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{{Infobox_自動車のスペック表
'''ウィザード'''(''WIZARD'')は、かつて[[いすゞ自動車]]が生産、販売していた5ドア[[スポーツ・ユーティリティ・ビークル|SUV]]である。同社の「[[いすゞ・ビッグホーン|ビッグホーン]]」と比べ、本来のSUVの文法に沿った、[[ピックアップトラック]]の雰囲気を残したスタイルを特徴とする。
| 車種= 普通自動車
 
いすゞが日本国内で販売した[[乗用車]]系の独立車種(非[[OEM]])としては最後に市販された車である。
{{Infobox_自動車基本情報
| ロゴ=
| 画像=
| 画像説明=
| 車名= いすゞ・ウィザード
| 車名補= UER25FW/UES25FW/UES73FW型
| 販売期間= [[1995年]]-[[2005年]]
| 1枚目画像の説明=フロント
| ボディタイプ=5ドア[[SUV]]
| 駆動方式= 4WD
| 別名=[[いすゞ・ミュー]][[ウィザード]](初代)<br>[[いすゞ・ロデオ]]<br>[[いすゞ・カメオ]]<br>[[いすゞ・ベガ]]
}}
== 概要 ==
[[1995年]]([[平成]]7年)、初代が「[[いすゞ・ミュー|ミュー]]」の5ドアバージョン、「ミュー・ウィザード」として登場。[[1998年]](平成10年)に実施された[[モデルチェンジ (自動車)|フルモデルチェンジ]]の際に、それまでのミューのサブシリーズから「ウィザード」として独立した。
 
[[北アメリカ|北米]]では「[[いすゞ・ロデオ|ロデオ]]」の車名で、[[タイ王国|タイ]]では初代モデルのみが「カメオ」「ベガ」の車名でそれぞれ販売が行われた。[[ヨーロッパ]]の[[オペル]]/[[ボクスホール]]や[[オーストラリア]]の[[ホールデン (自動車)|ホールデン]]では「フロンテラ」の5ドア車として販売が行われた。北米では[[本田技研工業]]にも[[OEM]]供給が行われて[[ホンダ・パスポート]]として販売されていた。
 
日本では[[2002年]]にいすゞ自動車が[[スポーツ・ユーティリティ・ビークル|SUV]]事業の撤退に伴い販売を終了し、海外でも2004年に製造を終了した。
 
== 歴史 ==
=== 初代 UCS69GW型(1990年 - 1998年) ===
{{Infobox 自動車のスペック表
| 車種=乗用車
| 車名=いすゞ・ミューウィザード(初代)
| 車名補=UCS69GW型
| 1枚目画像の説明=ミューウィザード ホワイトリミテッド
| 1枚目画像名=Isuzu Wizard 005.JPG
| 2枚目画像の説明=ミューウィザード タイプX(リア)
| 2枚目画像名=Isuzu Wizard 004.JPG
| 3枚目画像の説明=
| 3枚目画像名=
| 製造国={{JPN}}([[藤沢市]])<br />{{USA}}([[ラファイエット (インディアナ州)|ラファイエット]])<br />{{GBR}}([[ルートン]])<br />{{THA}}(ラヨーン)<br />{{EGY}}([[10月6日市]])
| 販売期間=[[1990年]] - [[1998年]]<br />[[1993年]] - [[2002年]](タイ)<br />[[1995年]] - [[1998年]](日本)
| ボディタイプ=5ドア[[スポーツ・ユーティリティ・ビークル|SUV]]
| ハイブリッドシステム=
| エンジン=[[水冷エンジン]][[直列4気筒|直4]]<br />渦流室式[[ディーゼルエンジン|ディーゼル]][[ターボチャージャー|ターボ]]<br />3,059cc
| モーター=
| トランスミッション=4速[[オートマチックトランスミッション|AT]]
| サスペンション=前:ダブルウイッシュボーン<br /> + トーションバースプリング<br />後:4リンクリジッドアクスル<br /> + コイルスプリング
| 駆動方式=パートタイム[[四輪駆動|4WD]]
| 全長=4,585mm
| 全幅=1,780mm
| 全高=1,750mm
| ホイールベース=2,760mm
| 車両重量=1,890kg
| 乗車定員=5名
| 自由項目1(項目名)= 生産台数
| 自由項目1(内容)= 不明(メーカーにデータなし)<ref>デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第93号21ページより。</ref>
| 自由項目2(項目名)=
| 自由項目2(内容)=
| 先代=
| 後継=
}}
 
