP-InForce>{{Cite web |title=環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律(平成28年法律第108号)及び環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律の一部を改正する法律(平成30年法律第70号)について |url=http://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/kantaiheiyo_hokaisei/ |publisher=[[文化庁]] |accessdate=2019-04-11 |quote=''著作権等侵害罪の一部非親告罪化(第123条第2項及び第3項関係)''}}</ref>。[[親告罪]]とは、被害者本人あるいは法で定めた者 (法定代理人、親族など) からの[[告訴]]がない限り、刑事訴訟に至らない犯罪を指す。これを非親告罪化することはすなわち、著作権者以外の告訴によっても
ただし合衆国法典では元々、著作権侵害罪が親告罪だとも明文化されていない。これは、著作権法第107条で包括的なフェアユース条項を有する米国では、一定条件を満たせば著作権侵害とみなされないため、刑事事件として非親告罪を認めても、実質的な問題に発展しづらい土壌の違いが指摘されている<ref name=CriminalComplaint-FairUse>{{Cite web |title=TPP大筋合意で著作権「非親告罪化」 同人誌やコミケの取り締まりは厳格化するのか?に弁理士が答える |url=https://www.sankei.com/premium/news/151128/prm1511280005-n9.html |publisher=産経ニュース |date=2015-11-28 |accessdate=2019-08-15 |quote=著作権関連の契約代理人も務める弁理士の団体、日本弁理士会が現状についての説明会を11月中旬に開いた。講師は、日本弁理士会の著作権委員長を務める平木康男弁理士(平木国際特許事務所)。(註: フェアユースと非親告罪の関係については、平木弁理士の説明会発言概要に基づく)}}</ref>。
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==== 州法との関係 ====
{{Seealso|アメリカ法#連邦法と州法の関係}}
[[#著作物の定義|上述のとおり]]、連邦法で守ることができる著作物には、何らかの媒体に固定されていること、また創作性が必要であることが合衆国憲法の特許・著作権条項から解釈されている。しかし、合衆国憲法はあくまで連邦法であり、各州の州法とは別個に運用されている。そのため、連邦法で範疇外の対象であっても、州法の著作権法で権利保護を認めている州が一部ある。特に、未発表の著作物に対する複製権と頒布権の保護を「コモンロー・コピーライト (common law copyright)」と呼び、未発表の著作物が連邦法で十分カバーされていない場合でも、州法で保護されることがある{{Sfn|山本隆司|2008|pp=37–38}}{{Sfn|Leaffer|2008|p=49}}。
たとえば[[カリフォルニア州]]の民法典では、その第980条で実演や演説などの未固定著作物も保護している。また同法典の第985条では、書簡その他の私信 (手紙) などは、その作成者の意に反して書簡の受領者が発表してはならないとされる。さらに、同法典の第982条によると、純粋美術の原作品を著作者が第三者に譲渡した場合であっても、譲渡契約書で特段の定めがない限りにおいて、著作者は複製権を持ち続ける。逆に芸術作品の著作権のみを譲渡した場合は、第988条の規定に則り、原則として著作者に作品の所有権は残る。加えて、その美術作品が販売された場合、かつ売り主がカリフォルニア州住民であるか、売買がカリフォルニア州で行われた場合は、その売買代金の5%相当を売り主から著作者に支払う義務が第986条で規定されている{{Sfn|山本隆司|2008|pp=37–38}}。なお、美術作品の売買代金の一部を著作者が受け取れる仕組みを「[[追及権]]」と呼ぶ。2013年時点で世界76か国が追及権制度を導入済であり、特に[[欧州連合]] (EU) は2001年に{{仮リンク|追及権指令|en|Resale Rights Directive}}を成立させたことから、EU加盟国すべてが追及権を国の著作権法などで保障している<ref name=Bunka2018-Ogawa>{{Cite web |url=http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/kokusai/h30_02/pdf/r1412245_02.pdf |title=追及権の現状 |work=文化審議会著作権分科会国際小委員会(第2回)2018年12月19日開催配布資料 |publisher=[[文化庁]] |date=2018-12-19 |accessdate=2019-07-29}}</ref>。
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{{Tree list/end}}
