削除された内容 追加された内容
出典を明示して全体加筆修正、画像追加と更新。
見直し。
9行目:
|ISO = JP-27
|形状 = 双円墳
|規模 = 墳丘長85.8m<br/>高さ9.4メートル(4m(南丘)
|築造時期 = [[6世紀]]末-[[7世紀]]初頭
|埋葬施設 = 北丘:両袖式[[横穴式石室]]<br/> (内部に刳抜式[[家形石棺]]2基)<br/>南丘:(推定)横穴式石室
26行目:
大阪府南東部、[[金剛山 (金剛山地)|葛城山]]西麓の河南台地最奥部の芹生谷に築造された古墳である{{Sfn|金山古墳(続古墳)|2002}}。[[1946年]]([[昭和]]21年)、[[1993年|1993]]-[[1994年]]([[平成]]5-6年)に発掘調査が実施されている{{Sfn|金山古墳(続古墳)|2002}}。
 
墳形は双円形という特異なもので、北西-南東方向に円墳2基が並列して連接される。北丘は2段築成で直径38.6メートル、南丘は3段築成で直径55.4メートルを測り、全体では墳丘長85.8メートルを測る{{Sfn|金山古墳(続古墳)|2002}}。墳丘表面で[[埴輪]]は認められておらず、[[葺石]]は平坦面では一面に認められるが斜面ではくびれ部西側(北丘石室付近)でのみ認められるもののそれ以外はなく、南丘3段目では列石が認められる{{Sfn|金山古墳(続古墳)|2002}}。墳丘周囲には双円形で平均深さ1.4メートルの双円形の周濠が巡らされており、周濠を含めた古墳総長は104メートルを測る{{Sfn|金山古墳(続古墳)|2002}}。主体部の埋葬施設は、南丘では未調査のため明らかでないが、北丘では両袖式の[[横穴式石室]]が構築されている{{Sfn|金山古墳(続古墳)|2002}}。北丘石室は石室全長10.6メートルを測る大型石室であり、石室内には玄室・羨道に[[凝灰岩]]製の刳抜式[[家形石棺]]が各1基据えられている{{Sfn|金山古墳(続古墳)|2002}}。石室内は盗掘に遭っているが、発掘調査では残存副葬品が検出されている{{Sfn|金山古墳(続古墳)|2002}}。
 
この金山古墳は、[[古墳時代]]後期-[[終末期古墳|終末期]]の[[6世紀]]末-[[7世紀]]初頭頃と推定される{{Sfn|金山古墳(続古墳)|2002}}<ref name="説明板"/>。被葬者は明らかでないが、『[[住吉大社神代記]]』所引『胆駒神南備山本記』の「白木坂三枝墓」に比定して、[[聖徳太子|厩戸皇子(聖徳太子)]]の子の三枝王の墓とする説がある{{Sfn|金山古墳(平凡社)|1986}}。当時としては大型古墳に属するとともに、全国的にも極めて類例の少ない双円墳である点で重要視される古墳である。
54行目:
 
== 埋葬施設 ==
[[File:Kanayama Kofun, genshitsu-2.jpg|thumb|250px|right|{{center|北丘石室 玄室}}{{small|手前に玄室棺。}}]]
[[File:Kanayama Kofun, sendou-1.jpg|thumb|250px|right|{{center|北丘石室 羨道}}{{small|手前に羨道棺、奥に玄室棺。}}]]
主体部の埋葬施設は、南丘では明らかでないが、北丘では両袖式[[横穴式石室]]が構築されており、南方向に開口する。北丘石室の規模は次の通り{{Sfn|金山古墳(古墳)|1989}}。
* 石室全長:10.6メートル
* 玄室:長さ3.8メートル、幅2.16メートル(奥)・2.48メートル(手前)、高さ2.84メートル(奥)
* 羨道:長さ6.26メートル、幅1.72メートル、高さ1.94メートル
石室内の床面には礫石が敷き詰められる{{Sfn|金山古墳(古墳)|1989}}。石室前では墓道が検出されており、その墓道を埋めた閉塞施設がほぼ完存する{{Sfn|金山古墳(続古墳)|2002}}。
77行目:
南丘では石室墓道および墳丘内暗渠が認められており、横穴式石室の存在が推定されるが、未調査のため詳細は明らかでない{{Sfn|金山古墳(続古墳)|2002}}<ref name="説明板"/>。
<gallery>
File:Kanayama Kofun, genshitsu, sekkan-1.jpg|北丘石室 玄室棺
File:Kanayama Kofun, genshitsu, sekkan-3.jpg|北丘石室 玄室棺内部
File:Kanayama Kofun, sendou, sekkan-2.jpg|北丘石室 羨道棺
File:Kanayama Kofun, genshitsu-3.jpg|北丘石室 玄室(羨道方向)
File:Kanayama Kofun, sendou-2.jpg|北丘石室 羨道(開口部方向)
File:Kanayama Kofun, entrance-2.jpg|北丘石室 開口部
File:Kanayama Kofun, entrance-1.jpg|北丘石室 開口部の閉塞施設
</gallery>
 
89行目:
北丘石室は盗掘に遭っているが、発掘調査では石室内から次の副葬品が検出されている{{Sfn|金山古墳(平凡社)|1986}}{{Sfn|金山古墳(古墳)|1989}}。
* ガラス製丸玉 1
* 銀 2 - 玄室石棺内。
* 金銅製金具片
* 鉄製革帯金具 3
* 鉄刀片 2
* 刀子片 1
* 鉄鏃 10数
* 鉄製鉸具 7 - 1個は玄室石棺内。
* 鉄製品片 2