[[1990年]]([[平成]]2年)、北米にて[[いすゞ・ファスター|TF]]を3ドア[[スポーツ・ユーティリティ・ビークル|SUV]]化した「[[いすゞ・ミュー|アミーゴ]]」の5ドアバージョンである「ロデオ」が1991年モデルとして発売開始された。製造は[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の「[[スバル・オブ・インディアナ・オートモーティブ|SIA]]」で行われた。エンジンは当初4ZE1型 [[直列4気筒]] 2.6Lと[[ゼネラルモーターズ]] (GM) 製の[[V型6気筒]] 3.1Lが用意され、トランスミッションは5速[[マニュアルトランスミッション|MT]]に加えて、V6車は4速[[オートマチックトランスミッション|AT]]も選べた。1993モデルイヤーにV6エンジンは自社製の6VD1型 3.2Lに、直4エンジンはホールデン製の2.4L ファミリーIIにそれぞれ換装された。
 
==== 日本市場導入までの経緯 ====
1995年(平成7年)当時、いすゞは[[ピックアップトラック]]の「[[いすゞ・ファスター|TF]]」を5ドアの[[スポーツ・ユーティリティ・ビークル|SUV]]とした「[[いすゞ・ロデオ|ロデオ]]」をすでにラインナップに持っており、主な市場である[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の「[[スバル・オブ・インディアナ・オートモーティブ|SIA]]」で生産していた。一方、いすゞは同社を代表するSUVである「[[いすゞ・ビッグホーン|ビッグホーン]]」があり、自社競合を避けるため、[[ユーティリティー]]の面では一歩譲る「ロデオ」の日本国内販売は予定されていなかった。しかし1990年代の国内の[[クロスカントリー]]車市場の急成長に伴い、いすゞでも新たなSUVを国内に投入し、低迷していた[[乗用車]]販売の一助とする機運が高まった。
 
ミュー・ウィザードの開発に当り、他社の[[クロスカントリー]]型SUVの多くが5ドア・ロングボディの投入で人気となっており、国内市場では「5ドア・[[ディーゼルエンジン|ディーゼル]]・[[オートマチックトランスミッション|AT]]」が売れ筋の「[[三種の神器]]」とされていた。そこで、「ビッグホーン」とは別の5ドアの国内向け「新SUV」として、北米「ロデオ」の日本国内向けが企画されたが、ロデオの登場から約4年ものタイムラグがあったため、迅速な市場投入が求められた。そこで当時社長直属のプロジェクトとして立ち上げられた「ZIPカープロジェクト」により、各セクションから専任スタッフを集め少数精鋭の開発体制が組まれた。
 
当初は北米のロデオを[[対面通行|右ハンドル]]化して輸入することで、新車種の追加と、帰りの[[RO-RO船|車運船]]の積載効率の向上の両方が果たせると考えられていた。しかし国内市場への導入に当り、当時主流であったディーゼルエンジンの搭載や、国内ライバル車との対抗上、乗り心地を考慮したサスペンション形式の変更([[リーフ式サスペンション|リーフリジッド]]から[[リンク式サスペンション|4リンクリジッド]] + コイルスプリングへと刷新。)などから、UBSビッグホーンとの部品の共有化を考え、[[藤沢市|藤沢]]工場での生産になった。
 
同時期に[[いすゞ・エルフUT|エルフUT]]の企画が同じZIPカープロジェクトで立ち上げられた他、[[1997年]](平成9年)に発表されたスペシャリティSUV、[[いすゞ・ビークロス|ビークロス]]も同プロジェクトから量産化されている。
 
==== 日本仕様 ====
北米向けロデオからの主な変更点は以下の通りである:
;エンジン
:ミューウィザードは4JG1型ディーゼルを搭載。
;リアサスペンション
:[[リーフ式サスペンション|リーフスプリング]]+[[車軸懸架|リジッドアクスル]]から[[リンク式サスペンション|4リンク]]+コイルスプリング+リジッドアクスルへ変更。
;生産拠点
:日本国内(藤沢工場)で生産。
 