米国著作権法では著作者人格権の保護対象が狭い、と他国から批判を受けている。しかしこれに対し米国は、著作者人格権のうち、ベルヌ条約が求めている同一性保持権 (著作者に無断で内容を改変されない権利) と氏名表示権 (著作物を発表する際に、実名・変名・無名など著作者名の表記を選択できる権利) の2点については{{Refnest|group="註"|著作者人格権の一部である同一性保持権と氏名表示権については、ベルヌ条約発効時の原条約には含まれていなかったものの、1928年のローマ改正時に追加となっている{{Sfn|山本隆司|2008|pp=9–19}}。}}、米国内では著作権法ではなく、{{仮リンク|ランハム法|en|Lanham Act}}で保護されていると解されている{{Sfn|山本隆司|2008|pp=9–19}}。ランハム法とは、[[商標法]]に[[不正競争防止法]]の要素を足した法律であるが、純粋な産業財だけでなく、文化寄りの作品にも適用される{{Sfn|Leaffer|2008|pp=174–175}}。著作権法とランハム法の両方が問われた裁判として、[[ドワイト・D・アイゼンハワー|アイゼンハワー]]大統領による戦争回想録のテレビ番組を巡る「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#ダスター対20世紀フォックス裁判|ダスター対20世紀フォックス裁判]]」も参照のこと。
また、著作権と意匠権 (米国連邦特許法 [https://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title35-section171&num=0&edition=prelim 合衆国法典第35編第171条]) の関係を巡っては、応用美術 (工業デザイン) の領域で多くの判例が存在し、また法学的にも議論がなされてきた。このトピックにおけるリーディング・ケースが先述の「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#メイザー対ステイン裁判|メイザー対ステイン裁判]]」である。このケースでは、卓上ランプという機能的な日用品には著作権上の表現性はないが、芸術表現性が認められるダンサー像がランプに飾られており、ダンサー像のデザインを物理的に分離可能であることから、この卓上ランプの模倣が著作権侵害に当たると連邦最高裁によって判示された。メイザー判決以前は、このような応用美術が意匠特許法だけでしか保護されないのか、それとも著作権法でも二重保護されうるのか判然としなかったが、メイザー判決によって二重保護が認められるようになった{{Sfn|Leaffer|2008|pp=164–166}}。
==== 合衆国憲法との関係 ====
主に合衆国憲法と著作権法の関係が問われるのは、特許・著作権条項 (合衆国憲法 第1条第8項第8条)、州際取引条項 (合衆国憲法 第1条第1項第3号)、表現の自由 ([[権利章典_(アメリカ)#修正第1条|憲法修正第1条]]) の3点である。
;: 州際取引条項
: TRIPS協定では、未固定の音楽実演の保護を第14条第1項で求めている。しかし先述の通り、特許・著作権条項に基づき、米国著作権法では固定された著作物しか保護されないと解されている。そこで、合衆国憲法第1条第1項第3号の「州際取引条項」に基づいて、米国著作権法の[http://uscode.house.gov/view.xhtml?req=granuleid:USC-prelim-title17-section1101&num=0&edition=prelim 第1101条]で未固定の音楽実演の保護規定を追加し、TRIPS協定に対応している{{Sfn|山本隆司|2008|p=19}}。この規定に従うと、たとえば音楽バンドのライブ演奏会場で、観客が無断でビデオ撮影し、そのデジタルファイルをインターネット上にアップロードする行為は禁止される。ただし、州際取引条項は米国内の州をまたぐ (または国をまたぐ) 行為にのみ適用されるため{{Sfn|山本隆司|2008|p=32}}、仮に無断撮影したライブ音楽をCD-ROMに焼いて、どこかの州内に限って配ったり販売した場合には違法とはならない。
;: 表現の自由
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=== 合衆国著作権局 ===
USCOは[[アメリカ議会図書館]]の一部局であり、議会図書館は連邦議会 (つまり立法府) の一組織である<ref group="註">日本の類似機能としては、[[文化庁]]著作権課 (前身は文部省文化局) がこれに該当するが、文化庁著作権課が行政府の一機能であるのに対し、USCOは組織定義上は立法府の一機関という差異がある。</ref>。これは元々、議会図書館が世の中の著作物を広く収集し、新たな法律の作成・改正の際の調査分析に役立てるために存在しているからである<ref name=USCO-About>{{Cite web |title=Overview of the Copyright Office |trans-title=アメリカ合衆国著作権局の概要 |url=https://www.copyright.gov/about/ |publisher=[[アメリカ合衆国著作権局]] |accessdate=2019-02-17 |language=en}}</ref>。著作権者の名義登録が不要になった現在でも、著作物の納付が義務付けられているのはこのためである。2018年度の実績報告によると<ref group="註">米国政府のfiscal yearは暦年とは一致しておらず、2018年度とは2017年10月
