「ヴィオラ・ダ・ガンバ」の版間の差分

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ヴァイオリン属と同様に音域の異なるいくつかのサイズがあり、一つの「属」をなす。音域の高いほうからトレブル(フランスではドゥシュ、ドイツではディスカント)、アルト、テノール、バスがあり、その他にドゥシュより高いパルドゥシュ(フランス)、バスより低いグレートバス、コントラバスがある。このうち、コントラバスは特別に[[ヴィオローネ]]とも呼ばれる。なお、バスあるいは小型のバスを特殊な用途に使う場合、イタリアで「[[ヴィオラ・バスタルダ]]」、イギリスで「リラ・ヴァイオル」、「ディヴィジョン・ヴァイオル」と、それぞれ特別な名称で呼ばれた。
 
ヴィオラ・ダ・ガンバのみによるアンサンブル([[コンソート]])には主にトレブル、テノール、バスが用いられた<ref>{{Cite book|和書|title=ヴィオラガンバの手引|date=2018.1112.1|year=2018|publisher=アカデミア・ミュージック|isbn=978-4-87017-964966-6|url=http://www.vdgsj.org/viol_handbook/viol-handbook190116.pdf0|page=5}}</ref>しかし、17世紀半ば以降同属楽器のアンサンブルという演奏形態が廃れる中、ヴィオラ・ダ・ガンバも、独奏楽器として重用されたバス以外ほとんど使われなくなり、単にヴィオラ・ダ・ガンバといえばバスを指すようになった。
 
== 構造・調弦法 ==
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== 奏法 ==
楽器を身体の前面で立て、小さなサイズは膝の上に乗せるか両膝で挟み、大きなサイズは両脚のふくらはぎに乗せて保持する<ref>{{Cite web|title=Home : Oxford English Dictionary|url=https://www.oed.com/start;jsessionid=07F036A7F1F2A2D3ABEB90241C235374?authRejection=true&url=%2Fview%2FEntry%2F223636|website=www.oed.com|accessdate=2019-12-07|language=en}}</ref>ヴィオローネは脚で支えられないので床に置く。
 
弓はアンダーハンドで(掌を上に向けて)持つ。弓の中央より毛箱側で木部を親指と人差し指の間で挟んで支え、中指の第一関節で毛を弦に押しつけるようにして奏する。
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18世紀の後半にはヴィオラ・ダ・ガンバの使用は衰退し、1787年に最後のヴィオラ・ダ・ガンバの巨匠カール・フリードリヒ・アーベルが死去した後はほとんど作品も作られなくなるが、地域によってはオーケストラの低音楽器としてヴィオローネがなおも使用された。
 
19世紀末に16世紀から18世紀の音楽・楽器の研究が進むとともに、ヴィオラ・ダ・ガンバも[[アーノルド・ドルメッチ]]らによって再び脚光をあびることになった。第二次世界大戦後は各地に、イギリスでヴィオラガンバ協会が 1948 年に 設立されたのを皮切りに米国では 1963 年、日本に も 1973 年に協会が設立された<ref name=":0">{{Cite book|title=ヴィオラ・ダ・ガンバの手引|date=2018.12.1.|year=2018|publisher=アカデミア・ミュージック|isbn=978-4-87017-966-0|page=11}}</ref>。また当時の演奏法なども研究されて、現在は少しずつながら奏者の数は増えている。
 
日本へは、[[天正遣欧使節]]によって、[[フィーデル]]、[[レベック]]などの古楽器とともに伝えられたとされる<ref>熊本県天草市 市立 天草コレジヨ館 展示内容 2012年確認</ref>。安土桃山時代に来日したイエズス会宣教師によって、ガンバが紹介されたともいわれる。信長、秀吉たちがガンバ演奏を聞いたこと、また天正少年使節がガンバを演奏したことなどが、 1562~1607 年の文献に残されている。しかし、禁教により江戸時代にはほとんど西洋音楽は聴かれなかったので、バロック音楽に相当するものは日本には伝わらなかった<ref name=":0" />。
 
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== ギャラリー ==
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== 外部リンク ==
*[http://www.vdgsj.org/ 日本ヴィオラ・ダ・ガンバ協会]
*[https://vdgsa.org/ Viola da Gamba Society of America]
*[http://www.vdgs.org.uk/ Viola da Gamba Society]
 
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