「電気推進 (船舶)」の版間の差分

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[[蒸気タービン]]は高回転で性能が良くなる一方、推進器は低回転で効率が良くなることから[[減速機]]が必要となるが、20世紀初頭の技術では信頼性の高い減速歯車装置を実用化できなかったことから、電気推進装置によって減速装置とする[[ターボ・エレクトリック方式]]が広く用いられるようになった。また[[ディーゼルエンジン]]についても、面倒なクラッチ操作や捩り振動の対策を避けるため、直結駆動ではなく[[ディーゼル・エレクトリック方式]]を採用することもあった。その後、[[1920年代]]ごろより減速歯車装置の信頼性が向上して実用レベルに達したことから電気推進の採用例は減っていったが、[[第二次世界大戦]]勃発にともなって[[護衛駆逐艦]]や[[戦時標準船]]の量産が求められた際には、減速歯車装置の生産が追いつかず、ターボ・エレクトリック方式やディーゼル・エレクトリック方式に切り替えた艦も相当数が建造されている<ref name="阿部2002"/>。
 
第二次大戦後、水上戦闘艦への電気推進の採用は行われなくなっていったが、逆に潜水艦ではディーゼル・エレクトリック方式の採用が一般的になった。また[[機雷戦艦艇]]や補助艦艇では、低速・微音での航行能力が買われて電気推進とする例があったほか、商船でも、設計の自由度が買われての採用例もあった。その後、[[1980年代]]頃より、技術的には[[パワーエレクトロニクス]]の発達、用兵面では[[対潜戦#原潜の普及とパッシブ戦への移行_(1960〜1980年代)|対潜戦のパッシブ戦化]]に伴う静粛性の要請があって、水上戦闘艦でも電気推進が見直された。特にパワーエレクトロニクスの発達により、推進発電機と艦内給電用発電機を統合する[[統合電気推進]]方式の実現のめどがたち、艦内電子機器の発達による電力所要の増大に対応するためにこれを採用する例も登場している<ref name="阿部2002"/><ref name="東郷2015">{{Cite journal|和書|author=東郷行紀|year=2015|month=02|title=注目の統合電気推進システムとは何か (特集・現代軍艦の推進システム|journal=世界の艦船|issue=812|pages=78-83|publisher=海人社|naid=}}</ref>。
 
== 原理 ==