エンジン・サスペンションが変更された背景に、当時の国内市場では[[トルク]]フルで[[燃費]]に優れるディーゼルエンジンが人気であったこと、ワゴンでは[[リーフ式サスペンション|リーフリジッド]]サスペンションがすでに通用しなかったことが挙げられる。ミューの姉妹車という位置付けであるが、外観は同社の国内版[[ピックアップトラック]]である[[いすゞ・ロデオ|ロデオ]]に近い。フロントコーナーマーカーの[[レンズ]]が[[琥珀#琥珀色|アンバー]]なのは北米向けロデオの名残である(ロデオのこの部分はサイドマーカー+サイド[[方向指示器|ターンシグナル]]、ミューウィザードではクリアレンズの車幅灯を[[バンパー]]のフロントターンシグナル外側に移設し、サイドターンシグナルとなる)。
 
エンジンは、それまでのいすゞ小型車で好評であった4JB1-T型エンジンに代え、[[自動車排出ガス規制|排出ガス規制]]に対応しやすい、3.1Lの4JG2型エンジン([[インタークーラー]]なし)を採用した。[[シャシ (自動車)|シャーシ]]のほとんどはビッグホーン・ロングからの流用で、内外装はミュー、[[ダッシュボード (自動車)|インパネ]]周りを[[いすゞ・ビークロス|ビークロス]]と共用した部分も多い。[[トランスミッション]]は4[[オートマチックトランスミッション|AT]]のみであった。
 
1997年(平成9年)春、[[モデルチェンジ (自動車)|マイナーチェンジ]]ではエンジンの電子制御化による出力およびトルクが向上し、[[アルミホイール]]のデザイン変更などが行われた。
 
==== 欧州仕様 ====
[[ヨーロッパ]]向けのオペル/ボクスホール・フロンテラは[[1991年]]から発売が開始された。[[イギリス]]・[[ルートン]]にあるIBCビークルズ(いすゞとボクスホールの合弁で、旧ベッドフォード・ビークルズの工場)にて製造が行われた。エンジンは当初はオペル製の2.4Lガソリンと2.3Lディーゼルが搭載された。1995年のマイナーチェンジで2.2Lガソリンといすゞ製4JB1-TC型 2.8Lディーゼルに換装され、リアサスペンションがコイルスプリング式に改められた。1996年からはVMモトーリ製の2.5Lディーゼルも加わった。
 
フロンテラは1995年にルートンから[[オセアニア]]のホールデンに輸出されて発売されたが、こちらは3ドアのみであった。
 
==== タイ仕様 ====
タイでは1993年から2WD車が「カメオ」 (Cameo)、4WD車が「ベガ」 (Vega) の車名で導入され、2002年まで製造が行われた。後継車種は[[いすゞ・MU-7|MU-7]]。
 
<gallery>
File:Opel Frontera 2,4 i in Kraków (1).jpg|オペル・フロンテラ(フロント)
File:Opel Frontera rear 20071119.jpg|オペル・フロンテラ(リア)
</gallery>
 
==== 余談 ====
[[ドイツ自動車連盟]](''Allgemeiner Deutscher Automobil Club''、'''ADAC''')が2005年に実施したテストにおいて、当代モデルと酷似した[[ランドウインド・X6|ランドウインドX6]](中国名:陸風・X6)が前面衝突0点という史上最悪の結果を露呈し、思わぬ所で脚光を浴びる結果となった<ref>北米向けロデオのアメリカ[[New Car Assessment Programme|NCAP]]における安全性は、前面が星3から4、側面が星4から5(最高)となっている。</ref>。
 
製造元である陸風汽車は[[江鈴汽車]]のブランドで、いすゞ(中国名:慶鈴五十鈴)と提携しつつも資本は[[フォード・モーター|フォード]]というややこしい関係を持っており、X6のディーゼルエンジンはいすゞ製<ref>ガソリンエンジンは三菱製</ref>であるもののそれ以外はいわゆる「チャイニーズコピー」であり全くの別物となる。
 
