「十二国」の版間の差分

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基本的に官吏は国官と州官、文官と武官を問わず仙籍に登録され、これが仙の大部分を占める'''地仙'''(ちせん)である。官吏になったことにより仙になった者は官吏を辞職すると同時に仙籍も返上するが、希に官を辞した者や[[神仙]]の親族、王の愛妾等、官以外の仙で王宮を離れた者がそれまでの功績によって仙籍をそのままにすることがある(梨耀がその例)。また、五山に仕える仙は天帝や西王母に請願を立てて五穀を絶つなどをして満願成就すると、崇山から迎えが来て仙になる。そうした王宮を離れたり自力昇仙した王に仕えていない仙は'''飛仙'''(ひせん)と総称される。飛仙の中でも特に伯位以上にある者(五山に仕える男仙女仙、自力昇仙の仙)は仙伯と呼ばれる。更に天界に属する仙は'''天仙'''(てんせん)と呼ばれ、王や麒麟と対等以上の存在として一般的に神と同列に扱われ、人界との交わりは制限される(天仙と神を総称して「'''天神'''」と呼ぶ)。
 
それぞれの関係は更夜を例にとると、雁国元州夏官射士に採用された時に雁国の仙籍に入り(地仙)、斡由の反乱後は仙籍はそのまま雁国を離れ(飛仙)、その後は仙籍は雁に残ったまま天仙(犬狼真君)となっている。また仙の種類や位は呼び名にも反映され、代表的なものとして自力昇仙した仙は「老」、伯位を持つ仙は「伯」を付けて呼ばれる。慶国の[[十二国記の登場人物#慶東国|遠甫]]を例にとると、王に仕えていない飛仙としては老松、達王に仕えていた時期(伯位を持つ地仙)は松伯と呼ばれる。
 
ある者が王になった場合には親兄弟、親族を仙籍に入れることができ、特に王の息子は'''太子'''、娘は'''公主'''と呼ばれる。またある者が仙になった場合、親子と配偶者は一緒に仙になることが出来るが、兄弟縁者の昇仙は許されない(ただし縁者は優先的に官吏への登用がある)。しかし、不老不死の体を不気味がる者もおり、官吏は転勤が多い事もあって、官吏になると同時に離婚するケースがある。官吏の親の場合は自分の子供達の間に線を引くこと(仙籍に入れない、官吏の兄弟姉妹と別れること)を嫌がり、仙籍に入らず他の子供と共に家に残る事が多い。
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== 地理 ==
[[Imageファイル:The Twelve Kingdoms.png|thumb|300px|十二国世界略地図]]
世界の中央に金剛山で囲まれた円形の島があり、その大半が'''黄海'''と呼ばれる場所で、中央に'''五山'''がある。黄海の外周を二つの[[楕円形]]が直角に組み合わさった花形の4つの内海が囲んでおり、その外側に花の形の大陸がある。更に大陸の周囲を囲む海を虚海と言い、四州国の虚海側の沖合い(角の部分付近は四大国の沖合いにある)に二等辺直角三角形の四島が斜辺を大陸に向けた配置で存在している。内海と虚海には、大陸寄りの小島を除いて陸地と呼べる島は存在しない。陸地は総じて外海側は断崖が多くて良港が少なく、[[艀]]を使わないと上陸できない港が多いのに対し、内海側はなだらかであり外海に比べて良港が多い。各国は必ず九州で構成され、内陸に有る首都州の周りを他の八州(余州)が取り囲む形に配置されている。空の上には雲海と呼ばれる海があり、陸には凌雲山と呼ばれる雲海を突き抜ける山が有る。人が住む世界は金剛山より外側の地域と定められ、金剛山には四箇所の門('''四令門''')が存在し、一般人は門以外から金剛山を越えることは出来ない。