ベルヌ条約の批准に伴い、無方式主義を米国も採用するようになったことから<ref name=Rep-Berne-Kobayashi>{{Cite web |title=アメリカのベルヌ条約加入と著作権法 |url=http://current.ndl.go.jp/ca642 |author=小林正 |work=カレントアウェアネス No.125 |publisher=国立国会図書館 |date=1990-01-20 |accessdate=2019-02-17}}</ref>、著作権保護の観点ではUSCOへの著作物の登録は必須ではなくなった{{Refnest|group="註"|ただし著作権侵害などで訴訟を起こす際には、米国籍の著作者あるいは米国で発表された著作物に限り、USCOへの著作物の事前登録が必要となる<ref name=Rep-Berne-Kobayashi/>。}}。その反動で、著作物を利用したくとも許諾を求める相手が不明な著作物 (orphan works、直訳は[[権利の所在が不明な著作物|孤児著作物]]) が増加し、著作物の社会利用が妨げられるジレンマを抱えるようになった<ref name=USCO-DigitalOrphanRep2015>{{Cite web |url=https://www.copyright.gov/orphan/reports/orphan-works2015.pdf |title=Orphan Works and Mass Digitization - A Report of the Register of Copyrights |trans-title=著作権者不明の著作物と大衆デジタル化 - 著作権登録に関する調査レポート |publisher=[[アメリカ合衆国著作権局]] |format=PDF |date=2015-06 |accessdate=2019-02-22 |language=en}}</ref>。
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* {{仮リンク|1909年の著作権改正法|en|Copyright Act of 1909}} (Copyright Act of 1909) - 著作権保護期間を28年 + 更新延長28年に改正
* {{仮リンク|1976年の著作権改正法|en|Copyright Act of 1976}} (Copyright Act of 1976) - 20世紀最大の改正。著作権保護期間を75年または著作者の死後から50年に改正。未発表の著作も保護対象化
* {{仮リンク|1988年のベルヌ条約
* [[著作権延長法|ソニー・ボノ著作権延長法]] (Copyright Term Extension ActまたはSonny Bono Act) - 1998年制定。著作権保護期間を出版から95年または創作から120年、または著作者の没後70年に改正
* [[デジタルミレニアム著作権法]] (Digital Millennium Copyright ActまたはDMCA) - 1998年制定。[[WIPO著作権条約]]に則して、デジタル著作物に関する著作権侵害の罰則と免責を明確化
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20世紀最大の改正と言われるのが、1976年制定・1978年施行の改正法である。これにより国際水準からの遅れを取り戻し、1988年にベルヌ条約批准に至っている<ref name=History-Act1976-2>{{Cite web |url=https://www.copyright.gov/reports/guide-to-copyright.pdf |quote='' The
new law supersedes the Copyright Act of 1909, as amended, and is the first extensive revision of the 1909 law.'' |title=General Guide to the Copyright Act of 1976 |date=1977-09 |publisher=[[アメリカ合衆国著作権局]] |accessdate=2019-08-13 |language=en}}</ref>。この背景には、1970年代から80年代にかけての米国の貿易赤字問題がある。著作権や特許権などの知的財産権を国際水準で保護することで、米国企業の国際競争力を回復させる必要性があった{{Sfn|木棚照一|2009|p=79}}。