「カタロニア讃歌」の版間の差分

英国イギリスのジャーナリスト・社会派エッセイストであったオーウェルは、スペイン内戦の勃発のニュースを耳にして、ファシストの反乱軍と戦うために、スペインの[[カタルーニャ州|カタルーニャ]]地方へと赴き義勇軍に志願する。しかし、彼だがそこで体験したのは、ロマンティックな英雄譚とは程遠い、退屈で物資に事欠き悲惨で汚臭にまみれた[[塹壕|塹壕戦]]であった。

だが、数ヶ月ぶりに休暇で前線からバルセロナに戻ってきたオーウェルが目にしたものは、本来一体となってファシストに立ち向かうべき後方の人民政府（共和国政府）内で繰り広げられる愚かな権力争いであった。[[ソビエト連邦|ソ連]]の[[コミンテルン]]の支持の元、政府内の主導権を握った共産党は、政府内の他の政党を[[トロツキズム|トロツキスト]]と決め付けて敵視し、彼らへの締め付け弾圧を強化していた。

休暇を終え、再び前線に戻ったオーウェルだが、負傷によりバルセロナへと後送される。しかし、そこで彼を待っていたものは、彼の部隊が所属していた部隊POUM（[[マルクス主義統一労働者党]]）のが政府による非合法化され、そして共産党とPOUMや[[アナーキスト]]との間で繰り広げられる市街戦と政府による逮捕・投獄などの恐怖政治だった。オーウェルの自身の上にも、その手が及ぼうとするが……。