=== 2代目・UER25FW/UES25FW/UES73FW (1998年 - 2005年) ===
{{Infobox 自動車のスペック表
| 車種=乗用車
| 車名=いすゞ・ウィザード(2代目)
| 車名補=UER25FW/UES25FW/UES73FW型
| 1枚目画像の説明=ウィザード
| 1枚目画像名=Isuzu Wizard 001.JPG
| 2枚目画像の説明=ウィザード(リア
| 2枚目画像名=Isuzu Wizard 002008.JPG
| 3枚目画像の説明=
| 3枚目画像名=
| 製造国={{USA}}([[ラファイエット (インディアナ州)|ラファイエット]])<br />{{GBR}}([[ルートン]])
| 販売期間=[[1998年]][[5月]] - [[2005年]]
| 設計統括=
| デザイン=[[中村史郎]]
| 乗車定員=
| ボディタイプ=5ドア[[スポーツ・ユーティリティ・ビークル|SUV]]
| エンジン=4JX1型 直4 3.0L<br />6VD1型 V6 3.2L
| ハイブリッドシステム=
| エンジン位置=4JX1型 直4 3.0L 145PS<br />6VD1型 V6 3.2L 215PS
| モーター=
| 最高出力=3.0L 145PS<br />3.2L 215PS
| 最大トルク=
| トランスミッション=
| 駆動方式=後輪駆動(2000年まで。2000年からは[[いすゞ・ウィザードアライブ|ウィザードアライブ]]として独立)/四輪駆動
| サスペンション=
| 駆動方式=4WD/FR
| 全長=4,490mm
| 全幅=1,785mm
124 ⟶ 28行目:
| ホイールベース=
| 車両重量=1,740kg
| 最大積載量=
| 乗車定員=
| 自由項目1(項目名)= 生産台数
| 自由項目1(内容)= 不明(メーカーにデータし)<ref>デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車 第67号17ページより。</ref>
| 自由項目2(項目名)=
| 自由項目2(内容)=
| 別名= <!--現地名、地域を記入-->
| 先代=
| 後継=
| プラットフォーム=
}}
'''ウィザード'''(''WIZARD'')は、かつて[[いすゞ自動車]]が生産、販売していた5ドア[[スポーツ・ユーティリティ・ビークル|SUV]]である。同社の「[[いすゞ・ビッグホーン|ビッグホーン]]」と比べ、本来のSUVの文法に沿った、[[ピックアップトラック]]の雰囲気を残したスタイルを特徴とする。
 
== 概要 ==
==== コンセプトカー「145X」 ====
[[1998年]]、「[[いすゞ・ミューウィザード|ミューウィザード]]」の後継として登場。基本的なスタイリングは踏襲するもプラットフォームやエンジンを一新しミューファミリーから脱却する(とするもミューの5ドア版という位置関係は変わらない)。
1997年(平成9年)の第32回[[東京モーターショー]]で、「145X」が2代目ウィザードの[[コンセプトカー]]として発表された。「145X」とは開発[[コードネーム|コード]]であり、"145"がUES系の全体開発コード、"X"がロングボディー単独コードを表す(ショート[[ホイールベース]]のミューは「Y」)。
 
[[北アメリカ|北米]]では「[[いすゞ・ロデオ|ロデオ]]」の車名で、[[ヨーロッパ|欧州]]の[[オペル]]/[[ボクスホール]]や[[オーストラリア]]の[[ホールデン (自動車)|ホールデン]]では「フロンテラ」の5ドア車として販売が行われた。北米では[[本田技研工業]]にも[[OEM]]供給が行われて[[ホンダ・パスポート]]として販売されていた。
 
日本では[[2002年]]にいすゞ自動車がSUV事業の撤退に伴い販売を終了し、海外でも[[2004年]]に製造を終了した。
 
== コンセプトカー「145X」 ==
1997年の第32回[[東京モーターショー]]で、「145X」が2代目ウィザードの[[コンセプトカー]]として発表された。「145X」とは開発[[コードネーム|コード]]であり、"145"がUES系の全体開発コード、"X"がロングボディー単独コードを表す(ショート[[ホイールベース]]のミューは「Y」)。
 
