削除された内容 追加された内容
Skagacncn (会話 | 投稿記録)
編集の要約なし
2行目:
[[画像:Child-life in Japan and Japanese child stories (1901) (14764886425).jpg|thumb|竹馬や相撲など、日本の[[こどもの文化|子供の遊び]]を描いた絵]]
 
'''竹馬'''(たけうま)とは、[[遊具]]の一種。歴史的には[[竹]]を[[馬]]に見立てたものを引きずって走る遊具、または2本の竹に足場となる横木を付けて乗り歩行する遊具のことであるが、「竹馬」といえば後者のことを指すのが一般的になっている<ref name="hikaku">[https://toyo.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=705&item_no=1&attribute_id=18&file_no=1 谷釜尋徳 「竹馬の操作方法と歩行文化との関係 日本とヨーロッパとの比較を通して」] 東洋大学学術情報リポジトリ、2019年10月15日閲覧。</ref>。遊具または実用の類似の道具は世界に広く分布するが、[[日本]]・[[アジア]]・[[オセアニア]]のものと[[ヨーロッパ]]のものは起源が異なるともいわれている<ref name="hikaku" />。
 
== 日本 ==
[[山東京伝]]の『骨董集』(1814〜15年 - 1815年)では「竹馬」とは枝葉の付いた竹を馬に見立てて縄の手綱を付け跨って走る遊戯としている<ref name="hikaku" />。
 
一方、足場を付けた2本の棒に乗って歩行する遊具が登場する最古の文献は[[北静盧]]の『梅園日記』(1845年)といわれており遊具の名は「鷺足」となっている<ref name="hikaku" />。
 
一般的には[[竹]]で作られることから「竹馬」(竹製の乗り物)の名で広まっているが、地域によっては竹以外の木材で作られてきたこともあり<ref>[http://www.proto-ex.com/gentaiken/gentaikenkoramu/169tukutteasobutakeuma.html 原体験コラム集「作って遊ぶ-竹馬-」]</ref>、様々さまざまな呼ばれ方をしてい称がある。そのうちの「タカアシ」「サギアシ」は[[室町時代]]から[[田楽]]で行われている[[ポゴ]]の名称でもある<ref>[[佐藤亮一]] 『お国ことばを知る方言の地図帳【新版】方言の読本』 小学館、2002年、148頁、ISBN 4095041528</ref>。それら田楽の「[[高足]]」には1本の棒に乗る「一足」の他にほか、2本の棒に乗る「二足」があったとされ<ref>[[西岡芳文]]([[網野善彦]]・編) 『職人と芸能 : 中世を考える』 吉川弘文館、1994年、190頁、ISBN 9784642027052</ref>、これがタケウマ竹馬の由来とする見方がある<ref>[[斎藤良輔 (玩具研究家)|斎藤良輔]]「日本人形玩具辞典」([[東京堂出版]])257ページ</ref>。
 
幕末期の『[[守貞漫稿]]』の「竹馬馳」の項目では、竹馬は枝葉のある生竹に縄を付けて手綱にし跨って走る遊戯だが、今世江戸でいう竹馬は七、八尺の竿に縄で横木を付けて足掛かりにして歩くものとしている<ref name="hikaku" />。
 
[[1969年]]には[[ステンレス鋼|ステンレススチール]][[パイプ]]に[[プラスチック]]の足場を備えた既製品も登場し、玩具店で販売されるようになった。
 
== スティルツ ==
'''{{仮リンク|スティルツ|en|Stilts}}'''もしくは'''スティルト'''とは、欧州ヨーロッパで発達した、脚に装着して人間をかさ上げする棒状の器具である。長いものは高さ5メートルにもおよぶ。
 
脚に固定する代わりに手で掴んで乗るものもスティルツに含むが、区別する際には「ペグスティルツ」(Peg stilts、訳:足場スティルツ)と「ハンドヘルドスティルツ」(Hand-held stilts、訳:手持ちスティルツ)に呼び分けられる。
 
