「端役」の版間の差分

'''端役'''（はやく）とは、[[主役 (曖昧さ回避)|主役]]に対し、物事の主でない周辺の役割や役目そのもの、またはその役を担う人の総称である。主役に副次的に関わる[[脇役]]よりも、さらに目立たない話の背景に表れる人物のことを指す。'''ちょい役'''とも呼称される。

[[テレビドラマ]]や[[映画]]においては、数場面、ないし数カット程度出演する役を指す。多くはあまり高度な演技力は必要とされず、また[[エキストラ]]と同一視される。ただエキストラの多くは臨時雇いの一般人であり、そうでない場合でもエキストラ専門の提供会社に所属する派遣員がほとんどであるのに対して、端役はフリーや無名の役者が演じることが多い。端役も道端の通行人や辺りにいる群衆など単なるの背景としての役であることがほとんどのため、作品を見る側が端役とエキストラを見分けることは難しい。端役とエキストラ両者の違いは、名前がクレジット表記されるかされないどうかの違いとも言われる。

[[演劇]]分野でも、特に「[[商業演劇]]」など、主役のためにあるような作品であったり、出演者数が多くは、その他大勢の役がある出演者数が多い作品でなどには、端役が存在する。登場場面が数分程度、セリフも数行程度で終わることが多い。あるいは数場面にわたって登場するも、短いセリフが数回程度であったり、群集の一人（[[モブキャラクター]]）である場合も多い。登場のたびに演じる役が変わることも見られる他、セリフの全く無い端役もいる。場面場面で衣装を替え、あたかも「三次元の舞台背景」といった役割を果たし、動きのみの演技が要求される。本格的に俳優を目指して勉強中の若者らが多いが、有名俳優の付き人を生業にする人が、その俳優の出演する作品の端役として舞台に立つこともある。

文学作品において端役と指摘される場合、多く主人公格でなくは、その活動が描かれ難い登場人物を指す。主役、脇役に次ぐ三次的な登場人物である。活動が認められある登場人物は主役・脇役と認知されるため、一場面二場面程度の登場人物が端役とされることが多い。

しかし例えば『[[源氏物語]]』のように大部の作品の場合、比較的長期間登場していても、その積極的な活動が認めがたかったり、作中でその人物に対し[[省筆]]が断られている場合は端役と認めらされているケースがある<ref>加藤宏文『源氏物語の端役たち』2006年など。</ref>。