「ロシア型加圧水型原子炉」の版間の差分

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{{出典の明記|date=2019年4月}}
 
[[Image:Wwer-1000-scheme.png|thumb|right|240px|ロシア型加圧水型原子炉の[[原子炉圧力容器]]の模式図。全長は19,137[[ミリメートル|mm]]、直径は4,535mm。(1)制御棒駆動装置、(2)原子炉上蓋、(3)原子炉圧力容器本体、(4)一次冷却水の入出口、(5)一次冷却水流路、(6)炉心バッフル、(7)[[炉心]]。供給された低温の一次冷却水(青い矢印)は供給口から圧力容器に入り、炉心バッフルの外側を通って底部へ達し、上に向きを変えて炉心を通り、高温になって(赤い矢印)出口から出ていく。]]
'''ロシア型加圧水型原子炉'''([[ロシア語]]:{{lang|ru|Водо-водяной энергетический реактор}}, Voda Voda Energo Reactor (VVER))は[[ソビエト連邦|ソ連]]で開発された商業発電用の[[原子炉]]であり、基本的な原理、構造は[[アメリカ合衆国]]で開発された[[加圧水型原子炉|PWR]]と同じである。初期のVVERはアメリカ型([[ウェスチングハウス・エレクトリック<ref name=gidropress-history>{{cite web |ウェスティングハウス系]])のPWRと比較すると、炉心を構成する[[燃料集合体]]の断面が正方形でなく正六角形になっている、[[原子炉圧力容器]]が通常より縦長になっている、[[制御棒]]の挿入速度が遅い、[[蒸気発生器 (原子力)title= Historical notes |蒸気発生器]]が横置きになっている、[[原子炉格納容器]]がない(一部例外)などの違いがある。 publisher= OKB Gidropress | url= http://www.gidropress.podolsk.ru/en/about/history.php | accessdate= 2020-01-15}}</ref><ref name=bock>
{{cite web
[[原子炉格納容器]]が無いだけでなく、[[冷却材]]の喪失という最悪の事故から炉心を守るための[[非常用炉心冷却装置]](ECCS)の性能が十分でないことなど、安全性に問題がある点は西欧諸国や[[国際原子力機関]](IAEA)からも指摘され、三世代目のVVERで改良された。十分な安全設計が成されたのは、この三世代目以降のVVERからで、現在{{いつ|date=2019年4月}}では他の炉型と十分に競争しうる安全性および経済性を持つ[[原子炉]]となっている。なお、世界ではおよそ30機が稼働している。
| author= Prof. H. Böck
| title= WWER/ VVER (Soviet Designed Pressurized Water Reactors)
| website= Vienna University of Technology
| publisher= Austria Atominstitute
| url= http://www.ati.ac.at/fileadmin/files/research_areas/ssnm/nmkt/04_WWER_Overview.pdf
| accessdate= 2020-01-15
}}
</ref>。
 
== 概要 ==
基本的な原理、構造は[[アメリカ合衆国]]で開発された[[加圧水型原子炉|PWR]]と同じだが、初期のVVERはアメリカ型([[ウェスチングハウス・エレクトリック|ウェスティングハウス系]])のPWRと比較すると、炉心を構成する[[燃料集合体]]の断面が正方形でなく正六角形になっている、[[原子炉圧力容器]]が通常より縦長になっている、[[制御棒]]の挿入速度が遅い、[[蒸気発生器 (原子力)|蒸気発生器]]が横置きになっている、[[原子炉格納容器]]がない(一部例外)などの違いがある。
 
[[原子炉格納容器]]が無いだけでなく、[[冷却材]]の喪失という最悪の事故から炉心を守るための[[非常用炉心冷却装置]](ECCS)の性能が十分でないことなど、安全性に問題がある点は西欧諸国や[[国際原子力機関]](IAEA)からも指摘され、三世代目のVVERで改良された。十分な安全設計が成されたのは、この三世代目以降のVVERからで、現在{{いつ|date=2019年4月}}では他の炉型と十分に競争しうる安全性および経済性を持つ[[原子炉]]となっている。なお、世界ではおよそ30機が稼働している
 
ソ連時代に[[東欧諸国]]や[[フィンランド]]に輸出されており、[[ソ連崩壊]]後も[[中華人民共和国|中国]]、[[インド]]、[[イラン]]、[[トルコ]]、[[エジプト]]にも輸出されるなど他の炉型と十分に競争しうる経済性を持つ[[原子炉]]となっている<ref>{{cite web |title=The VVER today |url=http://www.rosatom.ru/upload/iblock/0be/0be1220af25741375138ecd1afb18743.pdf |publisher=ROSATOM |accessdate=2020-01-15}}</ref>。
 
==VVERの構成要素==
*燃料:[[低濃縮ウラン燃料]]
*[[冷却材]]・[[減速材]]:[[軽水]]
 
== 註 ==
{{reflist}}
 
==関連項目==