「地球フライバイ・アノマリー」の版間の差分

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| ガリレオ || 1990-12-08 || 3.92±0.3 || 4.12
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| ガリレオ || 1992-12-08 || −4.6±1.0 || −4.67
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| NEAR シューメーカー || 1998-01-23 || 13.46±0.01 || 13.28
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| カッシーニ || 1999-08-18 || −2±1 || −1.07
<!-- |-
| スターダスト || 2001-01-15 || 不明
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| のぞみ || 2002-04-21 || 不明
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| のぞみ || 2003-06-19 || 不明
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| はやぶさ || 2004-05-19 || 不明
--> |-
| ロゼッタ || 2005-03-04 || 1.80±0.03 || 2.07
|-
| メッセンジャー || 2005-08-02 || 0.02±0.01 || 0.06
|-
| ロゼッタ || 2007-11-13 || 有意でない || &lt; 1
 
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| エポキシ || 2007-12-31 ||
|-
| エポキシ || 20082007-12-2931 ||
|-
| スターダストエポキシ || 20092008-0112-1429 ||
--> |-
| ロゼッーダスト || 2009-1101-13 || 有意でない 14 ||
-->
 
|-
| ロゼッタ || 2009-11-13 || 有意でない ||
|-
| ジュノー || 2013-10-09 || 有意でない || 7<sup>&Dagger;</sup>
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| colspan="4" style="font-size:smaller;" | * 双曲線無限遠点速度に換算したときの速度増加の異常値。<br />&dagger; アンダーソンによる経験式<ref name="Anderson08" />を当てはめたときの予測値。<br />&Dagger; この値のみ近地点における予測値<ref name="Thompson14" />。
|}
 
惑星間に飛び出した太陽系探査機などの人工天体にとって[[スイングバイ]](重力アシスト)、すなわち惑星など自分よりはるかに大きな[[質量]]を持つ天体に接近しその天体から発する[[重力]]あるいは[[引力]]などのエネルギーを受け取る(もしくは与える)ことで軌道変更を行う方法は、欠くことのできない重要なもの操縦技術である。 望ましい軌道変更に成功するためには、スイングバイを行う探査機がその惑星のそばへと正確に接近する必要があり、そのため接近前後の探査機の位置と速度は地上から継続的に追跡されている。 探査機速度の視線方向成分を知るためには、探査機からの電波の[[ドップラー効果|ドップラー偏移]]が測定される。 計算値と一致しないアノマリーはこのドップラー偏移で最初に見出された。
 
最初のアノマリーは、木星への入り組んだ長い旅の過程にあった[[アメリカ航空宇宙局|NASA]]の[[ガリレオ (探査機)|ガリレオ]]探査機が1990年12月に地球でのスイングバイを初めて試みた後に認められた<ref name="Antreasian98">{{cite conference
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}} (arXiv: [http://arxiv.org/abs/astro-ph/0608087 astro-ph/0608087])</ref>。 エネルギーにしてこれは100万分の1程度の小さなズレであったが、誤差は十分小さいと見積もられたため、このズレに関し[[ジェット推進研究所]] (JPL) などで調査が行われた。 しかし満足な説明を与えるような原因は見出されなかった。
 
2年後の1992年12月にガリレオ探査機は2度目の地球によるスイングバイを行った。 しかし、このときには高度およそ 300&nbsp;km という低い軌道での接近であったため、上層大気での抵抗による減速で覆い隠され当初こうしたアノマリーは明確に認められなかった。 ところがその後、[[小惑星]]の探査を目指した [[NEAR|NEARシューメーカー|NEAR]] が1998年1月に行った地球スイングバイで 13.46&nbsp;mm/s の大きな増大が観測され、このとき以来、地球フライバイ・アノマリーは現実の問題としてクローズアップされることになった<ref name="Antreasian98" /><ref name="Anderson06" />。 さらに、[[欧州宇宙機関]]の[[彗星]]探査機[[ロゼッタ (探査機)|ロゼッタ]]の2005年3月のスイングバイでも 1.8&nbsp;mm/s 程度の増大が見られたことが報告された<ref name="Morley06">{{cite conference
| first= T. | last= Morley | coauthors= F. Budnik
| title= Rosetta navigation at its first Earth swing-by