コンセプトカーでは、外観をゴールドのボディカラーでまとい、内装に本革やシルバー等の装飾が施されたが、その多くは市販車に生かされることはなかった。
 
== 変遷 ==
=== 期型1998年 - 2000年 ====
[[1998年]](平成10年)[[5月]]、国内販売が開始された。フルモデルチェンジに伴い、プラットフォームやエンジンが一新されている。ミューの姉妹グレードから独立した車種となり、スポーツ性と実用性の双方を兼ね備えた、[[コストパフォーマンス|コスパ]]に優れた[[スポーツ・ユーティリティ・ビークル|SUV]]として位置づけられた。
;プラットフォーム
[[プラットフォーム (自動車)|プラットフォーム]]では、先代がUBSビッグホーンと共通のシャーシを使用していたのに対して、UES型では専用のシャーシを開発した。このシャーシの特徴としては、従来のロングボディやショートボディだけではなく、ピックアップトラックへの流用を考慮して、3分割[[フレーム形式 (自動車)|フレーム]]とした。ボディの長さ、用途別による強度対応を柔軟に行える点が挙げられる。(後にタイで生産される[[D-MAX]]のシャーシにも流用されているが、大幅に改良されている。)軽量化にも対応しており、従来比で100kg以上の軽減されている。このプラットフォームの開発当初は、[[モノコック]]化も検討されていたため、その際の技術が軽量化につながったとも言われている。サスペンションはフロントは従来どおりダブルウィッシュボーン+トーションバースプリングだが、リアは5リンクリジッド+コイルスプリングに変更された。リアサスペンションの変更は、燃料タンクの位置変更(リア[[オーバーハング]]からホイールベース間)と[[スペアタイヤ]]の床下設置に対応したものである。[[ステアリング|ステアリングギアボックス]]も従来の[[ボール・ナット]]から、[[ラック・アンド・ピニオン]]に変更され、操縦性を向上させた。
;エンジン
*ガソリンエンジン 3,200cc V6 6VD1 出力:215PS/5,600rpm トルク:30.0kg・m/3,200rpm
:ビークロス用の6VD1型から[[エキゾーストマニホールド|エキマニ]]の等長化を実施。
*ディーゼルエンジン 3,000cc 4JX1 出力:145仏PS/3,600rpm トルク:30.0kg・m/2,000rpm
:UBS73ビッグホーン用から[[インタークーラー]]を省略。
いすゞが新たに開発した4JX1型[[コモンレール]]式ディーゼル(Dd)ターボ(インタークーラーし)を搭載し、燃費の向上、環境負荷の低減を両立させた。出力においても前モデルより排気量が0.1L減少したにもかかわらず、+20PSと飛躍的に向上した。ビッグホーンに比べ、車両重量が200kg以上軽かったため、出力が低くてもドライビバリティ的に問題なかった。
;スタイリング
欧州のデザインスタジオ(いすゞヨーロッパエンジニアリング、IEE)と藤沢工場デザイン部の競作。チーフデザイナーは3代目[[いすゞ・ジェミニ|ジェミニ]]を担当した[[中村史郎]]。「質実恒健」をキーワードに、プレーンでシンプルなスタイルを目指した。特に細部のグラフィックの仕上がりに対して評価は高かった。しかし、ライバルのひとつである[[日産・テラノ]]に近い骨格デザインのため、先代にくらべインパクトやスタイリッシュさに欠けるきらいがある。
160 ⟶ 75行目:
2WD追加時に、ガソリン車の[[アルミホイール]]が15inから16inに変更された。
 
==== マイナーチェンジ 期型2000年 - 2002年 ====
;LSE-LIMITED
:[[1999年]](平成11年)秋の[[東京モーターショウ]]では、前回に引き続き、マイナーチェンジ後期型車をコンセプトカーLSE-LIMITEDとして先行発表。ボディカラー、ホイール、内装のデコレーションを除き、デザインはそのまま市販車に生かされていた。
;概要
:[[2000年]](平成12年)[[5月]]マイナーチェンジ実施。内外装のデザインを大幅に変更し、質感を大幅に向上されるとともに、グレードの整理、新技術の投入を積極的に実施した他FRモデルを[[いすゞ・ウィザードアライブ|ウィザードアライブ]]として独立させる
;エンジン
:ディーゼルエンジンは変更なし。ガソリンエンジンは、電子制御[[スロットル]]の採用、[[イオン]]センシングの採用、良低排出ガスの適応が実施された。
183 ⟶ 98行目:
コストパフォーマンスの充実を図った意欲的なモデルへと変化、フロントマスクの変更でアメリカ市場で好まれるタフなイメージが強調された。
 
[[2001年]]([[平成]]13年)[[5月]]マイナーチェンジ実施。北米の[[モデルチェンジ (自動車)|イヤーモデル]]にあわせた小変更。リアドアにツイーターを追加、8スピーカーとなる。水没対策パワーウインドウの追加、2WDアライブに偏平率60%タイヤの装着、[[紫外線|UV]]カットガラスをフロントウインドシールドに装備、[[エアバッグ]]の意匠一部変更など。
 
