「憲法改正」の版間の差分

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:[[国民投票]]で可決されると、改正憲法は天皇がこれを国民の名において公布する。
 
;投票率、絶対得票の問題点
:前述のように国民投票は投票された票の中で賛成が過半数に達すれば可決するのであるが、有権者全体から割り出した数ではないため、きわめて低い[[投票率]]の中でも賛成が過半数に達しさえすれば、成立となる。極端に言えば投票率3%で圧倒的多数が[[棄権]]の状況で賛成2%、反対1%であったとしても理論的には成立しうる。このことから、「全有権者の数に比べて極端に少ない賛成投票の数、割合で憲法改正が成立する可能性を認めてしまっていいのか」、「その後の憲法体系を不安定にしないためにも、憲法改正の成立要件のハードルを上げた方がいいのではないか」という問題提起がなされている<ref>[[南部義典]]([[シンクタンク]]「国民投票広報機構」代表)、[https://maga9.jp/190306-3/ 最低投票率ではなく、”絶対得票率”を考えよう] ←グラフも用いてわかりやすく解説されている。</ref>。
 
:そこで、[[リトアニア]]の国民投票制のように'''[[最低投票率]]'''制を設けて過半数ルールはそのままに「投票率○○%を超えること」という条件を加えたらどうか、という提案もなされている。[[国民投票法]]案の審議過程で一部野党が最低投票率制の導入を主張したが「投票[[ボイコット]]を誘発しかねない」などの理由で見送られた<ref>[[朝日新聞]]2019年10月29日朝刊、[https://www.asahi.com/articles/DA3S14235366.html?iref=pc_ss_date (憲法を考える)改憲 日本は遅れているのか]</ref>。
 
:そこで提案されるのが「賛成投票の数が全有権者の数の○○%を超えること」という、'''[[絶対得票率]]'''のルールである。実際、[[沖縄県民投票条例]]ではこのルールが採用され、最低投票率ルールを採用せず、10条2項で「県民投票において、本件埋立てに対する賛成の投票の数、反対の投票の数又はどちらでもないの投票の数のいずれか多い数が投票資格者の総数の4分の1に達したときは、知事はその結果を尊重しなければならない」と、絶対得票率25%ルールを採用していた<ref>[[南部義典]]([[シンクタンク]]「国民投票広報機構」代表)、[https://maga9.jp/190306-3/ 最低投票率ではなく、”絶対得票率”を考えよう]</ref>。
 
:25%を超える賛成投票が絶対的に必要となれば、極端に低い数で憲法改正が成立する問題は合理的にクリアできる。[[南部義典]]([[シンクタンク]]「国民投票広報機構」代表)は、「憲法改正の成立をめざす立場(賛成)は、過半数だけでなく、この25%を超えるべく、懸命に運動を展開することでしょう。逆に、反対の立場は、投票棄権が法的な意味をなさない中で、その賛成派の運動を上回ろうと、さらに懸命に運動を展開することでしょう。全体として、賛成・反対を合わせた投票率が向上する効果が得られるはずです」と提言する<ref>[[南部義典]]([[シンクタンク]]「国民投票広報機構」代表)、[https://maga9.jp/190306-3/ 最低投票率ではなく、”絶対得票率”を考えよう]</ref>。
 
日本国憲法に関する個別の条文に対する改正内容の論点は、'''[[憲法改正論議#憲法改正の論点]]'''を参照。