また、1984年に米国が[[UNESCO]]から脱退<ref name=UNESCO-US-1984>{{Cite web |url=https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/10/post-8690.php |title=アメリカの「今さら」ユネスコ脱退で増す中国の影響力 |author=ジョシュア・キーティング |publisher=[[Newsweek]]日本版 |date=2017-10-20 |accessdate=2019-09-24 |quote=1984年、レーガン政権はユネスコの事業がソ連の影響を受けて政治的に左傾化したとみなし、脱退に踏み切った。}}</ref>したことも、ベルヌ条約批准と関係している{{Sfn|Leaffer|2008|pp=15–15}}。当時の米国は[[万国著作権条約]]に加盟していたが、この条約がUNESCO管理 ([[寄託 (国際法)|寄託]]) であったことから、UNESCO脱退後に代替となる著作権条約に加盟し、著作権政策の国際的な発言権を維持・強化する必要があった{{Sfn|Leaffer|2008|pp=15–15}}。
その後1990年代には、インターネットの普及に呼応する形で、国際社会がデジタル著作物の法的保護に取り組み始めた
DMCA以来の大型法改正としては20年ぶりにあたる2018年10月、音楽著作物に限定する形で{{仮リンク|音楽近代化法|en|Music Modernization Act}} (Music Modernization Act、略称: MMA) が制定されている<ref name=MMA-USCO>{{Cite web |url=https://www.copyright.gov/music-modernization/ |title=Orrin G. Hatch—Bob Goodlatte Music Modernization Act |publisher=[[アメリカ合衆国著作権局]] |accessdate=2019-08-15}}</ref>。MMA成立の背景には、音楽[[ストリーミング配信]]サービスの普及に伴い、楽曲の権利者とストリーミング配信事業者との間で訴訟に発展するケースが増えたことが挙げられる<ref name=MMA-Blog>{{Cite web |url=https://pm-lawyer.com/海外進出・海外展開:アメリカで音楽著作権法を/ |title=海外進出・海外展開:アメリカで音楽著作権法を現代化する法律が成立 ストリーミングビジネスは要確認 |publisher=ファースト&タンデムスプリント法律事務所 |date=2019-01-08 |author=小野智博 (弁護士) |accessdate=2019-08-15}}</ref>。
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| 2,776 || 2,576 || 2,549 || 2,770 || 3,572 || 5,461 || 6,128 || 5,085 || 5,823 || -- || --
|-
! 商標権
| 3,696 || 3,877 || 3,987 || 4,236 || 4,098 || 3,911 || 3,713 || 4,341 || 3,594 || -- || --
|-
561 ⟶ 574行目:
=== フェアユース採用の評価 ===
{{See also|en: Limitations and exceptions to copyright}}
米国著作権法の第107条では、著作物を無断で利用しても著作権侵害に当たらないケースを抽象的・一般的な基準で定めた[[フェアユース]]の法理が採用されている<ref group="註">米国同様に英米法
フェアユースの法理を採用するかは、法的な安定性と柔軟性のどちらを重視するかに依存する。EUのように限定列挙すれば、著作権者にとっては著作財産権の価値が高まると同時に、著作物の創作のための投資と回収の見通しが立ちやすくなる。一方で米国のように一般的な基準を設け、個別判断は裁判所に任せることで、著作物の内容や流通経路といった社会的・技術的な変化にも対応しやすくなるメリットが考えられる{{Sfn|中山信弘|2014|pp=395–397}}。日本においても、過去にはフェアユース導入に否定的だったが、現代のインターネットによる著作権侵害の技術的複雑化を受け、司法判断に委ねるべきだと見解を翻す識者がいる{{Sfn|中山信弘|2014|pp=395–397}}。その一方で、著作権侵害のリスクをとっても起業し、問題が起これば事後的に司法で解決する米国のスタイルは、リスクテイクに慎重な日本の企業文化に馴染まないとして、日本版フェアユース導入への慎重論も根強い{{Sfn|小泉直樹|2010|pp=170–172}}。
579 ⟶ 592行目:
