「コメンスメント・ベイ級航空母艦」の版間の差分

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{|class="wikitable" style="clear:right; float:right; margin: 0em 0em 1em 1em; width: 300px; background:#ffffff"
{{Infobox navyshipclass
|-
|艦級名! colspan=2 style="color: white; height: 30px; background: navy;" | コメンスメント・ベイ級航空母艦
|画像=[[Image:USS Rendova.jpg|300px|レンドバ(USS Rendova)]]
|-
|艦種=[[護衛空母]]
| colspan=2 align=center | [[File:USS Commencement Bay (CVE-105) c1944.jpeg|320px|center|thumb|「コメンスメント・ベイ」(1944年)]]
|艦名=海軍に関連のある地名、および戦場名
|-
|同型艦=<!--省略可能-->
! colspan=2 style="color: white; height: 30px; background: navy;" | 基本情報
|前級=[[カサブランカ級航空母艦|カサブランカ級]]
|-
|次級=<!--省略可能-->
| 艦種 || colspan=3 | [[護衛空母]]
|排水量=基準:11,373[[トン数|トン]]
|-
|全長=169.9m
| 艦名 || colspan=3 | 湾、戦場等の地名
|全幅=32.05m
|-
|吃水=8.5m
| 前級 || colspan=3 | [[カサブランカ級航空母艦|カサブランカ級]]
|機関=4基筒[[蒸気タービン]]×2基<br />[[スクリュープロペラ]]×2軸
|-
|機関出力=16,000[[馬力]]
|同型艦= 次級 || <!--省略可能-->
|速力=19kt
|-
|航続距離=
! colspan=2 style="color: white; height: 30px; background: navy;" | 性能諸元
|乗員=1,066名
|-
|兵装=[[Mk 12 5インチ砲|38口径5インチ単装砲]] 2基<br />[[ボフォース 40mm機関砲|40mm4連装機銃]] 3基<br />[[ボフォース 40mm機関砲|40mm連装機銃]] 12基<br />[[エリコンFF 20 mm 機関砲|20mm機銃]] 20基
| 排水量=基準:11 || 11,373[[トン数|トン]](基準)、24,100トン(満載)
|艦載機=[[戦闘機]]×18機<br />[[艦上攻撃機]]×12機
|-
|特殊装備=航空艤装: [[カタパルト]]2基、エレベーター2基
| 全長= || 169.9m(557 ft 7 in)
}}
|-
'''コメンスメント・ベイ級航空母艦'''(コメンスメントベイきゅう こうくうぼかん、{{Lang-en|''Commencement Bay''-class escort carrier}})は[[アメリカ海軍]]の[[護衛空母]]の艦級。
| 全幅= || 32.05m(105 ft 2 in)
 
|-
アメリカ海軍が[[第二次世界大戦]]に作った護衛空母の最後の艦級である。
| 吃水 || 9.8m(32')
|-
| 機関= ||4基筒[[蒸気タービン]]×2基<br />[[スクリュープロペラ]]×2軸
|-
| 出力 || 16,000hp
|-
| 速力 || 19.25[[ノット|kn]] (35 km/h)
|-
| 航続距離= ||
|-
| 乗員= || 士官、兵員1,066名
|-
| rowspan=3 | 兵装
| [[Mk 12 5インチ砲|38口径5インチ単装砲]]×2基
|-
| [[ボフォース 40mm機関砲|40mm機関砲]]×36門 (四連装3基、連装12基)
|-
| [[エリコンFF 20 mm 機関砲|エリコン20mm機銃]]×20基
|-
| レーダー || 対空捜索:SK、SK-2 <br/> 対水上捜索:SG <br/> 航空管制:YE
|-
|載機= || [[戦闘機]]×18機<br />[[艦上攻撃機]]×12機
|-
| style="white-space:nowrap; font-size:smaller" | エレベーター || 2基
|-
| style="white-space:nowrap; font-size:smaller" | カタパルト || 2基
}|}
'''コメンスメント・ベイ級航空母艦'''(コメンスメントベイきゅう こうくうぼかん、{{Lang-en|''Commencement Bay''-class escort carrier}})は[[アメリカ海軍]]の[[護衛空母]]の艦級。アメリカ海軍が護衛空母として建造した最後の艦級である
 
== 概要 ==
[[File:USS Sicily (CVE-118) underway in 1952.jpg|320px|left|thumb|14番艦「シシリー」(1952年)]]
コメンスメント・ベイ級航空母艦は1944年度計画で建造された護衛空母であり、前級の[[カサブランカ級航空母艦]]が1隻も起工されていない1942年10月から要目が検討され始めた<ref name="a">大塚「数は力 力は正義なり!護衛空母群の航空戦力」139ページ</ref>。[[サンガモン級航空母艦]]と同じく[[T2 タンカー|T2型油槽船]]を母体として作られたが、カサブランカ級と同様に改造ではなく船体の設計図面を流用し、改めて設計された上で建造される事となった。そのため、油槽船船体のシーアラインは見えなくなっている。当初、第一次発注分15隻と第二次発注分10隻、その他追加分10隻の合わせて35隻の建造が予定されていたが、設計作業の遅れから全体の建造スケジュールも遅れ、終戦により16隻がキャンセルされて第一次発注分全隻と第二次発注分のうちの5隻のみ完成した<ref name="b">大塚「数は力 力は正義なり!護衛空母群の航空戦力」140ページ</ref>。うち、[[第二次世界大戦]]に間に合ったのは10隻のみで、しかも既に大勢が決した時期の就役だったため、目立った戦果は見られない。
 
