「トムラウシ山遭難事故」の版間の差分

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* 12時頃、客10人(A、B、C、E、a、b、c、d、e、i)と付き添いのガイド丙(サブガイド)は、トムラウシ山頂を[[迂回]]し西側の平坦なコースで下山を続行した。一行はビバーク地点から少し離れた岩陰で昼食を摂ったのち出発したが、南沼キャンプ場手前で男性客Eと女性客eが列から遅れ出したため、男性客Eには男性客B、女性客eには女性客bに付き添った<ref name="tomuraushiyamareport"></ref>。
*このとき、ガイド丙は遅れた人を待つことなく大急ぎで進んだため列が伸びて全員を確認できなくなった<ref name="NHKクローズアップ現代"/>。ガイド丙のそばにいた女性客aは、「どなたもついてきていませんよ。待ってあげなくていいんですか」と声をかけたが、ガイド丙は「救助を呼ばなきゃいけないから、早く下りる」と答えた<ref>{{Cite book|和書 |author= |year=2010 |month=7 |title=トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか |publisher=[[山と渓谷|山と溪谷社]] |pages=85 |isbn=9784635140140}}</ref>。
*女性客bは歩けなくなった女性客eに手を貸していたが、トムラウシ分岐の少し先で倒れている女性客dを発見し、2人の腕を抱えながら下山を開始した<ref>{{Cite book|和書 |author= |year=2010 |month=7 |title=トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか |publisher=[[山と渓谷|山と溪谷社]] |pages=88 |isbn=9784635140140}}</ref>。そこへ男性客Cが通りがかったため、bはサポートを依頼した。その後Cとbは2人を引っ張って[[雪渓]]を滑り降りたが、Cは「自分のやれる範囲を超えている」と思い、1人で歩き始め去った<ref>{{Cite book|和書 |author= |year=2010 |month=7 |title=トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか |publisher=[[山と渓谷|山と溪谷社]] |pages=88-90 |isbn=9784635140140}}</ref>。bはなおも2人を引っ張って歩いたが、足がつりそうになったため岩陰に腰を下ろした。この時点ではd、eの意識はあった<ref>{{Cite book|和書 |author= |year=2010 |month=7 |title=トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか |publisher=[[山と渓谷|山と溪谷社]] |pages=90 |isbn=9784635140140}}</ref>。
*13時30分頃、男性客Bは意識朦朧とするしてしゃがみ込んだ男性客Eの救助サポートを試みるが、やむなく諦めて先へ進むと女性客3人(b、d、e)に追いついた。bは追いついてきたBに対してd、eのサポートを頼むと、ガイド丙を呼ぶために先行した<ref name="tomuraushiyamareport"></ref><ref>{{Cite book|和書 |author= |year=2010 |month=7 |title=トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか |publisher=[[山と渓谷|山と溪谷社]] |pages=90-91 |isbn=9784635140140}}</ref>。
*男性客Bは女性客d、eとともにトムラウシ公園上部まで進んだ。13時40分、d、eは意識不明となり、呼びかけにも応えなくなったためBは救助サポートを諦めて2人のもとを離れた<ref name="tomuraushiyamareport"></ref><ref>{{Cite book|和書 |author= |year=2010 |month=7 |title=トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか |publisher=[[山と渓谷|山と溪谷社]] |pages=91-93 |isbn=9784635140140}}</ref>。
*男性客Cはトムラウシ公園付近でビバークのための場所を探したが、追いついてきた女性客bに「ビバークしたら死んじゃう。一緒に頑張りましょう」と励まされ、歩き出した<ref>{{Cite book|和書 |author= |year=2010 |month=7 |title=トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか |publisher=[[山と渓谷|山と溪谷社]] |pages=103 |isbn=9784635140140}}</ref>。
* 14時頃、前トム平とコマドリ沢分岐の間でガイド丙が座り込んだ。女性客aが「起きて。子どももいるんでしょ」と声をかけたら、ガイド丙は立ち上がって再び歩き始めた<ref>{{Cite book|和書 |author= |year=2010 |month=7 |title=トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか |publisher=[[山と渓谷|山と溪谷社]] |pages=96 |isbn=9784635140140}}</ref>。
*15時ごろ、ガイド丙と女性客aが「前トム平」に到着した。aは1人残されて迷い戻っても分かるよう写真を頼んだが、ガイド丙にその余裕がなかったため自分で撮影した。霧や雲で視界は悪かったが、この時点で雨や風は弱まっていたという。aは地図を持参していたが前トム平以降は位置がよく分からなかったという<ref name="北海道新聞">北海道新聞7月28日 トムラウシ遭難 下山目印 緊迫の一枚</ref>。
* 写真撮影の少し後、偶然女性客aの夫からaの携帯電話に着信があり、ガイドに頼まれ最初の110番通報を行った(15時55分)。警察に現在地を聞かれガイド丙に代わったが、ガイド丙もろれつが廻らない状態だったという<ref name="北海道新聞"/>。やがてaの携帯電話のバッテリーが切れたため、ガイド丙は自分のザックから携帯電話を取り出して連絡を試みたが、ガイド丙は[[ハイマツ]]の上に寝そべってメールを打ち続けた。そのうち男性客Aが下りてきて、aはAとともにガイド丙を40分以上励まし続けたがガイド丙は歩くことができず、ガイド丙を残してAとともに下山を続行した<ref>{{Cite book|和書 |author= |year=2010 |month=7 |title=トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか |publisher=[[山と渓谷|山と溪谷社]] |pages=98-100 |isbn=9784635140140}}</ref>。
*続いて下山してきた女性客bと男性客Cは、ハイマツの上に倒れ意識朦朧としているガイド丙に遭遇した。bはガイド丙を励ましたが、Cは一声だけかけて先に一人で下りて行った<ref>{{Cite book|和書 |author= |year=2010 |month=7 |title=トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか |publisher=[[山と渓谷|山と溪谷社]] |pages=104-105 |isbn=9784635140140}}</ref>。bはその後もしばらくガイド丙に声をかけ続けていたが、そこへ下りてきた男性客Bと相談し、ガイド丙をその場に残して2人で下山することを決めた<ref name="tomuraushiyamareport"></ref><ref>{{Cite book|和書 |author= |year=2010 |month=7 |title=トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか |publisher=[[山と渓谷|山と溪谷社]] |pages=105-106|isbn=9784635140140}}</ref>。
*19時頃、男性客Bと女性客bは男性客Cと遭遇した。3人はしばらく一緒に行動したが、Cは途中でビバークすることを決め、2人と別れ30分ほど仮眠した<ref>{{Cite book|和書 |author= |year=2010 |month=7 |title=トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか |publisher=[[山と渓谷|山と溪谷社]] |pages=107-109 |isbn=9784635140140}}</ref>
*女性客cは女性客iと行動をともにしていた。16時頃に2人はトムラウシ公園上部で休憩をとったが、iは座り込んだまま動かなくなった。cはiにシュラフをかけて介抱したが、16時28分、iは仰向けに倒れ意識不明となった<ref>{{Cite book|和書 |author= |year=2010 |month=7 |title=トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか |publisher=[[山と渓谷|山と溪谷社]] |pages=86-88 |isbn=9784635140140}}</ref>。18時半頃、cはiが冷たくなっていることを確認したが、夜間の下山を避けるためビバークして救助を待つことに決めた<ref>{{Cite book|和書 |author= |year=2010 |month=7 |title=トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか |publisher=[[山と渓谷|山と溪谷社]] |pages=94 |isbn=9784635140140}}</ref>。