このユビキタス性を象徴する判例として、一連の「[[チャイヨー・プロダクション#ウルトラマン訴訟|ウルトラマン裁判]]」がある。特撮作品の『[[ウルトラシリーズ]]』の原作者・[[円谷英二]]が設立した[[円谷プロダクション]]が、同作品の独占的利用権を1976年に[[タイ王国|タイ]]企業の[[チャイヨー・プロダクション]]に譲渡していたかが問われた{{Sfn|小泉直樹・田村善之・駒田泰土・上野達弘|2019|pp=212–213|ps=--河野俊行による解説執筆}}。譲渡書は日本国外すべての地域を対象としていることから、[[著作権の準拠法]]における不法行為地の観点から、訴訟が世界各国で展開された。日本の最高裁は2004年、譲渡書の筆跡鑑定などを行わないまま、原告の円谷プロダクション敗訴を下している。中国においても、円谷の敗訴。しかしタイ最高裁は2008年、譲渡書のサインが異なることから偽物だと判定し、円谷の勝訴となっていた。2018年、米国カリフォルニア州中央区地方裁は譲渡書が偽物だとして、円谷の勝訴となっている<ref name=ToyoKeizai-Ultraman/><ref name=HuffPo-Ultraman/><ref name=CL-Ultraman>{{Cite web |url=https://www.courtlistener.com/docket/5919144/um-corporation-v-tsuburaya-productions-co-ltd/?page=3 |title=UM Corporation v. Tsuburaya Productions Co. Ltd. (2:15-cv-03764) |publisher=Court Listener |date=2019-01-21 |accessdate=2019-06-14}}</ref>。
;
[[#消尽論|消尽論]]関連では、2013年最高裁判決の「[[著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)#カートサン対ワイリー裁判|カートサン対ワイリー裁判]]」が知られている。[[タイ王国|タイ]]人留学生が、米国とタイで販売される同一の教科書の価格差に着目し、タイから逆輸入してオークションサイトの[[eBay]]で転売した事件である<ref name=Wiley-CNN>{{Cite web |url=https://edition.cnn.com/2012/10/26/justice/court-student-copyright/index.html |title=Supreme Court to hear arguments in case of student who resold books |trans-title=学生が中古販売した書籍を巡って最高裁が聴聞 |first=Bill |last=Mears |publisher=[[CNN]] |date=2012-10-27 |accessdate=2019-04-23 |language=en}}</ref>。2013年、二審の判決を覆す形で、最高裁はカートサン無罪の判決を下した。この判決により、米国の著作物が米国外で複製印刷・販売され、再び米国内に逆輸入した際にも、米国著作権法 第109条が定める消尽論が適用されることが判示された<ref name=BunkaRep2016/>。
604 ⟶ 617行目:
=== 引用文献 ===
; 主要文献 (50音・アルファベット順)
* {{Cite book|和書|title=アメリカ著作権法の基礎知識 |edition=第2版 |author=山本隆司 |publisher=太田出版 |year=2008 |isbn=978-4-7783-1112-4 |ref=harv}} - 米国と日本の知的財産法に通じた弁護士の著作で、米国著作権法の逐条解説や判例の日米比較など広範にカバー<!-- 中級~上級者向けだが読みやすい。産業政策論、哲学者ジョン・ロックに基づく労働理論など、思想にも一部言及 -->▼
* {{Cite book|和書|title=アメリカ著作権法 |last=Leaffer |first=Marshall A. |translator=牧野和夫 |series=LexisNexis アメリカ法概説 (5) |publisher=レクシスネクシス・ジャパン |origyear=2005 |year=2008 |isbn=978-4-8419-0509-0 |ref=harv}} - "''Understanding Copyright Law, 4th edition''" の日本語訳。著作権侵害の判定基準や法理、実際の判例などが充実した、ロースクールの教科書的解説<!-- かなり読みづらい。訳者の問題ではなく筆者の文体が元々クネクネしている -->▼
* {{Cite book |和書 |author=岡本薫 |title=著作権の考え方 |publisher=岩波書店 |series=岩波新書 (新赤版) 869 |year=2003 |isbn=4-00-430869-0 |ref=harv}} - 著作権の基本的な考え方を紹介するとともに、日本の文化庁国際著作権課長などの職務経験から、米国著作権法も主に批判的見地で解説<!-- 初心者向け。アンチ米国のトーンがやや強いので中立性の観点に注意 -->
* {{Cite book|和書|title=国際知的財産法 |author=木棚照一 |publisher=日本評論社 |edition=第1版 |year=2009 |isbn=978-4-535-51678-6 |url=https://www.nippyo.co.jp/shop/book/4482.html |ref=harv}} - 著作権以外に特許権や商標権など、知的財産権を包含して世界主要国の法制度と歴史を分析
