「三島屋変調百物語」の版間の差分

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あらすじ、登場人物加筆
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[[川崎宿]]の[[旅籠]]の娘・'''おちか'''は、とある事情から[[江戸]]で袋物屋「三島屋」を営む叔父夫妻の元へ行儀見習いとして身を寄せている。しかし店主の身内として習い事に励むよりも、女中として忙しく働くことで自らの過去を頭の隅へと追いやろうとしていた。
 
ある日、叔父の'''伊兵衛'''が急な所用のため、訪問が予定されていた客への対応をおちかに任せて外出してしまう。他人に心を閉ざしているおちかは不安に駆られるが、自分を信用してくれた叔父のためにも、客に非礼があってはならないと覚悟を決める。客は、庭に咲く[[曼珠沙華]]に恐れおののくが、おちかに対して自分の過去にまつわる怪をぽつり、ぽつりと話し始める。帰宅後、おちかから事の顛末を聞いた伊兵衛は、江戸中から不思議な話を集めるとして、おちかにその聞き役を務めるよう言い渡す
 
最初の客・藤吉と二人目の客・おたかの不思議な話の聞き役を務めたおちかは、次におちか自らが三人目の客として、'''おしま'''を聞き手に悲しい過去を話し始めるのだった。
客は、庭に咲く[[曼珠沙華]]に恐れおののくが、おちかに対して自分の過去にまつわる怪をぽつり、ぽつりと話し始める。
 
やがて、一度に語り手は一人だけが黒白の間(こくびゃくのま)に招かれ、聞き手はおちか一人だけの「変わり百物語」は三島屋の看板となる。
帰宅後、おちかから事の顛末を聞いた伊兵衛は、江戸中から不思議な話を集めるとして、おちかにその聞き役を務めるよう言い渡すのだった。(「曼珠沙華」より)
 
おちかが19歳の時、'''富次郎'''が三島屋に帰って来て、ともに聞き手を務めたりしていたが、おちかが勘一の元に嫁いでからは、富次郎が聞き手を引き継ぐ。
 
== 登場人物 ==
; おちか
: 川崎宿の旅籠・丸千(まるせん)の一人娘。ある事件を境に他人に心を閉ざす。江戸で袋物屋を営む叔父夫妻を頼り、行儀見習いの名目で身を寄せている。
: ある客の話し相手をしたことを機に、伊兵衛が市井の人々が持ち込む不思議な話を百集めるという計画を立て、17歳のおちかは客の聞き手となる。
: 三島屋に身を寄せてから3年後の、第5作に収録の「金目の猫」で勘一と祝言を挙げる。
; 富次郎(とみじろう)
: 「三島屋」の次男。兄・伊一郎と同じく修行のため木綿問屋「恵比寿屋(えびすや)」に奉公に出ていたが、奉公人同士の揉め事に巻き込まれて大怪我を負い帰って来る。