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先述のように就役時期の関係上、第二次世界大戦では目立った戦果は見られなかったが、1950年からの[[朝鮮戦争]]では護衛空母として唯一、第一線の現役艦として行動した<ref name="b"/>。
 
また、運用面で特筆すべき艦が何隻かある。二番艦ブロック・アイランドは、1945年2月に[[アメリカ海兵隊|海兵隊]]専用空母となり、[[F6F_(航空機)|F6Fヘルキャット]]の[[夜間戦闘機]]バージョンである F6F-5Nと[[F4U_(航空機)|F4Uコルセア]]を主兵力とする第511海兵戦闘飛行隊を中心とする第1海兵空母飛行群(MCVG-1)を搭載し、[[沖縄戦]]に参戦した<ref name="c">渡辺, 243ページ</ref>。海兵隊の戦闘機は1944年後半から[[正規空母]]に便乗する形で搭載されていたが、「海兵隊が独自に空母を持ち、そこから作戦させれば海軍の負担がいくらか減らせるのでは」という発想から海兵隊独自の空母運用が検討され始め、その結果として何隻かのコメンスメント・ベイ級が海兵隊の空母として運用されたわけである<ref name="c"/>。
 
以後、ギルバート・アイランズに第2海兵空母飛行群<ref name="d">渡辺, 244ページ</ref>、ヴェラ・ガルフに第3海兵空母飛行群<ref name="d"/>、ケープ・グロスターに第4海兵空母飛行群が搭載され<ref name="d"/>、このうちギルバート・アイランズは先述のブロック・アイランドとともに沖縄戦に参加。1945年5月31日、ギルバート・アイランズ搭載の第512海兵戦闘飛行隊の1機が[[慶良間諸島]]上空で[[一〇〇式司令部偵察機]]1機を撃墜<ref name="d"/>。その後、2隻は[[ボルネオ島]]方面に転戦([[ボルネオの戦い]])。7月3日に第511海兵戦闘飛行隊機が[[バリックパパン]]沖で[[零式水上偵察機]]1機を撃墜した<ref name="d"/>。ケープ・グロスターは7月に沖縄に到着し、約1ヶ月[[東シナ海]]方面での攻勢[[機雷]]散布作戦と爆撃支援に従事。作戦中に一〇〇式司令部偵察機や「[[彗星_(航空機)|彗星]]」などを撃墜した<ref name="d"/>。ヴェラ・ガルフは沖縄に到着した時に大戦が終結していた<ref name="d"/>。この他、クラ・ガルフが海軍の夜間戦闘機隊専用空母として整備されたが、出撃後すぐ終戦となり活躍の機会はなかった<ref>渡辺, 218ページ</ref>。
 
以後、ギルバート・アイランズに第2海兵空母飛行群<ref name="d">渡辺, 244ページ</ref>、ヴェラ・ガルフに第3海兵空母飛行群<ref name="d"/>、ケープ・グロスターに第4海兵空母飛行群が搭載され<ref name="d"/>、このうちギルバート・アイランズは先述のブロック・アイランドとともに沖縄戦に参加。1945年5月31日、ギルバート・アイランズ搭載の第512海兵戦闘飛行隊の1機が[[慶良間諸島]]上空で[[一〇〇式司令部偵察機]]1機を撃墜<ref name="d"/>。その後、2隻は[[ボルネオ島]]方面に転戦([[ボルネオの戦い]])。7月3日に第511海兵戦闘飛行隊機が[[バリックパパン]]沖で[[零式水上偵察機]]1機を撃墜した<ref name="d"/>。ケープ・グロスターは7月に沖縄に到着し、約1ヶ月[[東シナ海]]方面での攻勢[[機雷]]散布作戦と爆撃支援に従事。作戦中に一〇〇式司令部偵察機や「[[彗星_(航空機)|彗星]]」などを撃墜した<ref name="d"/>。ヴェラ・ガルフは沖縄に到着した時に大戦が終結していた<ref name="d"/>。この他、クラ・ガルフが海軍の夜間戦闘機隊専用空母として整備されたが、出撃後すぐ終戦となり活躍の機会はなかった<ref>渡辺, 218ページ</ref>。
なお、詳細な戦歴は各艦の項を参照されたい。
<gallery widths="300" heights="250">
File:F6F-5N of VMFN-511 on USS Block Island (CVE-106) off Okinawa 1945.jpg|thumb|沖縄で夜間戦闘機を発艦させる「ブロック・アイランド」(1945年5月10日)
File:Crewmen remove snow from flight deck of USS Badoeng Strait (CVE-116) with power brush in November 1950.jpeg|thumb|朝鮮戦争中、甲板の除雪作業を行う「バドエン・ストレイト」(1950年12月30日)
FILE:USS Annapolis (AGMR-1).jpg|thumb|通信中継艦「アナポリス」として再就役した「ギルバート・アイランズ」(1967年、ベトナム沿岸沖)
</gallery>
 
== 同型艦 ==
艦名は当初、湾の名前を付ける方針だったが、海戦や上陸作戦が行われた地名を記念して命名あるいは改名された艦が多い。
[[Image:USS Point Cruz (CVE-119) underway on 25 June 1955 (NNAM.1996.488.035.047).jpg|200px|thumb|ポイント・クルーズ(USS Point Cruz)]]
艦名はいずれもアメリカ海軍に関連のある地名、もしくは海戦あるいは上陸作戦が行われた地名に因んでいる。
* [[コメンスメント・ベイ (護衛空母)|コメンスメント・ベイ]] (''USS Commencement Bay, CVE-105/CVHE-105/AKV-37'')
* [[ブロック・アイランド (CVE-106)|ブロック・アイランド]][II] (''USS Block Island, CVE-106/AKV-38'')