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{{出典の明記|date=2012年9月}}
{{Portal クラシック音楽}}
[[西洋音楽]]において、'''楽章'''(がくしょう)とは[[楽曲|曲]]をいくつかに分けたそれぞれの部分を指す。
伝統的な西洋音楽において、ひとつの楽曲の中がさらにいくつかに分かれていて、それらがあたかも別の楽曲であるかのようにある程度の独立性を持っているとき、それらを'''楽章'''と呼ぶ。最初の楽章から「第1楽章」−「第2楽章」−...のように呼ぶ。また最後の楽章を特に「終楽章」「フィナーレ」と呼ぶことがある。
 
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通例として楽章を持つ楽曲は、[[交響曲]]、[[協奏曲]]、[[ソナタ]]、[[弦楽四重奏曲]]などである。
 
なお、[[組曲]]や、[[オペラ]]、[[バレエ]]ほか[[劇付随音楽]]の場合には、楽章と呼ばない。
 
==楽章の構成==
楽章の数は、3か4が基本であり、交響曲では4楽章が多く、協奏曲では3楽章がほとんどである。
 
===バロック時代===
[[バロック音楽|バロック時代]]には、次のような楽章の組み合わせが見られた。
 
====教会ソナタ形式====
{{seealso|教会ソナタ}}
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===古典派以降===
[[古典派音楽|古典派]]以降の作品では、4楽章のものでは急−緩−舞曲−急、3楽章のものでは急−緩−急の組み合わせが多い。
 
====4楽章のもの====
*第一楽章:急
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===ロマン派以降===
ロマン派以降では、上記に加えてさまざまな形式が現れるようになった。
 
====1楽章のもの====
楽章がひとつしかない例もある。このようなものの中には、1つの楽章のなかの各部分が多楽章を構成するかのような例もある。([[フランツ・リスト|リスト]]の[[ピアノ協奏曲第1番 (リスト)|ピアノ協奏曲第1番]]、[[ピアノソナタ (リスト)|ピアノソナタ]]など。)
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====きわめて多数の楽章からなるもの====
5楽章、6楽章からなる作品も古典派以前にいくつか見られたが、後期ロマン派から近代以降ではそれが一般化してくる。
 
====曲としての統一性====
前古典派までの作品では楽章間に大きな関連性が見られないため、それらの各楽章で1つの楽曲を作るには統一性がやや欠けていたが、[[フランツ・ヨーゼフ・ハイドン|ハイドン]]は異なる楽章間の主題に関連性を持たせ、楽曲としての統一性を図るようになった。ロマン派時代に入ると、作品の構築性よりも感情表現やそのための旋律性が重視されたため、再び楽章間の統一性が脆弱になる傾向が生まれた。これを克服するため、[[エクトル・ベルリオーズ|ベルリオーズ]]やリストは各楽章間の旋律の共通性をより重視した[[循環形式]]を強化した。この傾向は後には[[セザール・フランク|フランク]]に特に強く受け継がれた。曲としての統一性、という概念に大きく貢献した作品としては、ベートーヴェンの諸作品(とりわけ[[交響曲第5番 (ベートーヴェン)|交響曲第5番]])、ベルリオーズの[[幻想交響曲]]、フランクの[[交響曲 (フランク)|交響曲]]などがある。
 
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なお、[[組曲]]や、[[オペラ]]、[[バレエ]]ほか[[劇付随音楽]]の場合には、楽章と呼ばない。
 
[[Category:楽式|かくしよう]]