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[[塗装]]せずにそのまま使用してもあまり錆びず、またその錆が比較的緻密で、腐食が内部に進まない鋼材である。錆の色は茶褐色で相応の美観を持つ。
 
耐候性鋼は、適切な管理をすれば無塗装で使用できるので、[[メンテナンス]]費や塗装費を低減できる。しかし、表面が錆の色になるため、それが正常なのを知らない一般の人には不安や誤解を招きやすい(後述)。そのため、人目に付く場所に限っては、あえて塗装されることがある。
 
また、[[海水]]は保護性錆層を破壊する[[塩素|Cl]]<sup>-</sup>[[イオン]]を含んでいるため、海岸部では耐候性鋼であっても無塗装で使うことはできない。事実、[[沖縄県]][[国頭村]][[辺野喜川]]河口にあった[[辺野喜橋]]の桁は無塗装の耐候性鋼でできていたが、当初の想定を大きく超える速度で腐食が進み、供用開始から30年を経ずして[[2009年]]に崩落した。
 
耐候性鋼は、1910年代欧米で本格的に研究され、[[USスチール]]によりCOR-TEN®<ref>商標登録第登録0278299・5267438号。</ref>の商品名で初めて販売された。日本では[[新日鉄住金|富士製鉄]]で1959年より技術導入の上で販売し<ref>{{PDFlink|[http://www.nssmc.com/product/catalog_download/pdf/A006.pdf COR-TEN®製品カタログ]}}</ref><ref>{{Cite web |date=2009年12月 |url=http://www.nssmc.com/company/publications/monthly-nsc/pdf/2009_12_194.pdf |title=新日鉄 Nippon Steel Monthly Vol.194 |pages=1-6 |format=PDF |publisher=[[新日本製鐵]] |accessdate=2015-03-28}}</ref>、耐候性鋼の代表的存在となったため「COR-TEN」が普通名称化している。
 
COR-TENは[[銅]]を2%程度含み、建築物外壁や内陸部の[[橋梁]]に用いられる。米国では[[ホッパ車]]の側面など[[鉄道車両]]にも用いられている。特にホッパ車は[[砂]]や[[石炭]]を運ぶため、こすれて塗料ががれやすく、保守に手間が掛かるからである。
 
== 耐候性鋼の耐食性 ==