* {{Cite book|和書|title=アメリカ著作権法の形成 |author=松川実 |series=青山学院大学法学叢書 第2巻 |publisher=日本評論社 |year=2014 |isbn=978-4-535-52052-3 |ref=harv}} - 米国のイギリス植民地時代から1790年の連邦初の米国著作権法成立までの歴史と思想を解説
▲* {{Cite book|和書|title=アメリカ著作権法の基礎知識 |edition=第2版 |author=山本隆司 |publisher=太田出版 |year=2008 |isbn=978-4-7783-1112-4 |ref=harv}} - 米国と日本の知的財産法に通じた弁護士の著作で、米国著作権法の逐条解説や判例の日米比較など広範にカバー<!-- 中級
▲* {{Cite book|和書|title=アメリカ著作権法 |last=Leaffer |first=Marshall A. |translator=牧野和夫 |series=LexisNexis アメリカ法概説 (5) |publisher=レクシスネクシス・ジャパン |origyear=2005 |year=2008 |isbn=978-4-8419-0509-0 |ref=harv}} - "''Understanding Copyright Law, 4th edition''" の日本語訳。著作権侵害の判定基準や法理、実際の判例などが充実した、ロースクールの教科書的解説<!-- かなり読みづらい。訳者の問題ではなく筆者の文体が元々クネクネしている -->
* {{Cite journal|title=Law and Technology {{!}} Fair Use in Europe |trans_title=法と科学技術 {{!}} 欧州におけるフェアユース |journal=Communications of the ACM |url=https://www.ivir.nl/publicaties/download/Communications_ACM.pdf |volume=56 |issue=5 |last=Hugenholtz |first=Bernt |publisher=[[アムステルダム大学]]情報法研究センター |year=2013 |format=PDF |doi=10.1145/2447976.2447985 |language=en |ref=harv}} -- 国際著作権法に通じた[[アムステルダム大学]]教授による執筆記事 ([[WIPO]]による[https://www.wipo.int/meetings/en/2011/wipo_cr_wk_ge_11/bios/hugenholtz.html 著者略歴紹介ページ])▼
; 補完的文献 (50音・アルファベット順)
* {{Cite journal|title=Flexible Copyright: The Law and Economics of Introducing an Open Norm in the Netherlands |trans_title=著作権の柔軟性: オランダにおけるオープンアクセス規範の導入に関する法的および経済的考察 |url=https://www.ivir.nl/publicaties/download/Flexible_Copyright.pdf |journal=SEO-rapport nr. 2012-60, Study commissioned by the Dutch Ministry of Economic Affairs, Agriculture & Innovation |last= van der Noll |first=Rob et al. |publisher=[[アムステルダム大学]]情報法研究センター |year=2012 |format=PDF |language=en |ref=harv}} -- 欧州におけるデジタル著作物の著作権侵害ケースなどを例示▼
* {{Cite journal |url=http://eprints.lse.ac.uk/88098/1/Brown-Pedersen_2018.pdf |title=The Inadequacy of UK Moral Rights Protection: A Comparative Study on the Waivability of Rights and Recontextualisation of Works in Copyright and Droit D'auteurs Systems |last=Brown-Pedersen |first=Jonas |journal=LSE Law Review |volume=3 |format=PDF |publisher=[[ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス]] |year=2018 |ref=harv |language=en}} - 米国同様に英米法を採用する英国における著作者人格権の問題点を考察▼
