「シベリア高気圧」の版間の差分

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[[西高東低]]と呼ばれる典型的な[[冬型の気圧配置]]になると、シベリア高気圧と[[アリューシャン低気圧]]によって、[[摂氏]]-30度から-50度程度(500hPa付近)の寒気が[[日本列島]]付近まで吹き出され、[[日本海側]]の地域に大[[雪]]を降らせる要因となる。ユーラシア大陸全体から見ると、シベリア高気圧の中心は東に偏り、アリューシャン低気圧と近いため、日本付近は[[気圧傾度]]が非常に大きくなって、冬の間は[[寒気]]とともに[[季節風]]が強くなる。
 
シベリア高気圧は気圧が高いことが特徴で、[[気象庁]]発表のアジア地上解析天気図(ASAS)の掲載範囲では、冬季には1050〜1070[[hPa]]程度まで発達するものもある。[[1968年]][[12月31日]]にロシア、[[中央シベリア高原]]の[[アガタ気象観測所|アガタ]](Agata/[[北緯]]67度,[[東経]]93度)で、1083.8hPa(海面気圧世界最高記録)を記録した。また1ヶ月間(1月)の平均気圧においても、シベリア高気圧の中心付近は1035-1040hPa程度にまで達する。平均気圧の値だけを見れば、北[[太平洋高気圧]]の1025-1030hPa程度(7月の月間平均)よりも高いが、気圧の高さだけで高気圧同士の優劣(好天域の広さなど)が決まるわけではないので注意を要する。
 
== シベリア高気圧の構造 ==
シベリア高気圧の東側にはアリューシャン低気圧が形成され、[[温帯低気圧]]が最盛期を迎えることが繰り返されて大きな低圧部となり、日本付近を含めた東アジア地域には大陸からの寒気団が次々に南下し、気温が下がる。
 
注意すべきは、シベリア高気圧は寒候期の大陸の気温低下を主因としてできるものであるが、寒気の中心と高気圧のそれとは一致していない事で、地上気温の分布を見ると、低温の中心はモンゴルやバイカル湖付近ではなく、オホーツク海北方の[[東シベリア]]にある。これが、前述の東に伸びる気圧の峰や第2の中心に対応している。
 
また、モンゴル付近の中心よりも西側では、地上気温はむしろ高い(相対的にであって、気温の値そのものは氷点下)。このことから、シベリア高気圧は一様な寒気の塊ではなく、東半分は強い寒気で構成されて東アジア方面に寒波をもたらし、逆に西半分は暖気塊となっていると言える。