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[[ジョージ・オラー]]は、超酸を用いて、それまで不安定な化学種とされてきたさまざまな[[カルボカチオン]]種を直接観測する手法を確立させ、それらの性質を明らかにした。その業績などから、オラーは 1994年の[[ノーベル化学賞]]を受賞した<ref>Olah, G. A. ''J. Org. Chem.'', '''2005''', ''70'', 2413.</ref>。
 
オラーが開発した[[マジック酸]] (magic acid) は、[[ルイス酸]]のひとつである[[五フッ化アンチモン]] (SbF<sub>5</sub>) と、フルオロ硫酸との混合物である。その名称は、クリスマスパーティーで使った[[ろうそく]]の[[蝋]]を魔法のように溶かしたことに由来する。
 
現在までに最も強い超酸として知られる系は、[[フッ化水素]] (HF) と五フッ化アンチモンとの混合物で、フルオロアンチモン(V)酸 (fluoroantimonic acid) と呼ばれる。この系では、まずフッ化水素が[[プロトン]] (H<sup>+</sup>) と[[フッ化物イオン]] (F<sup>-</sup>) に分かれ、そのフッ化物イオンが五フッ化アンチモンと強く結合して八面体型アニオン (SbF<sub>6<sub><sup>-</sup>) を作る。このアニオンは塩基性、求核性が非常に弱いため、遊離したプロトンは非常に反応性の高い "free proton" の状態に近づいている。そのような理由で、このフルオロアンチモン(V)酸の系は際だって高い酸性を示すのである。その酸性は、100% 硫酸と比較して約 10<sup>16<!--訳者修正。原文は 2 x 10^19。オラーのref を参考に修正。--></sup> 倍の強さに達する(H<sub>0</sub> ≒ &minus;28、硫酸の H<sub>0</sub> ≒ &minus;12)。この系に、さらに三酸化硫黄 (SO<sub>3</sub>) を加えれば、アンチモン上の配位子の組成を変えることができる。
 
また[[カリフォルニア大学]]のクリストファー・リードは、[[2004年]]に「単一分子として最強の酸」である[[カルボラン酸]]を報告した(Angew. Chem. Int. Ed., 43, 5352 (2004) M. Juhasz et al.)。[[炭素]]1個と[[ホウ素]]11個が[[正二十面体]]型のクラスターを成した構造を持つ。マジック酸などと異なり、フッ化物イオンを出さないために腐食性がなく、様々な用途が期待されている。
 
== 参考文献 ==