* {{Cite journal|和書|title=フランス著作権制度の概要とコンテンツの法的保護 |issue=一般社団法人 デジタルコンテンツ協会が2005年11月24日に開催したセミナー議事録の加筆版 |author=井奈波朋子 |publisher=龍村法律事務所 |year=2006 |format=PDF |url=http://www.tatsumura-law.com/attorneys/tomoko-inaba/column/wp-content/uploads/2016/05/051124DCAJ.pdf |ref=harv}} - 英米法と対極にある大陸法を採用するフランス著作権法の解説▼
* {{Cite journal|和書|url=https://www.taf.or.jp/files/items/570/File/001.pdf |title=フランス Hadopi 法の終焉と著作権侵害に伴うインターネット規制のあり方 |series= 2013年度 研究調査助成 |author=麻生典 |publisher=公益社団法人 [[電気通信普及財団]] |year=2013 |format=PDF |ref=harv}}
▲* {{Cite journal|和書|title=フランス著作権制度の概要とコンテンツの法的保護 |issue=一般社団法人 デジタルコンテンツ協会が2005年11月24日に開催したセミナー議事録の加筆版 |author=井奈波朋子 |publisher=龍村法律事務所 |year=2006 |format=PDF |url=http://www.tatsumura-law.com/attorneys/tomoko-inaba/column/wp-content/uploads/2016/05/051124DCAJ.pdf |ref=harv}} - 英米法と対極にある大陸法
* {{Cite book|和書|title=なるほど図解 商標法のしくみ |author=奥田百子 |publisher=中央経済社 |edition=第3版 |year=2014 |isbn=978-4-502-12081-7 |ref=harv}} - 著作権法と商標法の関係説明に使用▼
* {{Cite book|和書|title=知的財産法入門 |author=小泉直樹 |publisher=岩波書店 |series=岩波新書 (新赤版) 1266 |year=2010 |isbn=978-4-00-431266-6 |ref=harv}}▼
* {{Cite journal |和書 |title=著作権判例百選 |url=http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641115422 |journal=別冊ジュリスト |author=小泉直樹・田村善之・駒田泰土・上野達弘 |publisher=[[有斐閣]] |series=第6版 |year=2019 |isbn=978-4-641-11542-2 |ref=harv}} - 日本の判例のみ収録。著作権の準拠法の観点で一部引用▼
* {{Cite journal |和書 |title=知的財産に関する新たな国際的枠組の発足 |author=玉井克哉 |journal=ジュリスト |publisher=[[有斐閣]] |issue=1071 |year=1995 |month=07 |url=http://www.yuhikaku.co.jp/jurist/detail/014674 |ref=harv}}<!-- 田村氏の書籍から孫引き -->▼
* {{Cite book |和書 |title=著作権法概説 |author=田村善之 |year=1998 |publisher=[[有斐閣]] |isbn=4-641-04473-2 |ref=harv}} - 日本の著作権法および国際条約のみ解説<!-- 日本の著作権法の有名学者で教科書的な網羅性だが、他国は詳しくない -->
* {{Cite book|和書|title=著作権法 |author=中山信弘 |authorlink=中山信弘 |publisher=有斐閣 |edition=第2版 |year=2014 |isbn=978-4-641-14469-9 |ref=harv |url=http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641144699}}
* {{Cite book |和書 |title=著作権法入門 2007 |author=文化庁 |publisher=社団法人 [[著作権情報センター]] (CRIC) |year=2007 |isbn=978-4-88526-057-5 |ref=harv}} - 日本の著作権法および国際条約のみ解説<!-- 日本の著作権法中心だが、田村氏より図解が多くて読みやすい -->
▲* {{Cite journal |url=http://eprints.lse.ac.uk/88098/1/Brown-Pedersen_2018.pdf |title=The Inadequacy of UK Moral Rights Protection: A Comparative Study on the Waivability of Rights and Recontextualisation of Works in Copyright and Droit D'auteurs Systems |last=Brown-Pedersen |first=Jonas |journal=LSE Law Review |volume=3 |format=PDF |publisher=[[ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス]] |year=2018 |ref=harv |language=en}} - 米国同様に英米法
