「日本とイランの関係」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
m編集の要約なし
115行目:
[[2018年]]5月8日、[[ドナルド・トランプ]][[アメリカ合衆国大統領|米大統領]]は他の{{仮リンク|P5+1|fa|گروه ۵+۱|en|P5+1}}諸国([[国際連合安全保障理事会常任理事国|常任理事国]]5ヶ国および[[ドイツ]])やイランとの事前調整が不十分な状況で核合意からの一方的な離脱を宣言<ref>[https://jp.reuters.com/article/us-abandones-iran-nuke-agreement-idJPKBN1I92ZD トランプ米大統領、イラン核合意離脱を表明 経済制裁再開へ | ロイター]</ref>。これを受けて翌9日、[[河野太郎]][[外務大臣 (日本)|外務大臣]]は「我が国は国際不拡散体制の強化と中東の安定に資する核合意を支持しており,引き続き関係国による建設的な対応を期待します。<ref>公式の英文は {{lang|en|“Japan, however, continues to support the JCPOA which contributes to the strengthening of the international non-proliferation regime and stability of the Middle East, and hopes for constructive actions by relevant parties.”}} [https://www.mofa.go.jp/press/release/press4e_002027.html The Announcement by the President of the United States on the Joint Comprehensive Plan of Action (Statement by Foreign Minister Taro Kono) | Ministry of Foreign Affairs of Japan] {{en icon}}</ref>」と表明し、日本はアメリカの対イラン制裁に同調せず引き続き核合意維持を支持するとの談話を発表した<ref>[https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/page4_003984.html イラン核合意に関する米国大統領の発表について(外務大臣談話) | 外務省]</ref>。しかしトランプは同年11月にイランに対する経済制裁を復活させ<ref>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/article/usa-iran-sanctions-idJPKCN1NA0IG|title=米、イラン経済制裁再開 核開発制限へ圧力 日中などは一時免除|agency=[[ロイター]]|date=2018-11-05|accessdate=2019-06-12}}</ref>、イランもこれに反発するなど関係が悪化。2019年6月12日より安倍首相がイランを訪問しロウハーニー大統領と最高指導者[[アリー・ハーメネイー]]と会談、アメリカとの橋渡しを試みることなった<ref>{{Cite news|url=https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-06-12/PSYTZ56K50XY01|title=安倍首相、米国とイランの関係修復図る-トランプ大統領も見守る|work=bloomberg.co.jp|agency=[[ブルームバーグ (企業)|ブルームバーグ]]|date=2019-06-12|accessdate=2019-06-12}}</ref><ref name=nikkei20190613>{{Cite news|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46040690T10C19A6MM8000/|title=イラン最高指導者、核兵器「製造・使用せず」 首相に|work=日経電子版|newspaper=[[日本経済新聞]]|date=2019-06-13|accessdate=2019-06-13}}</ref>。
 
2019年6月12、当初の予定通り安倍首相によるイラン訪問が実現した。同日の夕刻、安倍首相はロウハーニー大統領と会談して、日本からイランへの医療、環境、防災等の分野における協力実施を表明した上で、イランが地域大国として中東の安定化に建設的な役割を果たすよう要請した<ref>[https://www.mofa.go.jp/mofaj/me_a/me2/ir/page4_005055.html 日・イラン首脳会談 | 外務省]</ref>。また、防災分野における協力は口先だけの外交辞令に止まらず、イランにおける洪水被害に対する支援として日本が合計250万ドルの緊急無償資金協力を実施することがロウハーニー大統領との首脳会談上で伝達された<ref>[https://www.mofa.go.jp/mofaj/me_a/me2/ir/page3_002779.html イランにおける洪水被害に対する緊急無償資金協力 | 外務省]</ref>。翌13日の午前、安倍首相はハーメネイー最高指導者と会談して、ロウハーニー大統領に対して主張したのと同様にイランが地域大国として中東の安定化に建設的な役割を果たすよう要請した<ref>[https://www.mofa.go.jp/mofaj/me_a/me2/ir/page6_000337.html 安倍総理大臣とハメネイ最高指導者との会談 | 外務省]</ref>。2019年の安倍首相によるイラン訪問は、現地では概ね歓迎されて、日本とイランの二国間関係の強化に成功したと言える。しかし、その一方で、ハーメネイー師は安倍首相との会談において「安倍首相の善意と誠実さは疑わないが、トランプ大統領はメッセージを交換するに値する相手ではない。トランプ氏には返事もしない」、「トランプ大統領はイランと対話の用意があると述べつつ、安倍首相と会談した後、石油化学分野に対する制裁を科しており誠意がない」と述べるなどトランプ大統領に対する根強い不信感を表明しており、安倍首相のイラン訪問はアメリカとイランの関係修復に何ら資することはなかった<ref>[https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/42c8cbf0e376b03e.html 安倍首相がイラン訪問、イラン国内メディアの反応 | ビジネス短信 - ジェトロ]</ref>。なお、中東ジャーナリストの[[川上泰徳]]は「米イランの仲介という点では、安倍首相の訪問は完全に失敗だった」と事実上の指摘をしている<ref>[https://news.yahoo.co.jp/byline/kawakamiyasunori/20190614-00130114/ 安倍首相のイラン訪問 緊張緩和の仲介とは程遠い中身と日本側の甘い評価]Yahooニュース公式サイト</ref>。
 
== 要人往来 ==