ヨーロッパ(のハンドヘルドスティルツ)と日本の竹馬を比較すると、日本の竹馬は棒を手で保持する位置は胸の前で、横木は進行方向に対して後方に向けられている<ref name="hikaku" />。しかし、ヨーロッパのものは腕は下向きに伸ばして棒を脇に抱えて竹馬を背中で支えるような姿勢で保持し、横木は進行方向に対して内側に向いており棒に挟まれる格好になる<ref name="hikaku" />。ヨーロッパでは子供が乗って遊ぶほか、[[ベルギー]]・[[ナミュール]]の祭では若者たちによる[[騎馬戦]]「{{Fr|Échasseurs namurois}}」が[[14世紀]]から行われているという<ref>[http://www.echasseurs.org/ Les échasseurs namurois, combat d’échassiers]</ref>。また遊具だけではなく川を渡る実用的な道具としても利用された<ref name="hikaku" />。
<gallery>
File:Boston_-_park_stilts.JPG|スティルツ
29行目:
 
== 中国の竹馬 ==
[[中国語]]では「竹馬」({{lang|zh|竹马}})を「ツウマー」と読むが、日本のタケウマものとはまったく異なる遊びを指す。切り落とした1本の竹を掴み、それを馬に乗るように跨いで引きり回すだけのものだが、日本でも当初はこれが「タケウマ竹馬」と呼ばれていた。
 
日本で少年時代を意味する「チクバ」は、タケウマ竹馬ではなくツウマーにまつわる[[桓温]]の故事が語源とされているが、原典は「彼は子供の頃から私より格下だった」という内容<ref>[http://www23.tok2.com/home/rainy/seigo-chikubanotomo.htm 故事成語で見る中国史・竹馬の友]</ref>。実際の中華圏ではこれに代わり、[[李白]]の『長干行』<ref>[http://blog.hix05.com/blog/2009/01/post_888.html 長干行:李白 (壺 齋 閑 話)]</ref>を原典とする「[[:zh:青梅竹馬|青梅竹馬]]」(チンメイツウマー)という語異性の[[幼馴染]]という意味で使われている。
 
なお、スティルツ自体は「[[:zh:踩高蹺|踩高蹺]]」(ツァイガオチャオ)などと呼ばれ、一説では[[紀元前]]から演劇に用いられているという<ref>『[[列子]]』での記述から(<ref>[http://www.tainan.gov.tw/jap/10088/stilt-walking.aspx 学甲鎮 高蹺陣] [[台南県]]政府</ref>による)
 
== 脚注 ==
40行目:
== 関連項目 ==
[[File:Takepokkuri.jpg|thumb|竹ぽっくり]]
{{Commons|Category:Stilts|スティルツ}}
* [[缶下駄]] - ハンドヘルドスティルツの一種。竹製のものは「竹ぽっくり」と呼ばれる
{{Commons|Category:Hand-held stilts|ハンドヘルドスティルツ}}
* [[缶下駄]] - ハンドヘルドスティルツの一種。竹製のものは「竹ぽっくり」と呼ばれる
* [[桓温]] - 「竹馬の友」の語源となった
* [[ドッジライン]] - 「竹馬経済」と形容された戦後日本の経済状況を変えるため[[進駐軍]]主導による政策
* [[猿まわし]] - 人間離れしたタケウマ竹馬の妙技を披露することがある
* [[向日市]] - 竹の産地。観光協会主催の「たけうま全国大会」が毎年行われる
* [[高足]] - 田楽の芸
* [[春駒#玩具]]
* [[木馬#棒馬(ホビー・ホース)]]
* [[ジャンピング・スティルト]]
 
== 外部リンク ==
* [{{NDLDC|791198/39}} 近代デジタルライブラリー 東京警視本署布達 ○二月二日] - [[1878年]]([[明治]]11年)の警察当局による、東京市街で竹馬を使用せぬよう求める通達(須原鉄二 『東京警視本署布達全書』 1886年)
{{Commons|Category:Stilts|スティルツ}}
{{Commons|Category:Hand-held stilts|ハンドヘルドスティルツ}}
 
{{DEFAULTSORT:たけうま}}