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[[File:Spruce plywood.JPG|thumb|300pxright|合板の構造]]
'''合板'''(ごうはん、{{Lang-en-short|plywood}} '''プライウッド''')は、薄くスライスした単板(ベニヤ)を多層、接着した[[木質材料]]のことである。
 
== 概説 ==
英語の「plywood 」(プライウッドの「[[:en:ply|ply]] 」([[プライ]]とは、層がいくつも重なった状態、つまり「積層」「多層」のことを指しており、「plywood」で「積層木材」といった意味の用語になっている。
 
[[日本]]では、かつては大抵 合板を「ベニヤ板(ベニヤいた)又は「ベニア板(ベニアいた)呼んでいて、平成期になって若い人ではそう呼ぶことがなり減ったが、本来 ベニヤ (。「[[w:Wood veneer|veneer]]) 」(ベニヤ、ベニア)あくまで[[突板]]であり、薄くスライスした単板([[突板]])ことで、「ベニヤ板」は呼び方「ベニヤ」から成る「板」してはあまり適切ではな。[[1912年]]うこと範多商会なる[[ロシア]]から合、「ベニヤ」のこと輸入した際に「ベニア板と呼んでしまったを略すことが大正・昭和期に広まってしまったわけで、平成期、両者の区別は厳密ではなった<ref それが不適切だと気づく人が増えてきた。name="建築学用語辞典">{{cite book|和書|
|title=建築学用語辞典
|author=n.a.
|editor=日本建築学会
|publisher=岩波書店
|date=1993-12-06
|page=665
}}</ref>。
 
合板は、材木を薄くスライスしてできたベニヤ(単板)を多数枚、接着し積層したものである。 一般に、反り(そり)を軽減するためにさまざまな工夫がされている(後述)。近年の合板では、最も一般的には、1~3mm程度のベニヤを多数枚、大抵は奇数枚、[[繊維]]方向が90°に、つまり直交するように、互い違いに重ねて接着(より詳細に言うと、大抵は 熱圧接着)されて多層構造になっている。稀に線維方向が45度づつ異なる層を重ねたものなどもある。
== 概説 ==
合板は、材木を薄くスライスしてできたベニヤ(単板)を多数枚、接着し積層したものである。 一般に、反り(そり)を軽減するためにさまざまな工夫がされている(後述)。近年の合板では、最も一般的には、1~3mm程度のベニヤを多数枚、大抵は奇数枚、[[繊維]]方向が90°に、つまり直交するように、互い違いに重ねて接着(より詳細に言うと、大抵は 熱圧接着)されて多層構造になっている。稀に線維方向が45度づつ異なる層を重ねたものなどもある。
 
;分類、種類
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== 規格 ==
=== 日本 ===
[[日本農林規格]](JAS)では、住宅等「ロータリーレース又はスライサーにより切削した単板3枚以上を主としてその繊維方向を互いにほぼ直角にして、接着したもの」を'''合板'''としており、建築物の構造用に用いられる'''[[構造用合板]]'''、[[コンクリート]]の[[型枠]]に用いられる[[コンクリートパネル|'''コンクリート型枠用合板]]('''(コンクリートパネル、コンパネ''')、特に用途を定めない'''普通合板'''、構造用合板表面等に美観を目的とする単板を貼った'''難燃化粧ばり構造用合板'''などがあ、普通合板の表面等に美観を目的とする単板を貼った'''天然木化粧合板'''、普通合板の表面等にプリント、塗装等の加工をした'''特殊加工化粧合板'''の6種類を定めている<ref>{{Cite web |date=2008-12-02 |url=httphttps://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/kikaku_53_1kikaku_53.pdf |title=合板の日本農林規格 |format=PDF |publisher=[[農林水産省]] |accessdate=2012-092020-02-06}}</ref>。かつては普通合板について、「難燃処理」や「防炎処理」が定められていたが、2014年の改正で廃止された<ref>{{Cite web |date=2008-12-02 |url=httphttps://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/kikaku_53_2kikaku_53s.pdf |title=合板の日本農林規格の一部を改正する件 新旧対照表 |format=PDF |publisher=[[農林水産省]] |accessdate=20122020-0902-0206}}</ref>。「合板=コンパネ」と誤解している人が多いが、前述の通り、あくまでコンクリート型枠用合板に限って「コンパネ」と言うのであって、全ての合板を「[[コンパネ]]」と総称するのは誤りである。[[ホームセンター]]などでよく見かける、[[化粧合板]]の代表として、'''シナベニヤ'''がある。このシナというのは、使われている木の種類([[シナノキ]])のことである
 
{{要出典範囲|「合板=コンパネ」と誤解している人が多い|date=2020年2月}}が、前述の通り、「コンパネ」はコンクリート型枠用合板のことであり、全ての合板を「コンパネ」と総称するのは誤りである。[[ホームセンター]]などでよく見かける'''シナ合板'''(シナベニヤ)は、天然木[[化粧合板]]のうち、表面に[[シナノキ]]を用いたものである。
 
[[構造用合板]]の中には強度等級があり、住宅等の構造上重要な部分には、必要な強度の構造用合板を用いなければならない。日本農林規格では、合板中の接着剤から放出される[[ホルムアルデヒド]]の量についての性能区分もあり、合板750cm<sup>2</sup>から24時間に放散するホルムアルデヒドの量が平均0.3mg/L以下であるF☆☆☆☆から、5.0mg/LのF☆の4段階の区分がある。現在では大半の製品がF☆☆☆☆を取得しているが、製造にホルムアルデヒドを発生する接着剤を使っていないわけではなく、その遊離を抑制するキャッチャー剤を配合しているだけで、依然として多くの合板でホルムアルデヒドを原料とする接着剤が使われている。
 
=== 韓国 ===
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[[1797年]]には[[:en:Samuel Bentham]] サミュエル・ベンサム([[イギリス海軍]]の[[技術者]])が、合板製造のための装置についての[[特許]]の申請をした。
 
[[1837年]]頃には[[サンクトペテルブルク]]で機械の製造を手がけていた実業家イマニュエル・ノーベル([[アルフレッド・ノーベル]]の父)によって、針葉樹の丸太からロータリーレース(丸太をかつら剥きする機械)によって得られた単板を使った合板の発明がされた<ref name=MWMIH>{{Cite web |title=The Man Who Made It Happen ? Alfred Nobel |url= http://www.3833.com/wbn_nobel_alfred_bernhard |publisher=3833 |accessdate=2012-05-03}}</ref>。イマニュエルは発明で財を築いたため、アルフレッドに複数の家庭教師をつけ、化学をさらに学ぶためにパリやアメリカへの留学する資金ともなった。
 
[[19世紀]]中盤に最初のロータリーレース機械が[[アメリカ合衆国]]に設置されて以降、合板は安価な建築資材として世界中に広まっていった。