「インディペンデンス級航空母艦」の版間の差分

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インディペンデンス級軽空母は建造途中の[[クリーブランド級軽巡洋艦]]の船体を流用した[[軽空母]]で、[[巡洋艦]]時代の軽敏な速力と十分な排水量を備えている。このクラスの特徴としては、船体が巡洋艦の設計として完成されていたため、巡洋艦時代に甲板となるはずであった装甲の上に取り付けるようにして[[飛行甲板]]と[[格納庫]]が設置されていることである。
 
同級の開発[[フランクリン・ルーズベルト|フランクリン・D・ルーズベルト]][[アメリカ合衆国大統領|大統領]]の海軍建艦計画への関心から開発が進められ始まった。戦争が予想された1941年8月にルーズベルトは、1944年まで新しい航空母艦が建造されないことを知らされた。そこで当時建造途中だった多数の巡洋艦の一部を空母に変更するよう主張した<ref>Friedman 1983, p.177</ref>しかし海軍は巡洋艦サイズの航空母艦に関するそれまでの研究から、この種の艦には重大な限界があるとしてい、当初は大統領の提案に難色を示し<ref>Friedman 1983, p.181</ref>。しかしながら1941年12月の[[真珠湾攻撃]]後の危機でアメリカ海軍には多くの航空母艦を配備する緊急の必要が生じた。海軍は[[正規空母]]の[[エセックス級航空母艦|エセックス級]]の建造を加速すると同時に、1942年1月にはクリーブランド級軽巡洋艦1隻を航空母艦に改装するよう命じた。
 
改装のための設計を行なってみると、意外にうまくいきそうであることがわかった。1942年2月にはさらに2隻の軽巡洋艦が空母改装を命じられ、3月には3隻、そして6月にも3隻が発注された。1943年の1月から12月までに改装は完了し、インディペンデンス級9隻は1943年11月よりエセックス級とともに[[太平洋]]における攻撃部隊の主力となり、エセックス級とともに[[第二次世界大戦]]の勝利に大きく貢献した。1944年6月の[[マリアナ沖海戦]]ではインディペンデンス級のうち8隻が参加、[[艦上戦闘機]]の40%および[[雷撃機|艦上雷撃機]]の36%を供給し[[大日本帝国海軍|日本海軍]]の航空勢力を撃退した。
 
同級の設計は小さなアイランドと共に、比較的短く狭い飛行甲板および格納庫を特色とした。これによるトップヘビーを軽減するため船体バルジが設けられ、中央部で5フィート拡された。搭載機数は約30機で、当初は艦上戦闘機、[[艦上爆撃機]]、艦上雷撃機各9機の編成であったが、後には戦闘機約24機、雷撃機9機に変わっていった。格納庫は密閉式で、艦載機を積載するには飛行甲板にいったん乗せるしかなく、そのための大型クレーンが艦橋前に設けられた<ref>Friedman 1983, p.183</ref>
 
本級は短期間での戦力化を主眼としており、能力には限界があった。設計方針が正規空母よりもむしろ護衛空母に近かったにもかかわらず正規空母と同様に運用されたため、各種の弊害が生じることとなったref>Friedman 1983, p.183</ref>。まず船体が小さいため太平洋の台風に対して凌波性に問題があり、[[コブラ台風]]等では大波に翻弄され船体および艦載機にダメージが及んだ。また、飛行甲板が狭いため艦載機の事故率もやや高かった。また装甲がある程度妥協されたこと艦内が手狭なため弾薬を格納庫等の防護不十分な所に格納せざるを得な保管して場合もあったことは防御面での大きな欠点であり、1944年10月の[[プリンストン (CVL-23)|プリンストン]]喪失の要因となってしまった<ref>Friedman 1983, p.193</ref><ref>{{Harvnb|War Damage Report|1947|page=2}}</ref>。ただし軽巡魚雷に対する水線下船体を使っ防御も不足していたため高速で、主力空母群と行動を共にすることができた<ref>Friedman 1983, p.189</ref>
 
ただし軽巡の船体を使っていたため高速で、そのために高速空母機動部隊の一翼を担って活躍することができた。
 
=== 第二次世界大戦後 ===
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==参考文献==
* {{cite book |last= Friedman |first= Norman |title= U.S. Aircraft Carriers: An Illustrated Design History |year= 1983 |publisher= Naval Institute Press |location= Annapolis, MD |isbn= 0-87021-739-9 |ref={{SfnRef|Friedman|1983}} }}
* {{Cite web |url=https://www.history.navy.mil/research/library/online-reading-room/title-list-alphabetically/w/war-damage-reports/uss-princeton-cvl23-war-damage-report-no-62.html |title=USS Princeton CVL-23 War Damage Report No. 62|publisher=Naval History and Heritage Command |language=英語 |accessdate=2019-10-24|ref={{SfnRef|War Damage Report|1947}} }}
* [http://www.usndazzle.com/designs.php?category=1&class=1 U.S. Navy Ships in WWII Dazzle Camouflage 1944-1945 Aircraft Carriers Fleet Carriers]第二次世界大戦中にインディペンデンス級に施された迷彩塗装が確認できる。