▲* {{Cite journal |和書 |title=知的財産に関する新たな国際的枠組の発足 |author=玉井克哉 |journal=ジュリスト |publisher=[[有斐閣]] |issue=1071 |year=1995 |month=07 |url=http://www.yuhikaku.co.jp/jurist/detail/014674 |ref=harv}}<!-- 田村氏の書籍から孫引き -->
* {{Cite book|last1=Gross |first1=Larry P.|last2=Katz |first2=John Stuart |last3=Ruby |first3=Jay |title=Image Ethics in the Digital Age |url=https://books.google.com/books?id=kvnFOuS6UlEC&pg=PA168 |year=2003 |publisher=[[ミネソタ大学]]出版会 |isbn=978-0-8166-3825-3 |ref={{SfnRef|Gross, Katz & Ruby|2003}}}}
▲* {{Cite journal |和書 |title=著作権判例百選 |url=http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641115422 |journal=別冊ジュリスト |author=小泉直樹・田村善之・駒田泰土・上野達弘 |publisher=[[有斐閣]] |series=第6版 |year=2019 |isbn=978-4-641-11542-2 |ref=harv}} - 日本の判例のみ収録。著作権の準拠法の観点で一部引用
▲* {{Cite journal|title=Law and Technology {{!}} Fair Use in Europe |trans_title=法と科学技術 {{!}} 欧州におけるフェアユース |journal=Communications of the ACM |url=https://www.ivir.nl/publicaties/download/Communications_ACM.pdf |volume=56 |issue=5 |last=Hugenholtz |first=Bernt |publisher=[[アムステルダム大学]]情報法研究センター |year=2013 |format=PDF |doi=10.1145/2447976.2447985 |language=en |ref=harv}} -- 国際著作権法に通じた[[アムステルダム大学]]教授による執筆記事 ([[WIPO]]による[https://www.wipo.int/meetings/en/2011/wipo_cr_wk_ge_11/bios/hugenholtz.html 著者略歴紹介ページ])
▲* {{Cite book|和書|title=なるほど図解 商標法のしくみ |author=奥田百子 |publisher=中央経済社 |edition=第3版 |year=2014 |isbn=978-4-502-12081-7 |ref=harv}} - 著作権法と商標法の関係説明に使用
▲* {{Cite journal|title=Flexible Copyright: The Law and Economics of Introducing an Open Norm in the Netherlands |trans_title=著作権の柔軟性: オランダにおけるオープンアクセス規範の導入に関する法的および経済的考察 |url=https://www.ivir.nl/publicaties/download/Flexible_Copyright.pdf |journal=SEO-rapport nr. 2012-60, Study commissioned by the Dutch Ministry of Economic Affairs, Agriculture & Innovation |last= van der Noll |first=Rob et al. |publisher=[[アムステルダム大学]]情報法研究センター |year=2012 |format=PDF |language=en |ref=harv}} -- 欧州におけるデジタル著作物の著作権侵害ケースなどを例示
▲* {{Cite book|和書|title=知的財産法入門 |author=小泉直樹 |publisher=岩波書店 |series=岩波新書 (新赤版) 1266 |year=2010 |isbn=978-4-00-431266-6 |ref=harv}}
== 外部リンク ==
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