国内で販売されたウィザードとしては最終モデルとなり、販売台数は特に少ない。
189 ⟶ 104行目:
[[2002年]][[8月]]<ref>{{cite web|url=https://www.carsensor.net/catalog/isuzu/wizard/|title=ウィザード(いすゞ)のカタログ|中古車なら【カーセンサーnet】|publisher=リクルート|date=2019-12-20|accessdate=2019-12-20}}</ref>、生産終了。その後の[[9月]]にいすゞ自動車のSUV事業撤退に伴い、同年12月<ref>{{cite web|url=https://gazoo.com./catalog/maker/ISUZU/WIZARD/|title=ウィザード|トヨタ自動車のクルマ情報サイト-GAZOO|publisher=トヨタ自動車|date=2019-12-20|accessdate=2019-12-20}}</ref>に日本国内での販売を終了。
 
==== 生産拠点 ====
生産拠点は当時[[富士重工業]]との合弁であった、アメリカの「[[スバル・オブ・インディアナ・オートモーティブ|スバル・イスズ・オートモーティブ]]」(SIA)で、日本で整備([[PDI]])後、販売された。
そのため、[[輸入車]]として扱われており、バックドアガラスに「[[日本自動車輸入組合]]」の[[シール|ステッカー]]が付く。
 
==== 海外展開 ====
北米仕様の[[いすゞ・ロデオ|ロデオ]]は、2002年と[[2003年]]にマイナーチェンジを実施された。2002年マイナーチェンジ時に、フロントマスクのデザインをホール6化し、[[フリーホイールハブ]]の廃止に伴い、ホイールデザイン変更とセンターキャップの張り出しをなくした他、[[ステアリング・ホイール]]にオーディオコントロールスイッチを装備した。2003年に行われたマイナーチェンジでは、[[いすゞ・アクシオム|アクシオム]]とともに 3,500cc [[直噴ガソリンエンジン]]がオプションで追加された。
 
210 ⟶ 125行目:
</gallery>
 
=== その他 ===
本来北米市場を想定して設計されたため、[[シフトレバーの配置|シフトレバー]]の位置が遠く、MT車のクラッチペダルのストロークが大きすぎるなど、日本人の体格に合わない部分も見られる。
 
国内販売された多くがマイナーチェンジ前のモデルで、後期型はかなり少ない。いすゞのSUV撤退時に在庫車が50万から80万円引きで売りに出されていた。
 
国内で販売された5MTMT車は約800台足らずである。5MTMT車は[[フライホイール]]の交換という比較的大掛かりな[[リコール_(自動車)|リコール]]の対象ともなった。
 
ビッグホーンとの差別化を図るため[[インタークーラー]]の搭載は最後までなかったが、ディーゼルに関して言えばエンジンの電子制御化、ATの電子制御化も遅く、ビッグホーンに遅れること実に3年、2001年のことであった(ガソリン車については[[2000年]]のマイナーチェンジでエンジン、AT共に電子制御化済である)。総じて、立場上ビッグホーンより格下の扱いに終始したが、車高が低く、車重も200kg程度軽量であることなど、他社製[[スポーツ・ユーティリティ・ビークル|SUV]]を含め、運動性や動力性能では利点も多い。
 
== 車名の由来 ==
*「ウィザード」は[[英語]]で[[魔法使い]]、[[名手]]を意味する
 
== 脚注 ==
=== 注釈 ===
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist|group=注釈}}
 
==脚注= 出典 ===
{{reflist脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}
 
== 関連項目 ==
{{commonscat|Isuzu Wizard|}}
* [[いすゞ・ウィザミュド}}]]
{{commonscat|Isuzu* Rodeo|[[いすゞ・ロデオ}}ミューウィザード]]
* [[いすゞ・ウィザードアライブ]]
* [[いすゞ・ミュー]] - 同一エンジン搭載車<ref>デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第63号28ページより。</ref>。初代はここから派生した。
* [[ホンダ・パスポート]] - 姉妹車
* [[いすゞ・MU-7]]
237 ⟶ 159行目:
 
== 外部リンク ==
* [http://www.isuzu.co.jp/museum/suv/wizard.html ISUZU ミュージアム WIZARD 1995-1998]
* [http://www.isuzu.co.jp/museum/suv/wizard/index.html ISUZU ミュージアム WIZARD 1998-2002]
* [http://www.eonet.ne.jp/~vehi-nana VehiCROSS007/175 + WIZARD]
* [http://gazoo.com/meishakan/meisha/shousai.asp?R_ID=8379 GAZOO.com いすゞ・ウィザード]
 
{{自動車}}